冬の北海道・鉄道の旅
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▼種類:鉄道・バス・船・航空機

▼期間:05.02.18〜21

▼総移動距離:4,655km

▼天候:1日目〜2・4日目は晴れ・3日目は雪

▼備考:後半は雪が降ったりやんだりの天候。

交通機関での大きな遅延等は無かった。
行程地図
 
今回の旅、当初は7日間の予定で、往復共に航空機利用の予定であった。
が、5日目に重要な別用がある事を予約を済ませてから気づき、後の祭り…。仕方無く復路の飛行機を取り消し、きっぷも「北海道フリーきっぷ」から、「ぐるり北海道フリーきっぷ」に変更し、復路は特急と新幹線を乗り継ぐ事になった。

7日間の行程で組んでいた為、1日目は13:00の飛行機を予約していたが、とても時間がもったいないので、当日始発電車で羽田空港に行き、空席待ちにてアタリを待つ事となった。

しかし…、札幌行きの飛行機の空席状況はすべて「×」…。

取り敢えず空席待ちに登録し、不安を抱きつつ搭乗フロアで待つ…。
今回使用した「ぐるり北海道フリーきっぷ」
JR南千歳駅 時刻表には載っていない、ANA1403便(6:55発)に乗る事が出来た。(^^

7:00のANA51便に乗れれば良いと思っていたが、それよりも早い便に乗る事が出来、ほっと一安心。

首都圏は曇天であったが、上空はもちろん快晴。はるか後方に真っ白い富士山が顔を出していた事に気づいた乗客は果たしていたのであろうか…。

離陸して52分でもう大間崎。津軽海峡を越え、北の大地に着陸。

←空港にほど近い南千歳駅。ここから今回の旅のはじまり。
南千歳駅からは「スーパーおおぞら」3号にて釧路を目指す。→

以前よりも大幅な時間短縮を果たしたスーパーおおぞら号は、最高速度130km/hで快調に釧路を目指す。

天候にも恵まれ、ハイライトとも言える狩勝峠の大カーブを雄大に走るその姿は、次回はぜひとも外から眺めてみたいものである。

海岸付近はまるで砂浜を走っているかの様な区間もあり、山から海へと飽きない車窓を楽しみつつ、釧路に到着。
南千歳に入るスーパーおおぞら3号。
JR釧路駅 ←道東の中心地、JR釧路駅。

今回の旅の中、最も積雪が少ない印象だったのが釧路付近。とはいえ、寒い。

この後、すぐに釧網本線の普通列車にて釧路湿原駅へ。
JR釧路湿原駅から少し歩く(登る)と、細岡展望台。→

冬の釧路湿原は少々寂しい印象であったが、その広大さは変わらない。遠くには雄阿寒岳と雌阿寒岳が望めた。

この後、また釧路駅へと引き返すが、釧路までは蒸気機関車牽引による「SL冬の湿原号」に乗車する。客車に乗ってしまえばSLこそわからないが、もくもくと出る煙と、時折耳に届く汽笛がSLに乗車している事をわからせてくれる。
釧路湿原
C11-171号機 ←釧路まで牽引してきたC11-171号機。

終着駅に着いたものの、やはり老若男女が集まってくる。
客車を切り離し、再び汽笛を鳴らして早々と去ってしまった。

釧路といえば和商市場。(^^ゞ

ご飯だけもらい、自由にネタを乗せてその場で食べられる勝手丼を食べ、再び札幌へと引き返す。
札幌へ行く途中に帯広駅にて下車。→

金曜日の晩と言えども、人はまばら…。
この後のスーパーとかち12号にて札幌へ。うとうとしていたら、あっという間に札幌駅に着いてしまった。

この後、効率の悪い事に「まりも号」にて再びへ釧路へ行くのであるが、時間的に開いてる飲食店も無く、半年前にも行ったラーメン屋に再び訪れた。
JR帯広駅
唯一の急行列車、はまなす号。 ←ホームに上がると、青森行きの「はまなす」号が出発時刻を待っていた。

一見、北斗星号を思わす装いであるが、寝台車は2両。一般指定席と、のびのびカーペット車はなかなかの盛況ぶりで、まりも号よりも一足先に札幌を後にしていった。
意外にも深夜時間帯に通る駅でも乗降があったのには驚いた。冬の北海道での鉄道の重要性を実感。

