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2010年9月の業務日誌





2010年9月29日「車両故障」
 まずはじめに・・・前回の日記の最後で次回は事故のことをってお話したんですが、ちょっと内容が
重いというか、あんま詳しく書きすぎるのもまずいというかwなので事故のお話は一旦保留します。

また機会があれば一般論的なというか、客観的なというか、そういう部分からの事故についての
お話をしたいなと思います。

 で、今回はこの夏初めて経験した車両故障のお話を。
この時はお盆の真っ最中で臨時ののぞみを担当してました。ダイヤがかなりきつかったので
もう行け行けどんどんって感じで運転していこうと思ってた矢先!駅を出て1分過ぎたくらいで
車両故障を知らせる表示とブザーが運転台に鳴り響く((( ;゜Д゜)))
初期動作として現在地点やら時刻、速度だったりどういった内容の故障かを確認する作業が
あるんですが、こんなの初体験(当然訓練ではやりますが)でもう頭がバーンww数秒くらい
フリーズしつつ、とりあえず決められた項目をメモ書き。続いて指令に車両故障が出てるので
この先遅れることを連絡しなきゃいけないんですが、それほど列車の加速に問題も出て無い
ようなので先に車両処置に突入。
処置マニュアルの本を参照にしながら1両分のモーターを使用停止するのに成功。続いて
故障内容だったり処置した内容を指令に連絡。やれやれ(汗
内容的にはモーターに電気を送る装置の部分が熱で熱くなりすぎてたので故障になったみたい。
それなりに把握できる故障で助かりました。
あとはこのまま終点まで無事運転して・・・って思ってたら、その故障から1時間後くらい、今度は
別の車両で同じ現象の故障が_|‾|○
まぁ同じ故障ですし一度処置してるので今度は慌てず冷静に処置・・・こっちもモーターを使用停止
にします。
同じように指令に連絡すると、最初に使用停止したモーターの故障が治ってる(正確には使用して
ないから温度が下がって使用できるようになってる)はずなのでそっちを使用できるようにして
くださいと言われ、最初にモーターカットした車両を復帰させる。たぶんスジ的にきついので1両分
ならギリギリスジに乗れるだろうけど2両だと遅れが出るかもという指令の判断だと思う・・・たぶんw
こういう故障が出た時温度下げて再び使用できるようにしたとしても、再度上昇すれば同じ処置を
しないといけないので、それだとスジに乗れるのなら開放させたままで車庫まで運転させた方が
モーター的には負担が少ないと思うので。その証拠に復帰させた時指令から「再度同現象が発生
するかもしれないので、発生した場合は同じ処置をしてください」と連絡があったので。
 2つ目の故障から40分くらいして・・・やっぱ復帰させたモーターが故障表示。再度モーターカット
処置を行い、次に故障したモーターを復帰扱い。最終的にこの形で車庫まで持って行ったと思い
ます。
 ようやくあと1駅というところまで来た時、今度は全然別の故障が_|‾|○
コンプレッサーの連続運転だったんですが、こっちは今すぐに車両に影響があるわけでもなく、
すぐに終点に着くので処置せずのままで車庫へ。この故障は実際処置するとなると結構な時間が
かかり、運転士だけじゃできない(検査担当の車掌と共同で直す)ので助かりました。
こうして初の車掌故障は結構内容盛りだくさんで終わったのでしたw

ちなみに・・・無事1車両だけのモーターカットだけで済んだおかげか、遅れは発生せずでした。


 
2010年9月9日「運転士を目指して4」
 6.車掌科

 たぶん今回で特別企画は終了になると思います・・・というかやっぱり夏休み中に終わることが
出来なかったかw
いや、あれなんですよね。鉄道員って結構時間に厳しいイメージがあるんですが、仕事中は
ず〜っと時計とにらめっこしながら仕事しているじゃないですか?なのでオフの時は半端なく
時間にルーズなんですよねwまぁ流星だけかもしれませんがw

