旧岩手県南バス いすずBX型キャブオーバーバス


  先ず、旧岩手県南バスのオリジナル塗色をご覧下さい。これを撮影したのは1982年の事で、1976年に他の3事業者と対等合併して岩手県交通となった後なので、後部のIKB(岩手・県南・バス)ロゴや、サイドの社紋は消されている。



  こちらが今回発見した、岩手県南バス時代に廃車になったと思われる、いすずBX型キャブーオーバーバス。車体が白色化したのは、錆止めや元の事業者を隠す為に白色塗装が施工されたのではなく、県南バス塗色の赤色が自然に退色してしまった為と考えられる。運転席側窓のアルミサッシの角部のR形状や、急傾斜した後部窓周辺の形状から、川崎航空機工業が1959年以前に製造した車両と推測される。タイヤ、ホイールも全て付いており、後部窓の一部が失われている以外は原形を保っているので、これ以上風化しないうちに何らかの方法で保存される事が望まれる。

  やはり赤色部分が白色化してしまった丸型のいすずマークは、1962年以前のもの。岩手県南バス時代のIKBロゴのKBの部分が、右側のリアコンビネーションランプの左方に確認出来る。

  ボディ左側とフロント部分に、県南バス塗色の赤色残存率が高い。また、フロントガラスの上には大きな庇が取り付けられている。キャブオーバー独特のエンジンカバーのスリットも確認出来る。

  フロントのいすずマークは取り外されている。微妙に膨らんだフロントマスクの真中にある器は、ラジエーターへの給水口と思われる。フロントグリルのデザインは、横縞型の様だ。

  消えかかった県南の文字と社紋(ボディ右側)。逆サイドは未確認。

  運転席のハンドルは高い位置にある。シンプルなメーター類も確認出来た。

  かつて東北地方に数百台はあったと思われるキャブオーバーバス。世紀を越えて今もなお、当時の様子を黙って伝え続けている。

2007.5.4〜5撮影
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