翌朝5:50、再び釧路到着。

先頭車と最後尾で形の異なる車両の「まりも」号。→

続いて釧網本線普通列車にて知床斜里駅を目指す。
夜明け前の釧路駅に到着したまりも号。
釧網本線の車窓 途中、何度も鹿に足止めをくらいつつも先を進む。

←いかにも北海道らしい風景。

天気も良く、知床半島の山々もくっきり見る事が出来た。2年半前に車で知床に訪れたが、自然の深さは今でも記憶に残る。冬のその姿はまるで知床半島全体が冬眠しているかの様であった。
2時間30分かけて、ようやく知床斜里駅に到着。→

が、駅は観光客でぎっしり。このあとの流氷ノロッコ号に乗るべく、各地からバスでツアーに来ていたようで、これまでの情景からは想像も付かない混み様に驚いた。
JR知床斜里駅
極寒体験・流氷ノロッコ号 ←知床斜里駅から乗るのが、「流氷ノロッコ」号。

5両編成であるが、うち4両はトロッコ車両で、とてつもなく寒い。外にいるのと同じ様なものである。ツアー客も乗り合わせ、満員となったノロッコ号は、文字通りゆっくりとした足取りで網走へと出発した。
ついに流氷が姿を現す。→

これが遥かシベリアから流れ着いて来るとは、何とも不思議で、地球の営みを感じる瞬間である。
車窓からの流氷
北浜駅からの流氷 ←日本で一番流氷に近い駅、北浜駅に到着。

目の前にはすぐに海岸がせまり、手に取るように流氷を見る事が出来る。ホームには展望台も備え付けられており、眺めは抜群。乗ってきた乗客は、流氷や列車を背にして記念撮影。
北浜駅の駅舎。→

ここは喫茶「停車場」としても営業している。漁村に見られる様な佇まいである。そして、駅舎の中には壁に隙間無くして来駅記念の訪問者の切符等が所狭しと貼り付けられている。

10分強の停車の後、終着網走駅を目指して再びゆっくりと出発。
JR北浜駅
JR網走駅 ←網走駅と言ったらこのカット。

これは、網走刑務所の受刑者が出所して、「もう二度と"横"道には反れないように」との思いが込められ、"縦"書き表記になったという言い伝えがある。

ここからバスに乗り、今回の旅の目玉、流氷観光へと向かう。
流氷砕氷船乗り場、おーろらターミナルには観光バスがぎっしり並び、どうやら海外からの訪問者も多数いる模様。

客室も展望デッキも乗客でぎっしり埋まり、定刻に港を出港。→
流氷砕氷船・おーろら号出航
知床半島を望む 沖合に進むにつれ、だんだんと流氷が姿を現す。

←遠く知床半島を望みつつ、流氷を味わう。
 
鳥も群がる
↑観光客が餌をくれる事を知っているのか、たくさんの鳥が群がる。
まるで陸地
↑まるで陸地。海上である事をすっかり忘れさせられる。
こんなに分厚い氷も
↑人が乗っても耐えられそうなくらい分厚く大きな氷もちらほら。
きれいな雪原の様
↑薄く広い氷も。きれいに雪が積もっており、これも陸の雪原の様。
帰りのバスを待っていると、女満別空港行きのバスが登場。網走駅へ向かう人々は乗らずしていたのであるが、駅にも寄るので路線バスと同じ運賃で乗せてもらえる事に。(^^ゞ網走駅近くのラーメン屋にて具に富んだラーメンを食し、網走駅へ戻る。

キハ181系改造車による、「流氷特急オホーツクの風」号。→

今回指定された車両は真ん中の3号車で、気動車には珍しいエンジンを搭載していない2階建て車両。快適に札幌へ。

この晩は札幌の健康ランドにて泊。やはり都市的な健康ランドであった。新しくて快適な施設で、また次回も利用してみようと思った。
流氷特急オホーツクの風号
最北端を目指すスーパー宗谷1号 道東周遊を終え、お次はやはり道北、最北端である。

←北緯45度を越える特急、「スーパー宗谷」1号。

とにかくひどい混雑で、指定席の客室内にも人があふれる。4両編成と短いせいもあるが、日常的に混雑するのならば増結したらどうかと思ってしまう。

稚内駅まではおよそ5時間の旅。地図では何でもないが、距離は396kmもあり、その距離は東京〜古川や東京〜岐阜と同じ距離。北海道の広さを思い知らされる。
5時間掛けて稚内駅に到着。→

