このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

2007年11月の業務日誌





2007年11月1日「駆け込みの判断」
 またもや1カ月以上更新をさぼるという失態、申し訳ございませんm(_ _)m
さて、前回は車内精算のお話だったわけですが、あれから結構ちょこちょこですが車内でもきっぷが売れて・・・
運転士だとお金のやり取りなんて絶対なかったわけですが、きっぷが売れてお金をもらえるときとか、やっぱ
嬉しいですねwそういう感覚も久しぶりに戻ってきたというか。
忘れていたわけじゃないですが、やっぱり駅でお客がきっぷを買って、お金を払ってくれるからこそ、自分たちの
給料ももらえているわけで。そうそう、お客様は大切なんですよ。
 ただ、鉄道業で難しいのは、動いている物が常にお客の近くにあるということ。
自分たちが安全に関して認識するのは当然のことであるが、旅客にも安全に関しては一定の認識を持っていただく
必要がある・・・でないと、怪我もしくは最悪命を落とす可能性もあるという事実。
そういう点では、時には厳しく旅客に注意をせざるを得ない場面もあるんですよね。

 例えばホーム。黄色い線の外側というのは非常に危険なゾーン。すぐに接触事故が起こらないとは限りませんが、
少しでもホーム外に体や持ってたカバンがはみ出た場合、そこに列車が接近していたなら、接触の可能性は大。
対向なら自分で確認もできるでしょうが、背面は難しく、特に怖いのがイヤホンで音楽など聴いてる場合。
また列車が来なかったとしても、バランスを崩して線路に転落したり、物を落として自分で取りに下りてしまったり(
故意に線路に降りることは列車往来妨害の罪に問われかねません)という、危険因子を生む可能性も無きにしも非ず。
 昔は各駅に駅員がいて、列車進入時・進出時には安全確認をしてくれていたんですが・・・まぁ、人件費削除です
よねw代わりに非常ボタンの整備や旅客転落検知装置の整備であったり、曲線の駅ではITVと呼ばれる車掌から
確認の出来るホームを映したモニターがあったり・・・ただ、このITVも万能ではなく、日差しでモニターの感度が悪く
なったり、ドアを閉める瞬間にどうしても確認するモニターのタイムラグがあるので、駆け込みなどに対応できなかったり。

 さて、だいぶ脱線しましたがw脱線ついでにこの間あった駆け込みに関する2件のトラブルを紹介しましょう。
1つは苦情として車掌区までわざわざ連絡をいただきましたw駅名を聞いて、よく覚えていたので自分の正当性は証明
されましたが、内容はこうです。
 その日は列車に遅れがあり、またそこそこ乗車率も高く、到着後は乗降が済み次第発車するという状態でした。
そんな中、この駅でも車外スピーカーで乗降を促し、乗降の列が一旦途切れたのでドアを閉めました。完全に閉まった
くらいの瞬間でドアに手をかけようとする2名。挟まる云々では無かったので、分類するならこれも駆け込みです。
その時の苦情内容が「降りる人を待っていたらドアが閉まって乗れなかった。」
 ここで注目すべき点は乗降の列が完全に途切れている。完全に閉まり終わるくらいに手を伸ばしている。そして
発車の時に確認したのは、この2名だけが取り残されていたということ。
 ここは推測ですが、おそらく降りる客を待ってというのは、階段が降車客で一杯になり、それをよけながらだったりで
待っていたらドアが閉まったということ。
 もし仮にこの2名が整列乗車していて、乗車客の列に並んで乗っていたなら・・・例え時間が来ていても、列車の到着
を整列乗車で待っている旅客を置いていくほど流星も定時にはこだわりませんよw
なんで整列乗車だったり、前の人に続いてだったりのマナー放送をするのかは、こういう車掌の仕事内容があるから。
信号出て、時刻が来て、乗降の列が途切れればドアは閉めるため。
 というわけでこの例は旅客の駆け込みとして処理されました。続いてもう1件。これは内容云々はどうでもいいんですが、
とりあえず駆け込み。それもドアが完全に閉まった後からの。
発車の時の列車状態監視をしていたら・・・久々に唾を思いっきりかけられましたwww超久しぶりw
まぁ昔ならすぐカッとなってその旅客に向かって何か叫んだりしてたんでしょうが(それが苦情となって結局処分くらい
ましたがw)、大人になったというか・・・我慢して乗務員室で泣いてましたよww・゜・(ノД`)・゜・。

 で、ですねぇ・・・結局そうとう脱線した話になったので元に戻すとしてw列車接近中の黄色い線の外側を歩くだったり、
駆け込みに関して。これを時には厳しい口調になるかもしれないが、注意をすべきなんですよ。それがなかなかできない。
なんで?それは「お客様」だから。大切な大切なお客様。お客様の機嫌を損ねてはいけない、特に厳しい口調で注意を
するなんて・・・いかがです?
萎縮しちゃってるんですよね、注意すること。そういう「何が何でもお客様の気持ちを逆なでてはいけない」というのを
どんな場面でも適用せざるを得ないほど、その言葉が洗脳されているというか、苦情を言われてはいけないみたいな。
ん〜・・・まぁどの場面でもじゃないだろwって、考えればわかることを考えない社員もバカなんですが、そういう風土に
仕上げた会社も悪い(もちろんこの場合はそういう指導をしている係長だったり)。
 いや、一番大切なのは「安全」なんでしょ?お客様の命を落とす可能性のある事柄に関しては・・・そりゃ時間がある時
は丁寧に、なんで危ないかを説明すればいいが、時間がないときは厳しい口調であろうと、「守る」ためには厳しく
言わないといけないし、そのことを苦情として挙げられた時、会社がきちんと謝って、しかしこの職業の特性を説明し、
社員を今度は守ってあげなきゃいけないだろうと。

 さて、話が若干変わりますが、駆け込みにもタイミングのいい駆け込みと悪い駆け込みがありまして。
いいのはうまく飛び込んでくれる駆け込み(ほんとは駆け込む事態がダメなんですがねw)。悪いのは「ちょww自ら
挟まりに行ってるんですか?」と思うような駆け込み。もちろん苦情が来るのも100%後者。
駆け込みを待つこと自体は・・・せいぜい遅れても10秒〜20秒くらい。が、これが数駅続けばすぐに1分という遅れに
なるし、接続列車に接続できないという場面も発生しかねない。そうなると、今度は時間どおりにその列車に乗り、
接続列車に乗ろうと思っていた何十人という人が、数名の駆け込みにより迷惑がかかる。
 どちらも同じお金を払って列車に乗りにきた大切なお客様。けれど、平等な立場からみると・・・やっぱり時刻ってのは
あらかじめ公表しているので、その時刻に間に合うようにこられた方を優先させたいと思うのは乗務員気質。
それが「定時運転の確保」であったり、列車が遅れている場合には「回復運転」という考え方に出るのもやはり自分が
思う「プロの乗務員」として当然。もちろん、それを守るためには知識であったり、技量も身につけないとダメだし、
時には申し訳ないと思いつつも、やはり駆け込み旅客についてはあきらめていただくようなドア扱いをする場合も。
 本当は、乗せたいんですけれどね・・・「発車時刻」なんてなければ、こういう問題で悩むことも無いんでしょうが。

 さて、久々長々と書いたのでw今日はこれくらいで。次回は・・・運転士の仕事と車掌の仕事って題名で、お互いの
仕事の領域というか、お互いのプライドというか、そういった話をしたいかと。
あ、ちなみに新幹線試験の詳しい日程や内容が発表され・・・とりあえず今年も頑張ります☆



日記indexまで戻りま〜す♪
1

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください