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旅はトラブル

−−九州はまた雨だった−−

そして夏

 少し早い目の夏休みをとって、6月29日から旅行に出かけることにしました。今回の旅行の目的は路面電車、それも今年デビューした国産の超低床型の車両に乗ることです。鹿児島、松山、高知と相次いで導入されました。この三都市をすべて回れればいいのですが、三泊四日の旅では九州と四国を同時に巡るのは無理があります。高知では後免なはり線の開通もあるので、もう少し落ち着いてからということにして、九州に行く事にしました。
 鹿児島は、決定です。超低床型路面電車の旅ですので、熊本もはずせません。後もう少し足を伸ばしたいです。路面電車の走る長崎にするか、まだ乗ったことのない島原にするかいろいろと考えました。どこをどのような順番で回るにしても、九州は遠いので飛行機を利用することになります。(某レイルウェ−ライター氏も雑誌上に書かれていましたが、鉄道ファンとはいえ、最近は九州まで新幹線や夜行で行く気力と時間がなくなりました。)ともかく、使えそうな飛行機の時間をまず調べることにしました。すると、東京-大分間に1往復だけDC10の便があります。DC10はもうすぐ日本の空から引退ですので、これは乗らねばなりません。そう言えば、大分空港と市内を結ぶのはバスの他にホバークラフトもあったはずです。乗り物好きとしては、これもはずせません。東京-大分間のDC10の便は、東京発は時間がお昼過ぎなので効率が悪くなるので、大分発を利用することで決定です。鹿児島と熊本へ行くことも決まっていますから、これをどのような順番で回るかです。いろいろと調べた結果、熊本-鹿児島-延岡-大分の順で行く事にしました。熊本-鹿児島間は、鹿児島本線で「つばめ」を使って移動するのではなく、旧本線の肥薩線を使い、くまがわ鉄道に足を延ばすことにしました。鹿児島-大分間に延岡とあるのは、延岡で一泊して、そのまま日豊本線で大分に向かわず、高千穂鉄道を使い高千穂へ行き、そこからバスで高森へ移動して、南阿蘇鉄道で立野へ行き、大分へというルートだからです。

旅立ちは嵐の予感

 6月の終わりといえば、梅雨の真っ最中です。6/29の朝、東京は雨が降っていませんが、九州南部は大雨の予報が出ていました。熊本空港に着いたときは大した雨ではありませんでしたが、バスで市内へ移動し熊本交通センターに着いたときはひどい降りようです。傘を持っていなかったので売店で購入して、その傘を差しながら、あちらこちらと移動して写真を撮りました。雨が激しく振ったかと思えば、陽が射したりと天気は安定しません。よく考えれば、前回、訪問したときも雨だったように記憶しています。その日は、早めに切り上げて宿に入りました。
雨の熊本
問題は、翌日のことです。6/30は、肥薩線を使い、くまがわ鉄道に寄り道をして、鹿児島に移動する予定です。山の中のローカル線ですので、雨には弱そうですし、本数が少ないので予定が狂うとうまく移動できないかもしれません。そんなことを考えながら眠り、翌日起きてみるとやはり雨で、熊本や鹿児島には大雨警報が出ています。ひとまず、熊本駅に様子を見に行くことにしました。乗車予定の急行「くまがわ」は予定通り発車しそうでしたが、特急「つばめ」には遅れが出ているようです。まだ雨は強くなりそうなので、今日の予定は変更して、バスで鹿児島へ移動することにしました。(「つばめ」は乗ったことがあるし、バスの方が安いので.....)
 熊本バスセンターからバスに乗り、市内のバス停から乗客を拾っていると、おお慌てで予約なしで乗ってきた一団がいました。下品に大声で話しているのを聞くと、博多から熊本へ野球を見て帰ろうとしたところ、「つばめ」が熊本から先動かなくなったようです。バスを選択して正解のようです。バスは、九州自動車道を通り、途中、人吉によりました。そう、今日来ようとしていたところです。どうやら、くまがわ鉄道や肥薩線も止まっているようで、保線係が線路を点検しているようです。バスは、その後、鹿児島空港によってから鹿児島市内へと着きました。まだ、昼過ぎで予定よりは大幅に早く着いてしまいました。鹿児島でも、雨は降ったりやんだりですが、翌日に予定していた市電の探索、そう、超低床電車の乗車に出かけました。
鹿児島市電 超低床車
 翌日、7月となり雨もやんだようです。本来予定していた路面電車の乗り歩きは昨日してしまったので、昨日行かなかった谷山にだけ行って、予定より早く延岡に移動することにしました。自動販売機で延岡までの乗車券と自由席特急券を買うと、3枚の切符が出てきました。以前ですと、「にちりん」1本で鹿児島から延岡へ行けたのですが、今は宮崎で系統が分けられ、鹿児島-宮崎間は「きりしま」となり別料金になっています。さらによく見ると、鹿児島からは宮崎ではなく南宮崎までとなっています。宮崎からは、ちゃんと宮崎です。南宮崎-宮崎間はどうすれば良いのでしょうか。宮崎からは、「にちりんシーガイヤ」を使う予定をしていましたが、その列車は宮崎空港発で、宮崎空港-宮崎間は快速の扱いです。南宮崎はその間にあるので、南宮崎で乗り換えろということでしょうか。なんとなく納得できないまま、南宮崎で乗り換えました。でも、南宮崎には車両基地があり、いろいろな車両が見れてちょっと得した気分になりました。後でわかったことですが、「きりしま」も南宮崎-宮崎間は快速の扱いなので、特急券は南宮崎までしか発売されないだけでした。考えてみれば、自由席特急券なのでいつどのように乗るかわからないのに、自動販売機が乗り継ぎを考えて発券するわけがありません。