 えっと、今回は駅員2年目。4月の中頃に後輩が3人入って来ました。一応流星は教育係と
して1ヶ月くらいかな?一人の後輩と一緒に泊まりながら教えてました。
運転士で指導した時もそうでしたが、やっぱ自分の知識を持ちながら自分で仕事をするのと
人に教えるのってのは違うわけで、どう教えればわかりやすいだろう?とか、そういうのを
考えながら一緒に仕事をしていたと思います。
 流星の車掌科の研修が7月から始まるのが決まり、駅で過ごす時間も残り少なくなったとある時、
駅長の提案で運転の仕事を1徹分見学する勤務に就けてくれました。
運転というのは駅で信号やポイントを制御する業務(テコ扱いって言います)で、1徹で3人が流星の
駅では働いてました。
一人はこの駅の本線の制御を行う業務、、もう一人は支線の被管理駅の遠隔制御で通称RC
(リモートコントロール)、もう一人は二人の休憩の合間を縫って信号担当をするって感じでした。
これは非常に貴重な経験でしたね・・・今はもうこの駅も全てCTCに移行されたので実際に駅で
信号制御することは無いので見ることもできないと思いますし、忙しい駅だとそういう見学なんてのも
やらせてもらえなかったと思います。
見学してやはり一番大きいのは、それまで完全に営業のことしか知識に無いわけですが、車掌に
なると運転業務にも携わってくるわけで、駅の運転担当さんがどういう仕事をしているのか?ってのを
より頭に思い描きやすくなりました。そういう意図も含めて見学させてくれたらしいです。
 この運転担当さんがどんな仕事をしているのかを少し紹介すると・・・
次に来る列車の列番やら時刻やら番線が書かれたカードがあります。これを見ながら仕事をします。
列車が接近するとブザーが鳴り、進路取りを行います。これはどういう線路を走らせるかというのを
選択し、ポイントを操作、動かないように鎖錠します。続いてこの駅に入ってもいいかどうかを確認、
つまり先行列車が無いかどうかを確認し、信号に進行を指示する信号を現示させるわけですが・・・
まぁ若干操作だとか違うと思うんですが、ニュアンスはそんな感じですw
で、列車が出発又は通過したらそのカードを外し、次に来るカードを用意するって感じです。
流星の時代はまだそれなりに寝台特急も走ってたので、夜中眠くなりながらも「1レ」って書かれた
カードが出た時には眠気を覚まし、わくわくしながら待ってた記憶があります。
 続いてRCの方はこの駅の支線と被管理駅のポイント制御、それに単線なので駅間の方向てこ
と呼ばれる、簡単に言うとどちら側に列車走らせるってのを制御するてこがあり、これを扱うと逆の
信号は全て停止信号になって正面衝突することは無いようになってます。
被管理駅の隣の区間からはCTC区間なので電話で指令とやりとりを行ったりもしてました。
大雑把に言うとこんな感じですね。とにかく本線抱えてるので真夜中でも貨物が行き交ったりしてて、
窓口とは違いここは24時間常に稼働してるんだなぁって思いました。

