このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください


ひ と り ご と


   旭山動物園でペンギンたちの『話し合い』現場に立ち会いました


 北海道旭川は今売り出し中の 旭山動物園 に行ってきました。今年はとにかく雪が少なく気温も高い、とバスの運転手さんも言っていました。確かにその通りなんでしょう、あちこちで地面が見えていましたし、手袋なしでも平気でした。

 駅前からバスで約30分、動物園は広大な山の斜面に設えられています。これまでは斜面の動物園など決して考えられない常識外だったそうです。でも発想の転換の大勝利で、この日も多くの見物客が押しかけていました。

 ちょうど可愛いペンギンたちの散歩時間でした。散歩コースをヨチヨチ一周してきたペンギンたちは、すぐには囲いの中に入らず入り口で立ち止まりグズグズしています。係員もそれをせきたてることは決してしません。

 そのうち、どういうわけか一羽だけが先に中に入りました。それでもあとのペンギンたちは外でたむろしています。先に入ったペンギンがすぐに戻ってきて、他のペンギンたちと何やら話し合っていました。やがて全員が揃っておもむろに囲いの中に引き上げて行きました。

 何を相談したんでしょうね。不思議に思ったので係りのヒトに「あの一団にはリーダーがいて、そのリーダーの指示で行動しているんですか?」と尋ねてみました。係員が親切に答えてくれるには、ペンギンにはリーダーは存在せず、全部集団で解決するそうです。

 ということは、先ほど最初に囲いの中に入った一羽は、あとが続かないのを見てあわてて引き返し、己が単独行動を皆に詫びて、そののち集団で帰宅したのでしょう。なかなか難しい社会ではあります。

 他にはアザラシの透明トンネルくぐり、白熊のダイビング、オランウータン・・・。確かに良くできた動物園でした。下から順に見ていくと、いつの間にか山の上に登っています。ただ登るだけなら結構疲れる斜面です。それでいて下から上に順に観察してゆくと、そちらに気をとられて疲れ知らずです。しかも下方・上方と両方から観察できているわけです。一番印象に残ったことは、すべての係員の動物に対する細かい心配りです。見ていて心が和みました。

 旭川は大変遠いところです。しかもこの冬の季節に、全国から、さらに海外からも見物客が驚くほど大勢見えていました。娯楽施設ではなく、動物の行動観察としてお勧め動物園です。それにしても北海道は広い!空港へのバス道、はるか地平線まで続くような一本道は始めての経験でした。

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