Takamura planning

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TOYOTA TS020 GT-ONE(1998〜1999年)

TOYOTA TS020 since 1998

TOYOTA TS020 since 1999


<メガ・ウェブ(2003.8.14)&大阪モーターショウ(1999.12.5)>

 世界のTOYOTAが"本気"でル・マンに勝ちにきた車です。F1参戦を前に過酷なル・マンに勝って勢いをつけようと思ったのでしょう。レギュレーションの隙間を縫って、"勝つために"これみよがしに作った車が名車"TS010"の開発ナンバーを継ぐこの"TS020"です。最初発表された時にはビックリしましたね・・・。「いいのか?コレ」みたいな(笑)。基本的にル・マンの規定で1台の市販車を作ればそれで参加車両として認可が下りるわけです。ということはTOYOTAはこの「TS020」を"市販車"と言い張った・・・という事ですよね?こんなのが街中走ってごらんなさいよ。絶対歩道は乗り越えられないし、荷物もつめないし、タイヤは売っていないし・・・。あぁ、恐ろしい(笑)
 さて今回は「TS020」という括りで2年分の「TS020」を特集しています。しかし、初年度の1998年(写真上)と二年目の1999年(写真下)では若干形状が変わっていて主に空力の見直しを行っています。その違いを筆者なりに紹介してますので見てみてください。


TOYOTA TS020 since 1999

<付加物>

 まずはノーズ。よくGTカーでもフロントサイドにカナードと言われるフロントのダウンフォースを増やすパーツが付いています。それとは意味合いが違うかもしれませんが1999年の「TS020」には写真のエアロパーツが付いていました。もしかすると少しでも床面積を増やしてマシン下に入る空気を整流し、ダウンフォースを稼ぐ目的なのかもしれませんね。確信はないですけど(苦笑)


TOYOTA TS020 since 1998

<ヘッドライト>

 次はヘッドライトです。上の写真が1998年仕様、下の写真が1999年仕様ですね。まずライトの数ですが1999年仕様の方が多いですね。それと1998年仕様に比べると1999年仕様の方がライト全体がコンパクトになっていますね。段差もなくなっていますし。部分部分で見ると結構変わっていますね。

TOYOTA TS020 since 1999


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<フロントフェンダーその1>

 次はフロントフェンダーです。内側から写真を撮っています。上の写真が1998年仕様、下の写真が1999年仕様です。違いは一目瞭然ですね。1998年仕様に比べ1999年仕様はタイヤホイールの中にまでカウルが入っています。多分ホイールの中にある空気の乱流がカウル上面に入らないようにしたのでしょう。こういった小さな改良の積み重ねがより速い車を作り出すんでしょうね。でもタイヤ交換するときにホイールに飛び出したカウルは当たらないのかしら?

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TOYOTA TS020 since 1998

<フロントフェンダーその2>

 フロントフェンダーその2です。上の写真が1998年仕様で下の写真が1999年仕様ですね。これも一目瞭然ですね。タイヤのエアー抜きダクトが1998年仕様に比べて1999年仕様の方がダクトが小さいです。これはフロントタイヤから発生する空気の乱流を車のサイド方向に効率よく流せるようになったのでカウル上にあるダクトを小さくしたんでしょうね。

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<運転席その1>

 さて、運転席です。バケットシートが右寄りということは市販車では助手席もあるんでしょうね。あとは写真をじっくりと見たらロールバーが少ないんですよね。市販車をレーシングカーにするとドア部分にクロスのロールバーが入ることが基本なのですがそれがありません。必要ないんでしょうね。だってレーシングカーを前提に設計している訳ですから剛性は十分なんでしょう。
 しかし、運転席には乗りにくそうですね〜。ラジエータに向かう吸気口とサイドの部分が結構な幅がありますし。もし、踏んづけてしまったら割れるのかしら?まさかね〜。ちなみにF1の吊り上げ式フロントウィングは3tまで耐えられるらしいですよ。すごいですね!


