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なんだかなあ?ベトナム!
KHONG VIET

その8 役人の覇気中堅技術者の不足


ベトナムの役人に覇気がないといっては言いすぎです。自分のポケットに入ることにはとても積極的です。
一方そうでないことにはきわめて消極的で、本来なら「国家建設の目標」に向かって邁進しなくてはならないのに、その積極性が欠けているように見えます。

と思っていたところにサイゴンの友人から届いたメールにこんなことが書いてありました。
懇意にしている日本の焼酎メーカーの海外事業部長から聴いた話では、ベトナム北部では高いお酒から売れていくとのことだ。とにかく役人たちはパーティーを開くためには税金を湯水のように使う。主催者は一本数百ドルもするような高給酒をあけるとのことである。もちろん中央政府はパーティーの自粛を促しているが、自分がしょっちゅうやっていることを部下にやるなとはいえないのが人情である。

昼休みからウオッカ(日本では焼酎に相当する)をあおって昼から酒臭いひとが結構いる。

現場に入っている業者は半国営会社(EVNの子会社)ですので、採算や経費節減、能率向上という点はほとんど無視状態です。
これじゃあ、これから海外に伸びていかなくてはならないベトナム人は大変です。

社会主義=親方黄星(日の丸ではない)だからといっていつまでも政府の補助に頼っているわけには行かないのに、その実感はまるでないように見えるのである。

 特にここのプロジェクトは過疎地にあるため、優秀な中堅専門家が来たがらないんです。ですから、わずかな数のたたき上げ50歳台と数十人の20歳台のエンジニアが現場の管理をしています。計画から設計、施工、維持管理までを一貫して行った経験のない人たちばかりですから、トンチンカンな状況がよく発生しています。

上記の「役人の覇気」と「中堅技術者の不足」のままでベトナムが進んでゆくと、早くて一年後、遅くても三年後にこの国の経済が破綻するという見通しを持っている人もいます。

ここ数ヶ月のニュースを見ていると、サブプライムローンの問題がドル安を招き、米国経済が低迷化する。ドル安にともない、人民元を切り上げざるをえなくなった。中国雑貨の最大の輸出先は米国だから、経済低迷化による需要減と輸出高の減少はいうまでもありません。

急成長中である中国経済は無理して背伸びをしている最中であるから余裕がない。企業の損失を吸収する余裕がない。すなわち、中国の輸出産業に大打撃があれば、倒産と失業者が急上昇する可能性が高い。

経営規模を縮小するときにはかならず、会社の組織の下層部からクビキリしていくのが普通である。とくに中国は家族主義的アジア資本主義だから、異民族である苗族、チベット族から先にクビにしていっているはずである。これが、各地でのチベット人暴動は、社会の下層部に属するチベット人の生活が苦しくなったこともその一因なのだろう。

もう少し中国経済が困窮化してくると、ちかいうち世界恐慌が始まるかもしれない。

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2008-05-09 作成

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