このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

▲中島竹田橋直下の「二の荒手」
 中島竹田橋の下流側(南東側)から、上流側(橋の後方。北西側)の眺め。中島竹田橋は、旭川と百間川の分流付近に架かる橋で、「二の荒手」と平行して築かれている。百間川の由来は、「二の荒手」の川幅が堤防を含め百間(約180m)あったことによる。

▲津田永忠像

▲※現地説明板より

▲百間川河口付近の右岸堤防上から百間川橋(岡山バイパス・上流方向)を望む。日本の自然100選は、朝日新聞社と森林文化協会が1982年に一般から公募し選定したもので、百間川流域には500種を超える植物が分布し、また、魚類・鳥類の生息地でもある。

▲百間川とは今から300年前(1652年)旭川の氾濫で岡山城(鳥城)が本丸まで浸水したことから熊沢蕃山が旭川放水路として計画し、津田永忠によって築造された延長12キロメートル余りの人工河川である。

▲岡山市南部(海吉・益野地区)を流れる百間川を望む。左が下流域となり、百間川は児島湾へと注ぐ。


百間川分流ゾーン

百間川分流点にあたる「一の荒手」
 左側が旭川、右側が百間川となる。百間川は、岡山城下を洪水の被害から守るために、貞享3年(1686)に造られました。ふだんは少ししか水が流れていませんが、旭川の水かさが一定の高さを増すと、水は一の荒手をこえ、二の荒手、三の荒手の間で流れを整え百間川に流れ込みます。一の荒手が、旭川と百間川の分流点にあたります。


一の荒手
 荒手とは、流速を抑え、土砂を流れにくくし、下流の被害を軽減して、重層的に洪水調整するためのもの。


一の荒手と百間川
 左後方(上流方向)に中島竹田橋が位置する。この辺りは少ししか水が流れていない。

旭川と「一の荒手」


「一の荒手」と百間川

「一の荒手」北側の百間川最上流部
 右側の通称「ホタル池」から、土手下の通水トンネルを水が流れて、左側の百間川最上流部へと流入する。


百間川最上流部の通称「ホタル池」

別角度から見た「ホタル池」
 この辺りはホタルの里と呼ばれ、ホタル生息地となっている。池前方に築かれている取水口(樋門)から、下写真の百間川へと水が流れている。


土手上から眺める百間川最上流部
 ここから、流れは下流へと続く。


ホタル池からの取水口と最上流部

二の荒手ゾーン

中島竹田橋と「二の荒手」


中島竹田橋そばの眺望所

眺望所から見る分流点方向


中島竹田橋から見た分流点

中流〜河口

百間川河川敷に整備されたテニスコート
 百間川河川敷(高水敷)には、ゲートボール場・野球場・ラグビー場・サッカー場や公園などの施設が設けられている。


百間川緑地
 常に水が流れる低水路より一段高い部分の敷地の高水敷(こうすいじき)には、公園やグランドなどが整備され、平常時には様々な形で利用されている。


水鳥


向う岸へと渡れる石道

百間川で行われている埋蔵文化財の発掘調査(2011年3月)


埋蔵文化財発掘調査の様子

百間川緑地公園に復元された竪穴住居と中世の橋跡
 百間川内には、原尾島遺跡、沢田遺跡、兼基遺跡、今谷遺跡、米田遺跡などが点在しており、これらの遺跡を百間川遺跡群と総称しています。これらの遺跡からは弥生時代、古墳時代の竪穴住居が多数発見されていますが、この百間川緑地公園内に復元された竪穴住居はその中でも保存状態が良いものです。

 竪穴住居は、地面を掘って、その底面を平らにして床面をつくり、その上に屋根をかけた構造となっています。床面には炉、カマド、柱穴などがあります。弥生時代の竪穴住居の形は円形や隅を丸くした方形が一般的ですが、古墳時代には方形に変化します。また、弥生時代の竪穴住居にはカマドがつくられていませんが、古墳時代になると、屋内の壁にカマドが取り付けられるようになります。


竪穴住居
 この住居は百間川原尾島遺跡で発見されたものを復元。古墳時代後期に作られたもので、4本柱で建てられていて、壁の中央にはカマドが作られている。

中世の橋跡
 この石組みは、ここから百間川を約2Km下った地点(現在の米田橋のすぐかみ)で発見された中世(12世紀末〜16世紀中頃)の橋の基礎部分。石の中に並んでいる丸太は脚橋。


百間川河口水門遠望


百間川河口水門と児島湾

児島湾と河口水門
 百間川河口部は、昭和三十六年の第二室戸台風による大災害を契機として昭和三十八年度から直轄海岸施行区域に告示され、河口水門を含めた岡山海岸百間川河口部の改修工事に着手し、五ヶ年の歳月と、十四億余りの巨費を投じて昭和四十三年(一九六八年)三月竣工したものである。百間川の流水を排除し、高潮を防禦し、塩害を防止することを目的としている。



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旭川は北部県境の標高1081mの朝鍋鷲ケ山を水源とし、岡山県のほぼ中央を流れて児島湾へと注ぎ込む。

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