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<運転席その2>

 運転席をもうちょっと前から見てみます。いかに複雑な形状かわかりますね。空気の流れは2通りあり、"DENSO"と書いてあるラジエータに向かうラインが1つ。これはカウル上を通った空気がフロントタイヤの内側を通って運転席前にある穴に入って運転席横を通るラインですね。それとリアブレーキに向かうラインが1つ。これはフロントタイヤから発生する空気の乱流を車の外に出すと同時に今度は外側から綺麗な空気を取り入れてマシンのリアに流すラインとがあります。つまり複雑な形状には意味があるわけです。


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<ドア>

 その運転席のドアです。ガルウィングになっています。こう見ると先ほど説明した2つのラインがきっちりと分かれていることが解りますね。それよりも驚いたのが取って付けたような網。これはラジエータにゴミが詰まるとオーバーヒートの原因になるのでここで防いでいるんでしょうね。でもここに網があるということはドアを開けると上からゴミがバラバラ・・・となるのかしら(苦笑)。


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<ボディサイド>

 上の写真が1998年仕様、下の写真が1999年仕様です。これもこうして並べると一目瞭然ですね。1998年仕様は整流板が1枚なのに対し、1999年仕様は整流板が2枚あります。意味としては外側から入ってくる空気を整流板で整流して均一に空気を流す意味だと思うんですが、その整流板を1枚増やすことでより整流した空気を流せるということなんでしょうね。

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<リアフェンダーその1>

 場所を移動してリアフェンダーです。写真は1998年仕様しかないですがトップの写真を見てもらったらわかるように空気の抜き穴が1998年仕様にはあるのに1999年仕様にはありません。もちろんカウル上を流れてくる空気をスムーズにリアに流すにはこのパーツは邪魔なのは明らかですからね。なるほどと納得する改良です。


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<リアフェンダーその2>

 リアフェンダーを後ろから見ています。これも複雑な形状をしていますね。タイヤハウスのアーチをリアに行くにつれ狭くし、サイドからの空気をリアに取り込むことによって少しでもダウンフォースを得る考えなのでしょう。リアウィングのサイドが若干変形しているのもサイドを流れてきた空気の流速を速め、ベンチュリー効果が得たいのでしょう。あくまで予想ですが。本当に地道なデザインです。


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<リアウィングサイド>

 さて、リアウィングの翼端板です。リア側のネジを軸に前にある5個のネジ穴でウィングの角度を調整しています。でもサスガは超高速サーキットのサルト・サーキット。最高速を伸ばす為にウィングはほとんど寝ています。


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<テールその1>

 マシンのテールですが写真では解りにくいかもしれませんがもの凄く薄いです。見えている筒はマフラーですね。しかし、ディフューザーですがかなり簡素です。F1であれだけ複雑な形状をしているのに、この「TS020」にしろ他のツーリングカーにしろ整流板が何枚かあるだけで簡素なのが多いですね。それだけF1は複雑な空気の流れをしているということなんでしょうね。


TOYOTA TS020 since 1999

<テールその2>

 もう少しサイド側に寄って撮った写真です。写真は1999年仕様です。ライトが見えます。左のオレンジのライトがウィンカー、赤のライトがブレーキランプになります。日本と一緒ですね。そのランプを囲うように仕切りがありますが単純にリアタイヤからの空気を逃すようにポッカリと穴があいています。


TOYOTA TS020 since 1998

<ゼッケン>

 ゼッケンです。上の写真が1998年仕様、下の写真が1999年仕様ですね。まずル・マンですがフランスのルマン市にあるサルトサーキットで行われます。よってゼッケンもフランス語で書かれていますね。1998年仕様ではこの「TS020」は"GT1"クラス、1999年仕様では"LM GTP"クラスとなっています。
 紹介が遅れましたが1998年の「TS020」のライバルといえば「ポルシェ911 GT1」、「マクラーレンF1 GTR」、「ニッサンR390 GT1」、「メルセデス CLK-GTR」ですね。その中で最上位は片山右京/鈴木利男/土屋圭市組が総合9位に入りました。
 1999年の「TS020」のライバルといえば「メルセデス CLK-GTR LM」、「Audi R8C」ですね。その中で最上位は片山右京/鈴木利男/土屋圭市組が総合2位に入りました

TOYOTA TS020 since 1999


TOYOTA TS020 since 1999

<エンジン>

 メガ・ウェブにはエンジンが飾られていました。水冷V型8気筒DOHC ツインターボチャージャーの"R36V-R"。排気量は3,600cc、最大出力は600馬力を発生します。カムカバーがかっこいいですね!"TTE"、"GT1"のロゴが入っているとレースエンジンって感じしますよね!
 あ、恒例のサイズ発表です。全長は4,840mm、全幅は2,000mm、全高は1,125mm。普通の市販車より一回り大きいですね。全高はメチャメチャ低いですが。そして驚くのは車両重量ですが900kg!かるいっ!私の愛車の半分です。凄いですね。


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