 7月中旬に研修センターの車掌科へ。ここでは約1カ月かけて車掌の研修をしました。
営業と運転で半々くらいの授業で、営業では駅では使用しない車内補充券発行機の取り扱い
だったり、メインの乗り越し精算の勉強、いろんなきっぷの取り扱いを勉強しました。
特に車内精算業務は全国からの乗り越し精算をするので、今までみたいに地域付近に詳しくても
ダメだってことで全国の乗り換え駅や特急停車駅などを覚えさせられた気がします。
 運転は運転法規という列車を運転するために必要な法規の勉強を一から。それに放送の勉強も
しました。放送の勉強は大学の先生を講習に招き、聞き取りやすい放送の練習の講義を受け
ました。車掌と言うとあの独特の言い方をよく思い描かれるかもしれませんが・・・あれは超ダメ
らしいですw味が合っていいかもしれないと流星も思うんですが、一応この時の講義をきちんと
守り、一応普通の放送をしてきましたwなので流星の放送はあんま鉄ヲタ受けはしないかもしれない
ですねw
 他に車掌用のドアを切り抜いた実物が研修センターにあり(通称どこでもドアw)、これで列車監視
という駅に止まる時と出る時に行う基本動作があるんですが、これの練習をしたりしました。
最後の方のカリキュラムではグラウンド600メートルを全力疾走するという拷問があるんですがw
これは車掌が列車防護係員で乗務しているという意味もあるからです。
在来線は600メートル以内に停止しないといけない(一部除く区間もあり)規則があり、例えば列車が
脱線した時など、後続列車の追突を防止するために事故現場から600メートル離れた個所に
信号炎管で停止信号を示さないといけないことになってます(これも一部除く)。そのため600Mを
全力疾走し、早く停止信号を示す訓練ってのがあるわけですが・・・これがきついw
ちなみにこの訓練は運転士科でもありました_|‾|○
 さて、一部除くって言ったのはある列車防護の道具を使えば後続列車から見えやすい位置に
信号炎管を置くだけでOKなんですが・・・なにかわかりますか?
防護無線・・・じゃないです。たぶん防護無線を積んでない列車(今じゃそんな列車は無いと思い
ますが)が後続だと困るからだと思うんですが、正解は軌道短絡器と呼ばれる道具で、これをレール
に装着することで軌道短絡が起き、後方の信号に停止信号を現示することが出来るからです。
ちなみにこの軌道短絡器、長さが1435ミリあります。あれ?レールの幅って1067ミリじゃないの?
と思うかもしれませんな・・・別に新幹線にも使えるようにってわけじゃ無いです。
時々、私鉄と並走する区間があるんですが、この私鉄のレールの幅が1435ミリって会社もあり、
万が一私鉄側で事故を発見した場合でも、私鉄に対しても列車防護が出来るようにってことで
一番幅の広いレールの長さに合わせて作られてます。

 1か月の研修生活を終えると車掌見習として現場に配属されます。流星が配属されたのは
各駅停車をメインに担当する区所でした。ここで1カ月指導車掌の方と一緒に乗務し、見極めを
終えて正式に車掌として乗務することになります。
3日間ほど机上教育を行った後、流星は最初日勤から始まったと思います。
往路は先生の基本動作や放送を見ながら乗務、復路からは実際にドア扱いと放送をやらせて
もらいました。
初めての放送は・・・どれくらいの音量でしゃべればいいのか分からず、相当大きな声でしゃべって
しまいましたw
ドア扱いは・・・もはや覚えて無い程緊張でした。駅の窓口時代と大きく違うと思ったのは、あまり
時間をかけ過ぎるといけないというか、時間は待ってくれないし電車も待ってくれない。
自分のペースをつかむまでが本当に大変でした。
 1か月の乗務の中でこれと言って怒られるようなことはなかったんですが、一つだけ。
とある駅で信号のほかにもう一つ踏切が下りたことを確認しなきゃいけない駅があったんですが、
この日は列車が遅れてて、その踏切が降りたってランプがまだついてなかったわけですが、時間も
来てて信号も出てて。遅れてるから早く出したいって感情が先行し、思わず笛を吹いて閉めようとした
時、「おるぁ!!」って怒られましたw
今まで確実に確認してて・・・けれどたった一つでも確認が抜けると事故になる。そんな仕事なんだ
と改めて思いました。それからは自分のペースを崩さないよう、周りの感情に刺激されないように
しようと思いました・・・が・・・まぁ後でゆっくりとw

 1カ月の見習業務を終え、見極めを受けて9月中旬くらいに無事車掌として任命を受けました。
正式に一人立ちしたのは2001年9月下旬ころでした。
乗りだしてすぐに急病人が発生したりだとか・・・結構波乱万丈な車掌のスタートでした^^;

えっと・・・やっぱちょっと圧縮しすぎて1回に収まりきらなかったw
一応大まかな流れはこんな感じですw乗務してのことだとか、実はちょっと事故というか、
ミスがあったりするんですが、そういうのは次回にまわすとして、今回はこれで終わりにします。
次回はその「事故が起こる原因」だったりってのを語りたいかなぁって・・・
これ、どうしようかと思ったんですが、けどやっぱ語りたいと言うか・・・人間だからね、みんな。
みんな、みんなと同じ人間なんだと言うのをより身近に感じてほしい・・・本当に感じてほしいと
思うので。
とりあえず今回は一旦終わります(予定通りに進まなくてすいません^^;)



 




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