このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

伝賀陽氏館跡(でんかやしやかたあと)
         《伝賀陽氏館跡について》
【所在地】 
岡山市北区川入
【所有者】 
個人
【文化財名】 
伝賀陽氏館跡
【文化財区分】 
岡山県指定史跡
【指定年月日】 
昭和34年3月27日
【解説】 
中世土豪の館跡の典型的な遺構。鎌倉時代以降、吉備津神社の神官を務めた賀陽氏の館跡という伝承がある。
 現在館跡は宅地に利用されており、上面はかなり削られているが、東西75メートル、南北60メートルの館本体は長方形を呈し、四周には土塁を巡らせていたと考えられる。さらに館本体の周囲には、幅約30メートル、深さ1メートルの館を防御するための堀跡が旧状をよくとどめている。
  
  (写真は館跡南側面部に一部残る土塁と周囲は堀跡)
 
館内部の建物構成や、時期については、発掘調査がおこなわれていないため不明であるが、周囲の発掘調査で館関連の遺構が検出されており、その年代から館は今から700年前につくられた可能性が高い。
 岡山県下において、鎌倉時代から室町時代前半にかけての館跡は、それ以降の城跡に比べると数が少ない。当館跡は大変貴重な遺構といえる。


▲方形の環濠を巡らす館跡には、現在、堀を渡る土手があるが、これが当初のものかどうかは不明。館本体は、個人所有地となっているため民家が建っている


▲南側面部に幅2mの土塁の一部が残存。かつては館本体の外周には土塁が全周し、水をたたえた堀がめぐらされていたのであろうが、今はその面影はない

<位置>
備前と備中の境となる吉備中山西麓の水田中に位置する

<交通>
山陽新幹線高架下の岡電バス停留所「川入」下車、徒歩15分

<参考資料>
「川入・中撫川遺跡発掘調査報告」岡山市教育委員会
岡山県HP
岡山市デジタルミュージアムHP
岡山文庫「吉備津神社」
山陽新聞


東(吉備津神社側)から望む伝賀陽氏館跡全景〜吉備津神社の南西約1キロの田んぼの中に、少し高くなった平地として現存

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