四国交通 いすずBXD30/富士重工 1966年10月製造



  徳島県池田町を拠点に四国の深い山中に分け入る路線を持つ四国交通は、古くから山岳道路に強いボンネットバスを多数導入してきました。しかし昭和41年を最後にボンネット型の新車導入は終了し、昭和58年には老朽化の為に定期路線からも完全に撤退しました。しかし、その少し前に一旦徳島バスへ身売りしたボンネットバスを再び呼び戻し、綺麗に化粧直しして「えっとぶり阿波号」として復活させました。私が訪問したのは昭和58年4月の事で、当に最後のオリジナルのボンネット型の引退が間近に迫っている時でした。一方で、新車同様の同型車が活躍を開始しており、同期導入車の運命の分かれ道でした。


土讃線に沿って路線バスが並ぶ。


土讃線の車内からも、ボンネットバスの存在が確認できた。


本社入口で佇んでいた廃車。愛称板も外されていたので、素性が判らなかった。


          新車時から路線バスとして活躍を続けてきたボンネットバスの最後のクルマが、この「大歩危峡」号。既に休車中で
        廃車待ちの状態であった。険しい山道を走りこんだ為ボンネットは歪み、全身傷だらけであった。この日は撮影の為
        に広い場所に出して頂き、夕陽が老体を優しく照らした。


        ぴかぴかに手入れされた観光用のBXD30。実は前日まで池田高校の応援に、甲子園球場まで遠征していたのだった。
        後部には観光PR用のポスターが貼られていた。


座席は綺麗なセパレートシートで、補助椅子も完備されていた。


こうして見ると運転台はセンター寄りにある事が判る。


最後に2台を並べて記念撮影。四国交通様には大変お世話になりました。


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