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津山城の南麓にある津山基督教図書館(南面)。現在は森本慶三記念館として利用
【建物の由来】
建物は、内村鑑三の弟子森本慶三が、キリスト教文書伝道を目的として、大正15年(1926)に設立した我が国唯一の基督教図書館です。
構造は、木造3階建て亜鉛メッキ鋼板葺です。南面中央入口はイオニア式(渦巻き模様の柱頭を有する構造)の壁付柱を持ち、ゲーブル(切妻屋根)構造です。東面には時計台の付いた塔屋があり、壁面各所には浮き彫りが入っています。
設計、建設は青森県弘前市生れの桜庭駒五郎です(現地案内板)
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記念館東面。塔屋2層の上部にある時計台の尖塔は高さ20mに達する。敷地内には津山科学教育館や歴史民俗館がある
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記念館東側入口
【所在地】津山市山下
【文化財指定年月日】平成10年10月9日
【アクセス方法】JR津山駅から徒歩10分
【公開状況】入館9:00〜16:30 入館料必要 |
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森本慶三記念館の東隣にある津山郷土博物館。後方は津山城
【建物の由来】
建物は、津山市政施行に伴い、昭和8年(1933)に建てられたものです。外観はアール・デコ様式で、中央部分に塔屋を配し、シンメトリーな形態をなしています。
市内では鉄筋コンクリート造の草分け的存在で、昭和初期の典型的な官庁建築の特徴をよく表しています。昭和57年まで市庁舎として使用され、昭和63年からは津山郷土博物館として利用されています(現地案内板)
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地上3階、地下1階の建築物。館内は、市立の歴史博物館であり、槍や銅鐸(ともに県文化財)、人物埴輪、古墳時代の陶管、津山城復元模型などが常設展示
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正面玄関
【所在地】津山市山下
【文化財指定区分】平成18年10月18日
【アクセス方法】JR津山駅から徒歩10分
【公開状況】入館9:00〜16:30 入館料必要 |
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城西浪漫館(東面)
【建物の由来】
大正6年(1917)に建てられた、津山で最も古い病院建築です。木造2階建て、基礎は御影石、外壁は小豆色のモルタル掻き落とし、人造石の柱や窓の枠飾りを配します。建物正面にはポーチが張り出し、その屋根はドーム状につくられています。ポーチの円柱にあるコリント式の柱頭飾りや窓の飾り枠などに、凝った洋風意匠が見られます。
平成20年、所有者から津山市に建物が寄贈され、翌年から「城西浪漫館」として一般に公開されています(現地案内板)
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岡山県近代化遺産。館内は、喫茶室(1F)、貸しギャラリー(2F)、中島病院旧本館の歴史を振り返る展示室として公開
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1階常設展示室
【所在地】津山市田町
【文化財指定年月日】平成22年9月10日
【アクセス方法】JR津山駅から徒歩約20分
【公開状況】城西浪漫館9:00〜17:00 1F喫茶室「SO's Cafa」8:30〜16:00 |
津山基督教図書館・津山郷土博物館・旧中島病院本館周辺図
(現地案内板に一部追記)
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旧出雲街道沿いに建つ旧梶村家住宅
【建物の由来】
城東むかし町屋は、江戸時代における有数の商家である梶村家の住宅を津山市が購入・整備して一般公開しているものです。江戸時代末期の建築物の面影を残す主屋、明治初期の居住空間である付属室、大正時代の洗練された技術や技法を知ることができる座敷、東蔵、また、大正時代に建築されたドイツ壁仕上げの洋館、裏座敷、さらには、昭和初期の大型商家の屋敷構えを知ることができる西蔵、茶室が、かつての面影を今に伝えています(現地案内板)
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主屋。庭は国登録記念物に指定されている旧梶村氏庭園
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主屋内部の「どま」
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座敷。2階建で大正期に新築され、当時の姿が良く保存されている
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座敷内部の「とこのま」
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茶室「千草舎」(チグサノヤ)。昭和初期に建てられた木造平屋建人造スレート一文字葺
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東蔵(手前)と西蔵。東蔵は大正期、西蔵は昭和初期に建築
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主屋戸口。主屋は平入り(棟と平行な面に出入口のある形式)木造つし2階建(2階の階高が低い)桟瓦葺、下屋本瓦葺、間口8間半、奥行7間と大規模。江戸後期頃に建てられ、一部、明治期に増築、昭和初期に内部が改造されている
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主屋西隣に位置する門。後方は旧梶村氏庭園
【所在地】津山市東新町
【文化財指定年月日】平成9年5月7日
【アクセス方法】津山市内循環ごんごバス「天神橋」バス停から徒歩3分
【公開状況】9:00〜16:30 無料 |
旧梶村氏庭園
国登録記念物(平成24年1月24日指定)
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南西隅に設けられた石組の築山と滝石組が注目される住宅庭園 |
座敷に面して築かれた石組の池泉庭園。城東むかし町屋として公開中。入園9:00〜16:30 無料
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城東町並保存地区
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出雲街道と作州城東屋敷(町屋複合施設として平成5年より整備し活用)。右端奥の建物はだんじり展示館
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城東町並保存地区から望む津山城 |
城への直進を阻むために設けられた、出雲街道に残る鉤(かぎ)曲がり
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城東むかし町屋(左側の建物)の南を東西に走っている出雲街道 |
城東地区は、津山城より宮川をはさんで東に位置し城下町の東の入口の町。出雲街道沿いの町並みは、町屋の
跡地であり、平入りの低い軒並、格子窓、ナマコ壁など往時の姿を良くとどめる。背後は、上之町の武家屋敷の跡
地です。東西に細長く延びており下級武士や足軽・中間の居住地であった。出雲街道と13本の小路でつながれて
いる。武家地の北側の丹後山南麓には6ヶ寺が連なり東寺町とも呼ばれている。このように城東地区は、城下町
の四つの要素である津山城跡と武家地・寺町・出雲街道沿いの町人地と城下町の総合的な構造が良く残っている。
(地図は現地案内板に一部追記、文は城東むかし町屋リーフレットより)
H・P作成日:平成25年(2013)5月 |