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第2話、C2機関
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翌日、光は黒いビジネススーツを着用(ゼノサーガ・カラー)し、一方リサは髪を上げ、赤い龍の翼の形をしたリボンを結んだ。
「それが、新しいリサのヘアースタイルなのね、いいじゃなーい。へ(^^)ノ。」
「似合ってるっていってくれてありがとう、ヒカル。」
リサは紺色の短めのタイトスカートをはき、ノースリーブの白いYシャツに赤いネクタイを締め、オレンジ色のブレザーを着ている。
「それがC2機関の制服なのね。」
「ヒカルが着てるのはエレメンタル・フォースの制服なの?。」
「違うわ。コレは私服よいわゆるフォーマルウェア(ビジネススーツ)なのよ。」
そして光は黒いハイブーツをはき、リサのアパートをでた。外にとめてあったF40に二人は乗りこんだ、運転するのはもちろん光
である。光はダッシュボードにあるナビに目的地を入力した場所はC2機関本部、光はF40のエンジンを始動させタイヤを空転さ
せてリサのアパートを後にした。
モスクワ市街地からやがて景色は一変し森林地帯を通る、光はサングラスをしている。
「いつもリサはどうやってC2機関へ通っているの?。」
「いつもは路線バスで通っているけど、今日はヒカルのおかげで大助かりよ。」
「ナビによると大体1時間ってとこね。私の場合はほとんど自分のオフィスに寝泊りしているから。通勤時間はゼロといってもいい。
もしよかったら、私のオフィスに遊びに来てもいいよ。私の自室にはプライベートルームがあってそこにはベッドやユニットバスもある
から寝泊りには困らないよ。」
光はリサに自分の名刺を渡した。リサは光の名刺に目を通す。
「(エレメンタル・フォース代表獅堂光・・・)。ところでヒカルはロシア語はしゃべれるの?」
「しゃべれるわよ。なぜなら私の部下にロシア人もいるから。それにほとんどの国の言葉はしゃべれるから大丈夫。ちなみに一番
得意な国の言葉はフランス語ね。」
「フランス語!?凄いのね。もしかして光って天才!?。」
「高校はエリート校のひとつのCLAMP学園高等部そこを私は首席卒業してる。そのあとは大検もとってるから、大卒扱いなのよ。
でもその高校生活の間に私はいろいろな勉強をしてたけどね、サバイバル術、風水術、経営学、そしてあらゆる国の言葉にFF魔
法・・・(※FFシリーズの魔法の総称)も頭に叩き込んだ それだけじゃない。戦いかたや人の殺し方、あらゆる乗り物の操縦方
法も私は覚えた。だからこの若さで今の地位を得たのよ。」
「じゃあ、ヒカルはマーダーライセンス(※殺人許可証)や銃刀所持のライセンスももっているの?。」
「もちろん。でもこういったものは日本では取るのは容易じゃないので、いずれも外国で取得したけどね。」
「外国で・・・。」
やがて、F40は針葉樹林のエリアを進んでいる。そこには古色蒼然とした東欧的な宮殿が開けたエリアに建っていた。
「ここがC2機関の本部よ。」
光はサングラスを取った。顔つきはキツイ表情になっている。
「ここがC2機関か・・・・いい趣味してるわね秘密結社だなまるで、もっとも諜報員のあんたにはお似合いだわ。」
光は嫌味的な口調でそう話した。そして通路を進む光は目で左右を見回した。
「(いたるところに監視カメラ・・・・セキュリティレベルはSクラス・・。)」
光は赤いYシャツのエリのピンに仕込んだ超高性能カメラでC2機関を撮影していた。
そしてひとつの部屋に到着したどうやら客間らしい。光は客間のソファーに足を組んで座った。タイトスカートは長めなので、
膝は出ていないでもそうの容姿はとても大人びいた魅力があった(^^;)。
「ここで待っててヒカル、今呼んでくるから。」
「・・・・わかった。」
C2機関本部
そこには総帥のデミトリー、そして幹部のザトペック、ミハイロフ、リドチェンコといった連中がいた。
「失礼します。」
ミハイロフが問いただす。
「何かねパツィフィースト情報官?。」
「総帥にお会いしたいと言う方が、エレメンタル・フォースのヒカル・シドーです。」
「なにエレメンタル・フォースだと。わかった会おう。」
「よろしいのですか総帥?。」
「うむ。」
C2機関の幹部達はリサをつれて光の待つ客間へと移動した。そして客間に入ってくると光は立ち上がり、深々と頭を下げた。
「お初にお目にかかります。私はエレメンタル・フォース代表ヒカル・シドーです。以後お見知りおきを。」
「C2機関最高責任者、デミトリー・イワノフと申します。日本からはるばるとゴクローちゃんです。(^^)。」
