Takamura planning

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

LANCIA DELTA S4 (1986年)

LANCIA DELTA S4


<四国自動車博物館 (2004.5.3)>

 四国に自動車博物館があり、興味深いレーシングカーが多々あったのでゴールデンウィークを利用して日帰りで行ってきました。思ったより遠かったなぁ・・・高知。ちなみに四国自動車博物館は坂本竜馬博物館の隣にあります(苦笑)
 さて、この「LANCIA DELTA S4」は最強のGr.Bカーといわれています。見た目は3ドアハッチバックの不細工カーに見えますが中身はとてつもないモンスターなのです。400馬力のパワーを余すところ無く路面に伝える4WDシステム。低速から加速を得るためのスーパーチャージャー、パワーを出すためのターボチャージャー、そしてカーボン、チタニウム、マグネシウムを多様したボディとパイプフレームのシャーシで全長×全幅×全高は3990mm×1880mm×1400mmとサイズは「LANCIA 037 RALLY」より一回り大きいにたったの960kg!さらに1800ccであるにも関らず400馬力の水冷直列4気筒4バルブDOHCがミッドシップに積んである訳ですからねぇ。思わず笑ってしまいます。
 難しい事をいろいろ書きましたがよく解らない人の為に・・・。今話題の三菱の軽自動車『i』の4WD車がちょうど960kgでエンジンはレーシングカー並み・・・といったらどれだけ怪物かわかりますでしょうか?
 しかし、メーカーから「勝つため」だけに生まれてきたこの恐ろしいモンスターが危険であったことは当時誰も気づく人がいませんでした。有望なドライバー、ハリ・トイボネンを事故で亡くしてしまうまでは・・・。それからあまりに過激になりすぎたGr.Bに終焉が打たれることになります。


LANCIA DELTA S4

<カナード>

 前文でも書きましたがあまりのモンスターゆえにダウンフォース(空気を使って車を地面に押し付ける力)が必要だったんでしょう。フロントバンパーサイドにカナードが付いていました。これは現代でもフロントにダウンフォースを得る時に使う手法ですね。この「LANCIA DELTA S4」はミッドシップエンジンですから加重はリア寄りになります。そうするとフロントタイヤに加重を得ようとするとこのようなカナードが有効になる訳です。
 最近では市販車でもそれっぽいのが付いているのがありますね。効果の程はわかりませんが・・・。


LANCIA DELTA S4

<燃料タンク>

 ・・・ですかねぇ、これ。後ろにそれっぽいのがなかったのでこれかなぁ・・・と。とすると燃料タンクはどこにあるんでしょう?燃料タンクは入っているガソリンの容量によって重さが変わってきます。そこでヨーイング(上から見て車を左右にふる力)の中心軸になるべく近づけて設置しようとします。でないと燃料タンクの重さによってヨーイングの力が変わってきてしまいますからね。ということはエンジンがミッドシップにあるということは燃料タンクは運転席前あたり・・・かな?あくまで予想です・・・。
 ちなみにフロントボンネットの中にはラジエーター、バッテリーしかありませんでした。それであの長さ?他に何かあるかもしれませんね・・・。


LANCIA DELTA S4

<ルーフ>

 前から順番に行きましょう。一番手前にあるのは運転席にエアーを入れる空気取入口です。その後ろにある横長の部分がエンジンのエアーインテーク・・・だと思います(苦笑)。そしてそのさらに後ろにある黒い横長の部品がウイングになります。HPにアップさせていませんがこのリアウイング、ちゃんとウィングの形状をしています。効きそうですね、これ。


LANCIA DELTA S4

<エアインテーク>

 このとって付けたようなエアインテークですが左右にあります。当時のLANCIAの車はこのような手法をよくとっていたみたいですね。ここからエンジンのさらに後ろにあるインタークーラー、オイルクーラーにエアーが送られます・・・というか無理やり当てています(笑)


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