この先にレールが無いと思うと、何となく感慨深い。

ただ単に日本の端っこなだけであるが、この"果て"を求めてたくさんの人がこの地・この駅に訪れたくなる気持ちもわかるような気もする。
稚内駅到着。この先にレールは無い…。
2回目の宗谷岬 駅前から最北端バス、宗谷バスに乗車して真の最北端を目指す。
これもまた地図では近そうなのだが、バスでおよそ50分の道のり。国道238号線も、夏に訪れた面影は見当たらない。

←最北端到着。(^^

寒い。一年中強風が吹くこの宗谷岬からはロシア領・サハリンが望む事が出来るが、当然この日は見えない。。。裏の高台にある食処でのいくら丼は美味なのだが、どうやら冬季は営業休止の様で残念極まりなかった。

仕方なく、バス停前の休憩所と書かれた小屋にて帰りのバスを待機。
駅に一旦戻り、駅前の食処にてかにラーメンを食後、再びバスに乗り今度は反対側の西へ向かう。稚内温泉である。

こんな大きな施設が…と思うほど立派で新しいこの温泉施設、「童夢(どうむ)」は、日帰りの大型温泉施設。館内も広々しており、居心地も抜群である。しばし温泉につかり、横になったりと時間をつぶす。
出る前に食事を済ませ、稚内駅へ。

この晩は、「利尻」号が寝床。→

この日は自由席が増結され、自分の乗った先頭車は自分を含めてもたったの3人しか乗車していなかった…。
最果てからの夜行列車・利尻号
小樽運河 定刻に札幌駅に到着し、今後どうしようか迷ったのだが、小樽方面へ出る普通列車が発車間近であった為、乗車。

よって、小樽へ。駅前から適当に歩いてみる。
それにしてもどんどん天気が悪くなってきて、ついに吹雪となった。猛烈に吹き荒れる風と雪が首から上を凍らせるようにせまってくる。

←小樽運河。出来れば夜に訪れたいもの。。。

ここで朝食と行きたいところであったが、時間が早かったのか、どの店も開いていない。何より寒いので、もう函館へ向かう事とした。
一旦札幌駅へ戻り、「北斗」8号にて函館を目指す。前回はスーパー北斗号に乗車であったが、今回は北斗号。やはりスーパー北斗号に比べると少し遅い。
振り子機能が付いていない為、カーブで速度が稼げないのか、スーパー北斗号よりも30分程度多くかかってしまうのが難点。

10分弱の遅れを伴って、函館駅に到着。→

駅前を散策しつつ、朝市へ。といってももう昼過ぎであるが。。。鮭とイクラの親子丼や毛がにの味噌汁にて遅い昼食。お土産にカニとホッケ、白い恋人(ブラック)を買い込み、あとは帰宅の途につくのみである。
函館に到着した北斗号
本州へバトンタッチ・スーパー白鳥28号 ←北海道に来て最初で最後の"電車"となった「スーパー白鳥」28号。

木古内から海峡線に入り、持ち前の足の速さを効かせてどんどんと加速。まるで新幹線に乗っているようなはしりっぷりで青函トンネルに入る。

この車両は青函トンネルを走る為、客室内の静粛性に優れていると聞いた事があった様な気がするのであるが、やはり他の特急列車よりも静かな気がする。

青森駅からは立ち客が多数出るほどの盛況ぶりで、またも10分弱の遅れを出して八戸駅に到着。ここで東北新幹線・「はやて」28号に乗り込む。

しかし、ここで緊急事態。

函館で購入したカニ・ホッケと白い恋人(ブラック)が、まだスーパー白鳥28号の車内に乗車中......(-_-;)
 
急いで戻るも、乗った車両に行って見る様に言われ、車掌に尋ねる様言われ、みどりの窓口へ行く様に言われ…。

はやて28号は定刻通り東京へ向けて出発。(-_-;)

何があるかわからないので、最終列車のひとつ前に乗る旅程にしていた事と、八戸出発前に気づいた事が幸いした。

次の「はやて」30号の指定席を新たに取り、一時間待機。。。

5年半ぶりの東北新幹線、当時よりもずっと速度が向上してあっという間に東京駅に着いてしまった。最後の最後でとんだ災難であったが、印象に残る冬の旅となった。
東京へ...はやて30号

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