光とデミトリーは握手を交わした。
「早速ですが人払いを願いたい。おっとリサはここにいていい。」
「・・・・下がりたまえ、ザトペック、ミハイロフ、リドチェンコ。」
「・・・・・総帥がそうおっしゃるなら・・・。」
3人の幹部は客間から去っていった。
「あなたのことは良く知っていますよ。数年前に異世界で戦った伝説の魔法騎士でしたなたしか。」
「ふっ、昔の話です。さて今回私がここへきたのはあなた方に仕事の依頼をしたい。」
光はアタッシュケースから書類と写真を取り出した。写真には早川親子が写っている。
「ミッション内容は2つ。ひとつは、異界へ失踪した早川夫妻の捜索、そしてもうひとつは、ユウ・ハヤカワ、アイ・ハヤカワのガードを依頼したい。
その担当にはここにいる、リサ・パツィフィーストに依頼をしたいのだ。このミッションの報酬だが基本で400万G(※日本円で約4000万円)
を私からだす事を約束する。」
「シドーさん”基本”と言いましたが、そのほかにも何かあるのかね?。」
「はい、異界には当然の事ながら魔物もでる、その魔物を退治してくれれば魔物のレベルにあった報酬を追加する。なおこの戦闘データについては
私の方でモニターとカウントするので”ズル”や”ゴマカシ”はきかない。」
「なるほど、ギャラに関しては申し分ない、だが何故、パツィフィースト情報官に依頼するのかがわからない。その理由を聞きたい。」
「・・・・いいでしょう。ちなみに私は彼女の身辺調査をさせてもらった。」
光は別の書類を取り出して、それを読み上げた。
「西暦1979年生まれ22歳、父親はロシア人パツィフィースト卿、母親は中国人、10年前に母親は病死・・・。その後父親のもとへわたっている。
また気幻術といった格闘の使い手、戦力としてはまだ低いが、鍛えれば使えそうだ。」
「・・・・・随分詳しいのですな。シドーさん。」
「私の組織にも有能な監査方(※諜報員)がいますのでね。あなた達とはヒケを取りませんよ。でも私のとこに忍び込んだのは運のツキでしたね総帥。」
「あなただったのですね、ウチの情報官が何者かによって病院送りにされたと聞いていましたが。」
「リサもその一人です。でも彼女の治療は私がしましたけどね。もっともそれがきっかけで彼女とは知り合いになりましたけどね。しかもリサはこの私に一矢
報いている。その腕前を私は買いたいのだ。」
「なるほど。していつミッションは開始なのですか?」
「10月の最初の水曜日の深夜零時。それまでリサはウチでお預かりします。それと今までの早川家をモニターした記録のコピーをこちらに提供していただきたい。」
「それはできませんね。いくらシドーさんでも。」
「なら、今後の早川家のモニターは我がエレメンタル・フォースに引き継がせていただきたい。」
「いいのかね?、表向きは貿易会社なのだろ。いくら国家上層部や政府機関があなた方の組織の素性を知ってるとはいえ、このようなこと
はいずれマスコミにも公表されることになる。そうなってもいいのかね?。」
「ご心配なく、我々はそういったことなぞ簡単にもみ消すことができますので・・・。」
光は左手を腰にあて、たちあがり、総帥の前に詰め寄った。表情はより一層きつくなっている。右手を机に押し当てている。
「あなたがた(C2機関)は我々(治安維持部門)が介入するのを嫌がっているようだ・・・・なにか知られるとまずいことでも?・・・・C2機関
の出資者はだれでしたっけ?たしか・・・・。」
デミトリーは突然立ち上がって怒鳴った。
なっ・・・何が言いたいのだ!!あんたは!!。」
「ウフフフ・・・べつに・・・とりあえず・・・・今回のミッションはパツィフィースト情報官に行ってもらう。いいですかな?。」
「・・・わかった。」
「それでは、商談成立と言うことで、パツィフィースト情報官は預からせていただきます。」
「・・・・・・・。」
光はリサをつれ客間を出た。
C2機関中庭。
「さっきはおどろいたわ。ヒカルのあの凄み、総帥と堂々と話あうなんて。」
ヒカルは紙パックのリンゴジュースを飲みながらこたえる。
「あれぐらいできなければ、エレメンタル・フォースの代表なぞ務まらない、私の発言は私の組織の総帥の発言でもあるのでね。これで
ミッションが始まるまでおまえは自由だ。どうするリサ?。」
「またヒカルの国に行きたいね。」
「よかったら私の実家へ来る?東京で剣道の道場をしているのよ。」
光は穏やかな表情で答えた。
「いいわね、ぜひ行かせてもらうわ。」
「そうこなくては。」
二人に笑顔が戻っていた。
続く
管理人:PN.らくがきねこ
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