終わりよければ

 延岡にも予定より早く着きましたが、どこへ行って良いのやらさっぱりわかりません。もともと、高千穂鉄道を利用するために寄っただけで、当初は、宮崎に泊まろうかと考えたのですが、朝が早くなるので延岡にしただけです。何とか時間を過ごし、一晩寝ればもう最終日です。天候も回復し、今日は雨の心配はなさそうです。本日一番の問題は、高千穂から高森への乗り継ぎがうまく行くかです。高千穂と高森の間は鉄道の計画もありましたが、両端が第三セクター化され、さらには県境を越えるという環境を考えると、鉄路で結ばれることは永久にないでしょう。鉄道の代わりにバスが走っています。こんな山のなかなのでさぞかしローカル線であろうと思っていたのですが、なんと、延岡と熊本を結ぶ都市間特急バスの一部になっているのです。その代わり、1日3往復しかなく、高千穂も高森も駅には寄らず、近くのバス停へ10分程度歩かねばならないようです。それぞれの地図は用意していますが、バスが遅れてはすべてがおじゃんです。
懸念していた問題も、実際に利用してみれば、バスのダイヤには余裕があるようで、高千穂を出るときは遅れていたのに(到着時は遅れてついたわけではありません、トイレ休憩で時間を多く使っただけです)高森にはやや早い目につきました。正確に言うと、高森町役場入口というところで降りるのですが、そこはコンビニの駐車場(元はドライブイン?)で再びトイレ休憩になるようです。よって、時刻表に出ていたのは出発時刻で、到着時刻はそれより5分は早いみたいです。おかげで早足で歩いた結果、南阿蘇鉄道には予定より1本早い列車に乗ることができました。
高千穂鉄道 高千穂駅
高森役場入口南阿蘇鉄道 高森駅
南阿蘇鉄道は、トロッコ列車を運転していたり、車両が勾配対策を十分していると聞いていたので、山の中の風光明媚な(=険しい)ところを走るのかと思っていたのですが、意外と田園風景の中を進み、険しいのは立野へ着く一駅前からぐらいで、高千穂鉄道のほうが険しい地形の中を進みます。立野は、今では少なくなった通過できないスイッチバックの駅で、南阿蘇鉄道の方へは直進するような形となっていますが、豊肥本線の列車は駅に着くと一旦バックして、もう一度方向を変え、前へと進む構造になっています。鉄道好きのくせに現地に着くまではそんなことも知りませんでした。
 立野からは特急「あそ」に乗り、大分へと進むだけです。途中、エンジンの一部が止まり冷房が効かなくなったりしましたが、すぐに復旧し、大分には予定通りに着きました。次は、ホバーに乗るために、バスで移動です。バスは、ホバーの便に合わせて運行されているみたいですが、乗り場がわかりません。不案内な土地でバスに乗ろうとすると、乗り場がわからないということはよくあります。探してみると、なんと、空港行きバス乗り場のすぐ横からの発車でした。ホバー乗り場へは、バスで10分くらいで着きます。大分ホバー基地には何台(何隻?何機?)もの大小のホバークラフトが止まっていました。さあ、今回の旅のもう一つの目的、ホバーの初体験です。ホバーは乗ってみると、空気で浮いて走るので乗り心地は良いかと思っていたのですが、意外と小さな波でも拾い、ごつごつとした乗り心地でした。また、沢山のエンジンを動かしているので、船内まで大きな音が響きますので、乗り物に弱い人はやめた方がいいかもしれません。そして、ホバーの見所は、大分空港に上陸して航走路と呼ばれるS字カーブを走るときです。車みたいに車輪をハンドルをまわして曲がるわけにいかないので、舵を使いカウンターをあてて曲がっていきます。到着前のアナウンスで、まっすぐに走らないけど気にしないでねと言った感じの説明がありました。なにを大げさなことを言っているのだろうと思ったのですが、実際にそこへつくと、極端に言えば真横に走るような感じとなり、何も知らないと曲がり損ねたと思ってしまうでしょう。
パンクしているホバークラフト
 ホバーにも乗り、空港でお土産を買って、後はDC10に乗って帰るだけです。一番心配していた乗り継ぎもうまく行き、上々の気分です。身体検査を受け、搭乗待合室に入っていくと、すでにシップは出発の準備をしています。よく見ると何かが違います。第3エンジンがありません。DC10の特徴である、垂直尾翼に刺さったエンジンがありません。なんと、シップチェンジでB767が止まっているではありませんか。最後の最後で、大分空港を利用することにしたDC10に乗れないという落ちがつきました。


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2002/08/11作成
2008/03/22移転に伴う修正

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