このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

中城城
中城城マップ
那覇から車で50分位。無料駐車場有。観覧料金は大人一人300円。
なかぐすくじょう

中城城下には、18世紀中頃に建てられたと伝えられる代表的な沖縄の農家
「中村家住宅」が現存する。

 中村家住宅は戦前の沖縄の住居建築の特色をすべて備えている建物。沖縄本島内でこのように屋敷構えがそっくり残っている例はきわめて珍しく、当時の上層農家の生活を知る上にも、貴重な遺構であるということで、昭和31年に琉球政府から、昭和47年に日本政府によって国の重要文化財に指定された。

【所在地】沖縄県中頭郡中城村 
【築城年】
14世紀後半頃と推定 
【築城者】14世紀後半に先中城按司(さきなかぐすくあじ)によって築かれ、15世紀後半に護佐丸(ごさまる)が増築した城。
※護佐丸(?〜1458) 中城按司護佐丸盛春。琉球が三山分立から統一へ向かった頃の武将、名築城家。座喜味城、中城城を築いた。「毛氏先祖由来記」によれば、勝連城主阿麻和利から中山を防御するため、中城の地を賜ったとされる。1458年、阿麻和利の攻略によって滅びた。

【地形種類】
山城。かって、貿易が行われていた屋宜(やぎ)の港から2kmほど離れた標高約160mの丘陵上にあり、中城村の西北から北中城村の南側にのびていく丘陵の東崖縁を天然の要害としている。
【文化財指定区分】国指定史跡・世界文化遺産 
【遺構】建造物はないが、石造拱門、石垣、郭が残る。300余もあるとされる沖縄のグスクの中で最も遺構がよく残っていることで知られている。※沖縄では城はグスクと呼ばれる。
「歴史」
■中城城跡は、14世紀後半頃迄「先中城按司」が数世代にわたり、西の郭、一の郭、二の郭の主な部分を築き上げ、1440年に読谷の座喜味グスクから移ってきた護佐丸によって、北の郭、三の郭が増築され現在見られるグスクの形が完成したとされる。1458年、勝連城主阿麻和利(あまわり)の策略によって滅ぼされたが、その後しばらくは尚氏が使用したといわれる。
■中城城跡は、1972年5月15日(日本復帰の日)に、国の史跡に指定され、2000年12月2日には、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の1つとして世界遺産にも登録。

 城は、連郭式の山城で、六つの郭で構成されている。城壁は、主に琉球石灰岩の切石で積まれており、自然の岩石と地形的条件を生かした美しい曲線で築かれ、六連郭の構えは琉球屈指の名城とされる。

中城城跡案内図(城内説明板より引用・加筆)

▲鍛冶屋跡(カンジャーガマ)。鍛冶を行っていた所と言われているが、城のためか集落のためか定かではない。一説によれば護佐丸が阿麻和利に備えるために武具を造っていたとも伝えられている。

▲二の郭跡から望む一の郭石垣とアーチ門。石垣は曲線に築かれている。

▲西の方角へ向けて建てられた正門(櫓門)。

▲北の郭から三の郭に至る石段。右側石垣後方は二の郭跡。

▲北の郭・物見台。石積みの種類は、あいかた積み(亀甲乱れ積み)。

▲三の郭石垣と、その右手通路の先一段低くなっている所の石段部分が裏門。裏門をくぐると北の郭となる。

▲太陽(てだ)が穴(東)に向かって建てられた裏門。ペリー探検隊一行がエジプト式と評したアーチ門。

▲護佐丸が井戸をとり込み増築したとされる北の郭。

▲三の郭石垣と裏門。三の郭は新城(ミーグスク)とも呼ばれる。


中城城登城口

▲霊域・南の郭。左側に聖地久高(くだか)島への遥拝所が位置する。他に雨乞いの御獄(うたき)など城内には、八つの拝所がある。

▲一の郭にある観月台跡。

▲中城城で最も広い一の郭。正殿があった。護佐丸が宴を催した観月台もある。後ろに間切番所(まぎりばんじょ)が建てられ、廃藩置県後は中城村役場に使用されていたが、沖縄戦で焼失した。

▲二の郭からみる一の郭の城壁とアーチ門。門は石造拱門で、両側の城壁が湾曲して合横矢が掛かるようにしている。

▲西の郭と正門。門をはさむように両側に石垣がせり出し、ハンダ道(公道)に向け狭間が造られている。

▲中城城西側に築かれている門で、この門が本来の正門と考えられており、石造りの門の上に木造の櫓が載っていたと推定される。

▲北の郭にある大井戸(ウフガー)。西の郭には夫婦井戸と呼ばれる二つの井戸がある。城郭内に水を確保していることが、この城の特徴でもある。

“中城城跡/名城の面影を巡る”

◆中城城跡に残る三種類の石積み◆

▲三の郭・裏門・北の郭を望む

中城城碑


※中城城と中村家の説明文は、主に現地案内パンフレットを参考にして作成。


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 中城城跡を含め沖縄のグスクは本土より古い時代から石積技術が発達していた。その石積の種類は、大きく分けて野面積み、布積み(豆腐積み)、あいかた積み(亀甲乱れ積み)がある。

(左上)野面(のづら)積み
(右上)あいかた積み
(左)布積(ぬのづ)み

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