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Mclaren Mercedes MP4/16 (2001年)
こうやって全体を見ると昔に比べマシンがかなりスマートになった印象を受けます。どのように空気が流れるのかを追求するとこういう形になっていくんでしょうね。パッと見たときにノーズ横、サイドポンツーン前にある大きな整流版に目がいくと思います。これはノーズ側面を流れてくるきれいな空気をラジエーターに導くと同時にタイヤの回転によって引き起こされる乱流された空気をマシン外に出し、さらにノーズ下を通ってきた空気をマシン下部に導く為の仕切り板です。筆者は「ディフレクター」と呼んでいますが他に呼び名があるようです。
各チームのデザイナーは形状や大きさなど試行錯誤していましたが(ウィリアムズは特に)Mclarenは本当にただの平面板を湾曲させているだけで、さらにとてつもなくデカイ!デザイナーのエイドリアン・ニューウェイはこの部分はあまり深く考えてなかったのかしら?
複雑な形状ですねぇ(笑)。この複雑な形状にも意味があって、まず「タイヤに直接空気を当てたくない」というのが前提にあるわけです。「タイヤに空気を直接当ててしまうと空気抵抗になる上、乱流を起こす原因になってマシンの空力に悪影響を及ぼします。そこでまず翼端版上についている”羽”で空気をタイヤ上に導いてやります。この”羽”も傾斜がキツイと空気抵抗になってしまいます。そしてその下、円錐を横にしたような部分はタイヤ横に空気を導く役割をしています。その円錐に沿ってきた空気は翼端版の最後にある外側に垂直に立っている板(判るかな?)に当たり、横方向に導かれる為フロントタイヤに直接空気が当たりにくい=空気抵抗が増えない訳です。うーん、なるほど。
さらに凄いのがこの翼端版、上からみると翼断面の形をしているんですよ。そこまで空気に気を使うなら”羽”を留めているネジも丸ネジを使うんじゃなくて皿ネジを使って欲しいですよね。微々たるものだけどそういうものの積み重ねが大きな結果を導く訳だし。どうでしょう?
この写真は解りやすいですね。ロアウィング(リアウィング下に水平に付いているフラップの事)にマシン上を流れてきた空気が当たるようリアカウルが後端に近づくにつれ下がっているのが解ります。その為、マシン後部がかなり絞り込まれエンジンやラジエーターから発生する熱がマシン外に出ずにマシン内にこもってしまい、マシントラブルを引き起こしてしまう可能性があります。その為、熱をマシン外に追い出すのがサイドポンツーン上に付いている煙突、「チムニーダクト」です。ちなみにこの手法を最初に始めたのはMclarenが最初です。無論、空力にはあまり好ましくないので少しでも影響が少ないように上からみると翼断面の形状をしています。
こうやって一部分をみてどのように空気が流れるのかと考えるのが楽しいですね。ちなみに偉そうに書いていますが筆者の想像による部分が大半を占めるのであまり信じないようにしてください(笑)
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