このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください


ひ と り ご と


     飛行機見物 平成19年1月

【今しNARITAに着陸せんとするDC10の雄姿】
 ボクは動くものは大体何でも好きなんですが、 飛行機の発着 はとりわけ興味があります。それを眺めていると、あっという間に一時間や二時間は過ぎてしまいます。

   
で、羽田飛行場。物好きにも冬の一日、訪ねてみました。屋上の展望台、同好の志は結構いるものですね。その日は幸い風のない日でした。

 滑走路の端にジェット機がたたずんでいます。棒高跳びの選手が走り出す前に精神統一するように、飛行機もそこで何か考えています。すぐに管制塔からGO!のサインが出たんでしょう。ゆっくりと動き始めます。次第に加速しやがて前輪が持ち上がり、ついで後ろの車輪も浮き上がり轟音とともにみるみる高度を上げます。すぐに車輪が胴体に吸い込まれ、やがて金属音と共に上空に消えてゆきます。機長の『ギアラップ!』なんて声が聞こえてくるみたい。

   
 そこで気がつきましたが、何であんなに急角度で離陸しなきゃならんのでしょう。もう少し緩やかに上昇すれば燃料も少なくてすむんじゃなかろうか。これは素人の疑問。

 滑走路の隅に眼を戻すと、早くも次の旅客機が飛び立つ準備をしています。気がつくと、誘導路には次々と飛び立つ予定のジェット機が並んでいました。大きいのやら小さいのやら。合流地点ではジャンケンしているみたい。

   
 小さいのも一丁前に自己主張していますが、ここではやっぱりジャンボジェットがスターでした。ボーイング747=ジャンボが離陸準備を始めると、見物人は口々に『ジャンボだ!ジャンボだ!』といって興奮します。見物客って面白いモノで、見た物を口にださずにいられないみたいですね。いわく『大きい!大きい!』いわく『どっこいしょ!』いわく『飛んだ!飛んだ!』

 ジャンボは興奮させるだけの資質は確かに備えています。なんと言ってもその重量感!翼にジェットエンジンを四つもぶら下げているのもカッコいい。胴体の前半上部が膨らんでいるのも異様。他のエアバスとは違います。滑走距離もものすごく長い。不思議と滑走速度は大して速く見えません。それがやがて前輪を持ち上げ、しばらく上を向いたまま後輪だけで滑走を続け、あれ?重くて飛べないのかなってこちらが不安になる頃“やっとこさ”で離陸します。ホント、どっこいしょって感じ。ものすごい轟音。貫禄の横綱相撲です。時折流れてくるジェット燃料の燃える匂いもたまりません。

   
 こうして離陸を眺めていると、よほどの決断力の強いヒトでない限り、一時間はあっという間。気がつくと寒くなり、ターミナル内に一旦引き上げ温かい紅茶を飲んで、今度は着陸風景の観察を始めました。

 着陸を見物するにはもう一つのターミナルビルの方がいいんですが、いかんせん遠い。同じビルの屋上から反対側を見ることにしました。

   
 時まさに大東京の上空を超低空で進入してきたジャンボが着陸するところでした。空色の機体からすると大韓航空でしょうか。はるばる海を越えてきたんでしょう。なんだか怪鳥が翼を広げ、ビルをかすめて降り立つみたい。着陸と同時に機体は向こうのビルに隠れてしまい、尾翼だけ走っています。

 すぐに眼を戻せばもう次のジェットが着陸態勢です。眼を次第に遠くに慣らしていくと、その後ろに次の飛行機が続いています。さらに目を凝らすと、はるかその後ろに青空を背景に薄黒い点が発見できました。木更津上空からの進入空路でしょう。次々に着陸予定の飛行機が現れるのでキリがありません。あっという間にさらに一時間。双眼鏡を忘れたのがうかつでした。

   
 まあ、日々惟好日ではあります。

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