このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

     作 山 古 墳
   国指定史跡(大正10(1921)年3月3日指定)
         【所在地】総社市三須
              

 独立丘陵を加工して造られた作山(つくりやま)古墳は、造山古墳(岡山市所在、全国第4位・岡山県下最大の前方後円墳)に次いで、5世紀中頃に築かれた全国第9位、岡山県下第2位の規模を誇る前方後円形のお墓です。斜面と平坦面からなる三段に築かれた墳丘は、現在では草と木で覆われていますが、築造当時は、平坦面に少なくとも5千本以上の埴輪が立て並べられ、斜面には石が敷き詰められていました。自然の景観の中にそびえ立つ巨大なモニュメントは、作山古墳の南方に存在したと考えられている古代山陽道に先行する道を行き交う人々に、吉備の大首長の権力を誇示したものと思われます。しかしながら、作山古墳は、正円形の後円部をもち前方部の形態も整った畿内の大王墓や造山古墳に比べ、楕円形で前方部の前端が台形に突出するなど不整な形態をもっています。これは、長さと幅が不十分な自然丘陵をできるだけ手をかけず、長大にみせようとしたことによるものと思われます。

 畿内の大王墓にみられる二重・三重の堀が認められないこと、また、本来なら取り除くべき前方部前面の丘陵がそのまま残されていることなどからも、作山古墳に葬られた吉備の首長は、畿内の大王ほど、古墳築造にかける余力がなかったのではないでしょうか。なお、作山古墳には、盗掘された大きな穴は存在しないことから、古墳の主は今も後円部の中央地下深くに眠っているものと思われます。
  平成22(2010)年3月 総社市教育委員会 (現地説明板より全文を転載)
作山古墳 空撮(北東から)

 つくり山と称されるほど、雄壮で巨大な前方後円墳。正円形をした下側が後円部となり、その上に前方部が続く。前方部前端が左斜めに台形に突出しているのがよくわかる。(写真は現地説明板より抜粋)
作山古墳 測量図(S=1/2000)
        
        作山古墳空撮写真と見比べるため逆に配しました(測量図は現地説明板より抜粋)
墳丘内の状況
(発掘調査はおこなわれていない)

前方部と作山古墳駐車場
 国史跡につき、駐車場、便所、説明板が整備されている。


前方部の様子

前方部から後円部をみる


後円部から前方部をみる

後円部頂上
 説明板が設置されている。

後円部から備中国分寺五重塔を望む
 写真上方の樹木の間に五重塔が見える。
作山古墳周辺マップ


  岡山県の文化財に戻る

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください