このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

MY FAVORITE TRAIN TRAVEL

可部線非電化区間(可部〜三段峡間)

      

(写真左)三段峡駅のディーゼルカー 2003-11

(写真右)三段峡の一つの光景。ここで食べる山菜料理と山女はなかなかの絶品。

 

乗車日 2003年11月

乗車区間 可部→三段峡間(乗車は横川から、列車は広島から直通)

 可部線は今でも、横川〜可部間で存続している。しかも全線電化のローカル線で、ローカル線とは言うものの全区間が広島市で、広島市郊外のベッドタウンと広島市中心部を結んでおり、都市型路線といった感じになってきている。その割に単線のままなのは改善してほしいんだけどね。

 だが、その可部線も2003年までは、広島県北部の観光地、三段峡までレールが達していた。

 元々は陰陽連絡路線として建設が始まり、可部までは元々私鉄の鉄道であり、戦前から電化され、電車が走っていたのである。JRの前身の国鉄の手で開通したのは可部以北であり、当初の計画では浜田までレールが延びる予定であった。だが自動車の発達や国鉄の財政事情で計画は頓挫し、結局三段峡が終点のままに至った。なおこの路線の歴史については ここ に簡単に載っている。

 この可部線も、可部以北の廃線計画がバブル倒壊とともに持ち上がった。JR西日本は、山陽新幹線と京阪神近郊の都市路線(いわゆるアーバンネットワーク)以外は赤字であり、しかも沿線の道路が貧弱なために廃線を免れた路線を多く引き継いだ。可部線は路線全体では廃線にするほどではなかったが、可部を境に利用客に段差が激しく、可部以北を廃線にすれば路線の赤字は圧縮(うまくやれば黒字化)が可能となったのであろう。

 沿線や、市、県は存続に向けて努力をしたものの実らずに、2003(平成15)年を持って廃線となった。 でも、よく考えれば私も、個人的に可部線の可部以北に乗ったのは実はない。三段峡に行くのもクルマだったし、2度ほど三段峡まで乗車したが、これも県外の鉄道ファンが来た時に、乗りたいとのことで一緒に乗ったに過ぎなかった。確かに私も乗らないまま廃線になるのは、と思い、クルマの方が速く三段峡にいけるのに、と思いながら、最悪乗って往復するだけでも、と思って三段峡まで乗ることにした。 乗車したのは「三段峡観光号」。国鉄時代から運転している臨時列車で定着しているが、今までは混雑することはなかった。だが今年は違う。廃線になることは広島の老若男女、鉄道ファン問わず知らない人はいないくらいだった。私は廿日市に住んでおり、最寄り駅の宮内串戸からだと横川で乗り換えるのが自然である。だが横川の時点ではもう既にラッシュ並みの大混雑。終点の三段峡まではずっと立ちっ放しであった。

 三段峡の紅葉シーズンに加え、可部線がなくなることで、これがなければマイカーかバスで行く人たちなのだろう。可部までは都市路線といった印象だが、可部以北、特に安芸飯室を過ぎると太田川に沿って走る。車窓もこのあたりからローカルな印象になってくる。

 途中、加計駅で長時間停車があり、乗客の大半が列車の写真や駅の写真を撮ったりしていた。

 

 この時期、三段峡は紅葉シーズン、と言うこともあって、私も折角だから三段峡を途中まで歩くことにした。片道を観光バス、片道を可部線、という団体客もいる。途中で山女の塩焼きを食べたりもした。太田川で獲れた山女なのだろう。なかなかの絶品だった。

 三段峡も奥まで行けば絶景になるのだろうが、明るいうちに帰りたい、と思い三段峡駅に戻る。だが戻った時の次の列車は発車20分前だったが乗車できず(出来ないことはないが車内がすさまじいことになっていた)、その次の列車を待つ。2時間以上あるというのに、既に長い列が。並んでいる人はファンばかりとは思えない。仲には「こんな景色のいいローカル線が近くにあるなんて」「何でJRは廃止にするんじゃろ?」との声。今頃気づいても遅いんですよ。

 帰りに乗ったのも臨時快速の「三段峡観光号」だった。

 

 そして、2003年11月30日を持って、可部線は可部〜三段峡が廃止となった。

 

 現在は可部までは20分間隔で、「ゆうパック」のようなカラーリングの電車が走っており、時間帯によっては快速も走るようになっている。大町でアストラムラインと接続しながら、通勤客や学生を運んでいる。可部以北は第三セクター化とか色々な策も出たであろうに、今は廃線後はどうなっているのだろうか?町は寂れたりしていないだろうか?

 しかし、こういったローカル線を廃線に追い込んだのはクルマ、しかし広島近郊の路線は、そのクルマを作っている会社によって一定の収入を得てるのも、皮肉なものですね。

 最も愛知環状鉄道ほど、自動車メーカーにおんぶにだっこではないですが。

 

 

 

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