トヨタ博物館 トヨタFB80/富士重工業 1963.10製造







  愛知県名古屋市にあるトヨタ博物館に動態保存されているのが、輸出仕様のガゾリンエンジンを積んだトヨタFB80/富士です。独特な丸い鼻面を持つトヨタのボンネットバスは、全国津津浦浦で活躍していた印象は薄く、一部の事業者に限られていた様です。国内生産は昭和40年頃で終了しているとみられ、路線バスとして最後まで残っていたのは、ディーゼルエンジンを積んだ、九州産業交通のDB90/松本車体(1978年夏まで活躍)でした。

 このバスについては、新車で東南アジアに輸出され20数年間活躍後、引退間近だったものを帰国させてフルレストアしたものだと聞いています。車内に取り付けられた日本語で書かれた数々のプレート類は、恐らく他車からの移植でしょう。しかし、見た限りでは当時の国内仕様のバスと見分けがつかない程の状態です。

  現在はメインゲートのすぐ脇で来場者を暖かく出迎えてくれ、車内を見学する事も出来ます。また、時々試乗会も開催されていますので、まめに公式HPをチェックする事をお勧めします。




上4枚 キャビンの先端にてんとう虫をくっつけた様な面構えは、大変愛嬌のある表情を創り出している。


        トヨタの大型バスで忘れてはならないのが、テールレンズのデザインである。昔はバス製造メーカーが独自のデザインで
      テールライトユニットを取り付けていたが、テールランプ(赤色)と方向指示ランプ(橙色)を一体化したものが共通化された
      以降も、トヨタ車に限って写真の様にテールランプと方向指示ランプを独立させていました。テールランプの形状は台形なので、
      外側半分を橙色にすれば一般的なテールレンズとなりますが、ここまでこだわった理由は一体何だったのでしょうか。


車内から見るボンネットの丸みは、他メーカーを寄せ付けない。


富士重工独特の小さな最後部の側窓。ボディの長さにより、これが無い仕様もある。


3方シートや床板は綺麗にレストアされている。


シンプルな計器類。


ボンネットバスに必要な?コンソールボックス。トヨタの刻印が有る。


貴重な、富士・重・工業・株式会社の銘盤。


一般的な高さで乗り込める。


ドア上部に掲げられた、運輸規則抜粋。


車体側面、後面に何気なく掲げられた、トヨタエンブレム。

2005.7.9 トヨタ博物館にて撮影


戻る