このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
Mercedes-Benz CLK-LM (1998年)
うーん、凄い。なんか深海魚のようです。何故、こんなにフロントカウルが低くなったのか?それはラジエーターの移設にあるでしょう。「CLK-GTR」ではフロントにありましたが、このマシンではコクピット横に設置しています。まるでCカー(笑)。つまりフロントカウル上を通った空気がコクピットに沿って左右に分断され、それぞれがコクピット横にある穴に入ってラジエータに当たる・・・という仕組みです。よってラジエーターのスペース分、カウルを低く出来たというわけです。
ちなみにこの「CLK-LM」のフロントグリルは完全に塞がっています。ではブレーキダクトの空気はどこから入れるのかというとフロントグリル下のダクトから入れるわけです。写真にある丸い穴がブレーキダクトの部分です。この穴の大きさによってブレーキダクトに流れる空気の流量を調整しているんでしょうね。
またノーズ横に小型ウィングが付いています。
そのフロントカウルを取った状態です。一番目を引くのはフォーミュラーカーのようなカーボンモノコックが中央に見えます。このような仕組みだとサスペンションの長さを十分とる事が出来、サスペンションデザインに自由度が増します。
そしてカーボンモノコック先端の左右にある穴がそのままブレーキに向かっているのがわかりますね。そしてそのカーボンモノコックの上が布で隠してあるということはそこにダンパーがあると思われます。で、そこにダンパーがあるということはプッシュロッドサスペンションだということが解るわけです。
でもこの「CLK-LM」はドアが上開きなんですね。これはこれでかっこいいかも。でも隣に車が止まっていたら開けられないよなぁ(笑)
まさに地面を這うというのはこういう車のことを言うのでしょうね。カッコいいです。なんでメルセデスのマシンはこんなに美しいんでしょうね。レースでも安定した速さでこのレース、優勝していました。
ちなみに「CLK-GTR」のラジコンボディだとフロントのオーバーハングが大きすぎて小回りは効かないし、減速するとノーズ先端を擦るし。最悪でした(大泣き)
改めて近くで撮る機会があったので載せてみました。こう路面に近い状況から眺めるといかに車体が低いか解りますね。左右の出っ張りはタイヤを納めるタイヤハウスです。空力でいうとこれも無いほうがいいんでしょうけど・・・。でもフロントボンネットについている『シルバーアロー』の飾りとかがギリギリまで贅肉を落とすレーシングカーにあえてついているところがベンツの自信と威信を感じさせます。
フロントカウルを横から見るとこんな感じに見えます。一つ前の写真に比べると『カナード(スポイラー横についている小さな羽根)』や『タイヤハウス横のフェンダー(黒い部分)』があったりなかったりします。これもセッティングの一環なんでしょうね。その小さな部品でレーシングカーの特性も変わるんでしょうね。
フロントカウル下を覗いてみるとここにもカナードが。これで路面を流れてきた空気を整流させているんですね。数までは数えてきれてないですが、かなりの枚数がありそうです。
しかし、そのカナードの上にピンがあるという事はあのカナードの部分はセッティングによってごっそり交換できるようになっているのかなぁ。凄いですね。
今回、一番不思議だったのはこのリアウィングです。翼端板のウィングの位置決め穴が4箇所あるんですよね。1枚翼なら2箇所でいいと思うんですが。テクニカルコースの鈴鹿でも1枚翼でしたし。ということは考えられるのは2枚翼を使う時があるのか、確実に固定する為に4箇所にしているのか・・・。でも1枚翼を4箇所で固定するのは今まで数多くのレーシングカーを見てきましたが、そんな手法を取っているのは見た事ないし・・・。まして前(右側)2箇所がキリ穴をきちっと空けてあるのに対し、後ろ(左側)は単純に長穴ですからね。たぶん2枚翼を使う事もあるんでしょうね。
マシン後部についているリアスポイラーです。このスポイラーの角度でマシン上部を流れてくる空気からダウンフォースを得るんでしょうね。その角度調整をどうしているのか気になっていたんですが、こうなっていた訳です。
つまり、スポイラー両端をピン?で止めているだけで、スポイラー自体の角度調整はトランクから伸びた長穴のRの切っている部品で調整している訳です。合理的ですがちょっと美しくないですねェ(笑)。
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