Takamura planning

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

MAZDA 787B (1991年)

MAZDA 787B


 岡山、TIサーキットで「JAPAN LE MANS CHALLENGE 最終戦」が行われました。そこに展示されていた1台がこの『MAZDA 787B』です。NHKの人気番組で筆者もファンだった「プロジェクトX」でもロータリーエンジンを題材にして出ていたことで有名ですね。
 エンジンはロータリーエンジンで世界で唯一MAZDAが市販化をしました(現在でもMAZDAのみ)。もともと通常のレシプロエンジンではピストンの往復運動をクランクシャフトの円運動に変えて動力を得ますが、その時にエネルギーのロスが構造上必ず起きるのですが、ロータリーエンジンはおむすびのような形をした「ローター」がまゆ型のハウジングの中をグルグルまわる為、同じ円運動でエネルギーの伝達に無理がなく効率的なのです。しかし、そのロータリーエンジンの成功までにはただならぬ時間と努力、知恵が必要でした。そしてその完成したロータリーエンジンは期待通り高性能だったものの、"燃費が悪い"との致命的な欠陥を抱えていました。そこに"オイルショック"が1973年に起こり、ロータリーエンジンはその居場所をなくしていきます。燃費の向上は行ったものの、"ロータリーエンジンは燃費が悪い"というイメージが定着してしまい、オイルショック後も経営は回復しませんでした。そこで燃費の良さをアピールする為に国際的耐久レースで有名な『LE MANS 24時間レース』にロータリーエンジンで挑むことにしたのが1979年です。それから12年、1991年に長年の夢だった"日本の自動車メーカーによるロータリーエンジンでのル・マン制覇"をこの『787B』で成し遂げる事が出来たのです。翌年から"ロータリー禁止"というレギュレーションの中での総合優勝ですからまさに「してやったり」ですね(笑)
 そのル・マンを制した『MAZDA 787B』の設計者はナイジェル・スクラウド。全長4782mm、全幅1994mm、全高1003mm。車重は830kgのツインチューブ・カーボンコンポジット・モノコック。ロータリーエンジンは『水冷4ローター・26B』。総排気量は 654cc×4、最高出力は700ps/9000rpm、最大トルクは62.0kgm/6500rpmでした。
 また、55号車のドライバーはV・バイドラー/J・ハーバート/B・ガショー。周回数362周、走行距離4923.2km、平均速度205.133km/hで残り3時間でメルセデス・ベンツを破っての総合優勝でした。


MAZDA 787B

<左サイド(フロントから)>

 Cカーはデザインの自由度が高く、デザイナーの癖が見え隠れします。『787B』は非常にオーソドックスなデザインですがこの横のライン(処理)は筆者は非常に好きですね。分かりやすくて(笑)。
 上の穴はラジエーターにつながっており、下の穴はオイルクーラーにつながっています。


MAZDA 787B

<左サイド(リアから)>

 左サイドをリア側から見るとこうなります。複雑な形状をしていますね。フロントタイヤ後ろに空気を抜くからの流れてきた空気を上と下に効率よく分割しているのが見て分かると思います。ちなみにナンバー前に黒い出っ張りがありますが、これは夜間走行の時にナンバーを確認しやすいように照らすライトですね。


MAZDA 787B

<オイルクーラー>

 その左サイドにあるオイルクーラーです。前から入った空気がそのままオイルクーラーを通って抜けていくようになっています。写真では見にくいですが内壁は緩やかなカーブを描いています。外壁にはアルミ(ステンレス?)のL字フラップが付いています。外側を流れる空気とオイルクーラーを流れてくる空気とを明確に別けたかったのでしょうね。


MAZDA 787B

<右リアサイド>

 右リアサイドにはオイルクーラーではなくマフラーが出ています。エンジンは縦置きなのでこのマフラー位置はロータリー独特の配置ですね。またこの右サイド、左サイドと形状は同じですが違うのは上の穴はエンジンへのエアインテークに使われています。下の穴は・・・なんだろ?たぶんマフラー穴へ抜けていくようになっているんだろうなぁ。たぶん(汗)


MAZDA 787B

<テール>

 さて、そのテールです。ブッサイクですね〜。テール上についているアルミ(ステンレス?)のL字フラップが突貫工事であることを物語ります。せめて色ぐらい塗ってくれればいいのに・・・。でもこんな小さな部品でドライバーは違いが解るんだろうか?
 また、ディフューザーの出っ張り。スコーンと後ろがなくなっているのかと思いきやこんなのがあるなんて・・・。見たとき愕然としました。ま、よくよく見るとかっこいいんですけどね(笑)。でも効率からいって伸ばすのはともかく上側を三角形状に切るのはちょっと理解できませんね〜。うーん、うーん。何でだろ?


MAZDA 787B

<ディフューザー>

 そのディフューザーです。こうみると非常にオーソドックスな形状をしています。中をリアサスペンションのロアアームが通っているのが解りますね。そのディフューザーの上にテールランプと方向指示器?があります。夜間も高速でレースする車は後ろに自分の車の位置を伝える手段はこのテールランプしかありません。もし後続の車がこのテールランプに気付かなかったら前車に激突、大惨事になります。その大事な役目があるテールランプがこんなに小さいなんてちょっとビックリですね。今みたくLEDも使っていないようですからあまり明るくなかったのかもしれません。
 さて、リアウィングの支柱は可能な限り軽量化が施されています。また、リアウィングは1枚翼で角度調整は支柱とリアウィングとの付け根で行います。角度は3段階で行えるようですね。


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