このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
HKS CLK (2002年)
メルセデスといえばやはりこのフロントグリルですよね。レースカーでもこのフロントグリルは付いていますが付いているだけで実は全部塞いであります。本当に付いているだけなんですね。もちろん市販車は穴が開いています。でもレースカーは少しでも軽量化や空気抵抗などを考えるもんですが、メルセデスの場合は企業イメージを大事にしてこのフロントグリルを付けますよね。この企業ポリシーが筆者は結構好きです。
フロントのダウンフォースを得るための『翼』ですね。前文でも書きましたがこの「HKS CLK」、エアロに関してはHKSが独自の解釈を持って"経験"で作成しているそうです。ということはこのカナードもそうなんでしょう。しかし、"経験"で作った割には見事な三次元形状をしています。作り方も美しいですね!
この「HKS CLK」は排気量5973cc、V8の自然吸気エンジンを積んでいます。エンジンは縦置きですので右4気筒、左4気筒がそれぞれ左右フロントタイヤ後ろのマフラーとして出てくるわけです。でもフロントボンネットのエンジンの熱処理にはだいぶ苦労していたみたいですね。
またフロントタイヤ後ろはごっそり抜かれています。これはタイヤが作る空気の乱流を逃がすためのものです・・・たぶん。
この車最大の特徴はやはりこのリアフェンダーでしょう。前文でも話しましたが"経験"から作られたエアロダイナミクスはこのような形状を生みました。もうエアロダイナミクスというよりデザインに近いですよね(苦笑)。よく写真を見てもらえばわかりますがタイヤフェンダー前で当たった空気はそのままタイヤ上を通ってリアに流れるようになっています。その部分が張り出しているんですね。
しかし、見事な美しさですよ。さすがHKSです。
これも見事な三次元形状をしています。とても"経験"から作られたとは思えません。また大きなガーニーフラップ(翼に翼弦長に対して垂直に立つ壁みたいなパーツ、"もうすこし"ダウンフォースを得たいという時に使われる)が付いています。
リアウィングの角度調整はステー(支柱)を見ていただければわかります。ステーに3つの角度を調整する穴が3列並んでいます。ということは後側のウィングを固定する穴を支点にして前の穴でウィングの角度を調整するといった方式を採用しているようです。これから考えうるにリアウィングは規定の高さギリギリに設置してあるのでしょう。だから前で調整する形をとっているんでしょうね。また穴がウィングの角度以外にも前後にも穴があるということは翼弦長の長さの異なるウィングが3種類あるのかもしれません。
マシンに対して一番重要なエアロパーツになるディフューザーです。マシン下部に入った空気をいかに流速を早めて後から引き抜くか?その効率を高めればダウンフォースも格段に変わってくるわけです。この「CLK GTR」の場合はリアタイヤからの空気の乱流を嫌って仕切り板を立てています。その内側にも仕切り板を設けていますね。これでマシン下を抜けてくる空気の誘導をしているのでしょう。F1では仕切り板が6枚になったりもします。マシンによっても変わりますがあまり見られたくないパーツのようです。
しかし、こんなところにビバンダム君を貼っても見えないのでは(苦笑)
このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |