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第6話、ジリオン誕生(6)

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エレメンタル・フォース本部に着陸したエルザ3世号から降りた3人は獅堂光代表の案内で、本部の中へ移動していった。
建物の外見は木造建築物だったが中へはいるとそこは大きなパネルにモニターやオペレータールームなどがあり、
大勢の人たちが勤務をしていた。そのなかにはデミヒューマン(亜人種)の姿もあった。
「すっげー、まるでSF映画にでてくるような光景だ。」
チャリチャンミが興奮していた。
「こんなにたくさんの人が仕事している。」
「木造建築はカモフラージュよまだまだこんなものじゃない。」
奥へ進むと戦闘機などの整備工場、ハンガー(格納庫)などエルザ3世号もしのぐ設備であった。
3人は紺色のビジネススーツに着替え代表室へと移動した。
「これスカート丈長い・・・短くしてえよ」。
「それはダメよナギサ、エレメンタル・フォースでは女性らしくということでスカート丈の長さが決められている、座って膝が隠れるぐらいの長さとね
これは女性全員に義務付けられている、私も本当はいうと短くしたいのだけど総帥が決めたことなのでねこうして長めのスカートを着用してる。」
「ブーツもハイブーツになってるけど通気性はいいみたいだ。」
「これでもゆるくなったほうだ。前は頭髪も戦闘時は髪をショートにするかUPにすると決められていた。」
「ナゼです?。」
「考えてもごらん、戦闘中につかまれたら命を落とすか髪が台無しになるかどちらかだろ、そういえばマリーはちゃんとUPにしてベレー帽を被って
いたね。いまは髪型は自己管理に変更になった。」
そしてキャラウエイから3人に社員証が渡された。
「社員証ですね。」
「これを失くさないように、これは異世界とリアリティ(現実)世界とを結ぶ鍵にもなる、これがないと東京オフィスへ入ることができない。」
獅堂代表は3人を連れて地下のあるドアの前に立った。
「ここが東京オフィスへの入口だこれがないと次元の狭間へ送られるか拒絶反応を起こして中へヘいることができない、ちなみに人間に姿を変えることが
できないデミヒューマンはここへ入れることを認めていない。」
「なぜです?。」
マリーがたずねた。
「悪い言い方すれば差別になってしまうがリアリティの世界の人間はデミヒューマンを大半が忌み嫌っているそのため人間か検疫でパスした動物しかここへ
入ることは許されないのだ。」
「なるほど。」
獅堂代表がカードリーダーを通したあと3人もカードリーダーを通したそしてドアの中へ入るとそこは本部と変わらないオフィスルームだった
「改めてエレメンタル・フォース東京オフィスへようこそ、ナギサ、マリー、チャリチャンミ。」
「ここがエレメンタル・フォース東京オフィス。」
「私達が着てるビジネススーツと同じだ。」
「さっき渡したのは戦闘用、そしていまあなた達が着てるのはオフィス用となっているここは表向きは貿易会社だから、ここにあるのは都市開発、流通、情報局
の部門だけ、治安維持部門もあるけどそれは本部を拠点にしている、ここでは戦争はないからね。」
すると、黒い長い髪をした30代の女性があらわれた。
「紹介しよう2代目エレメンタル・フォース情報局長の早川理沙大佐だ。」
「マリー大佐です。」
「ナギサ中佐」
「チャリチャンミ少佐であります。」
「今年ヒカルにスカウトされたオネアミスかた来た隊士ね私が情報局長の早川理沙だ旧姓パツィフィーストこうみえてもロシアと中国のハーフよ。」
「私は・・・。」
「きくまでもないわあなたたちが異世界人とのハーフだってことは昌利と士郎から聞いている。」
「兄を知ってるのですね。」
「情報局よこれぐらいのことを知るのは常識よ。」
「あのー質問があるんですけど。」
「なにかしらチャリチャンミくん?。」
「旧姓が外国の名前で今は日本の苗字ってことはなんででしょうか?。」
「それは私は早川家の養子になったからよ。それで国籍もロシアから日本に帰化した。」
「私はいそがしいのでコレで失礼する、あとはリサに案内してもらうといい。」
そういって獅堂代表は去っていった。
「早川大佐もやはり獅堂代表にスカウトされた口ですか?。」
「そうね、ヒカルとはもう10年近くつきあっているだけでなく、じぶんがまだロシアのエージェント時代からの友人でもあったし。」
「へえええ」
3人はリサの案内で東京オフィスの案内をしたそこは寝泊りできる部屋とかリフレッシュルーム、トレーニングルームなどいろいろな部屋を案内された。
そしてリサは黒のワゴン車に3人を乗せた。
「どこへいくのですリサさん。」
「異世界旅行協会よ。マリー」
「異世界旅行協会?。」
「エレメンタル・フォースの下請けの一つでね10年前に異界への観光旅行をすすめている会社なのよ。」
「そんな会社があるんですかここ東京に。」
「そう、もとはコモディーンという異世界のレジスタンス組織だったのだけどね。」
車で移動して40分景色は都会から一変し山岳地帯にでていた。
「ここはもう東京からだいぶはなれたところここに異世界旅行協会がある。」
車をおりて異世界旅行協会の格納庫へはいるとそこは飛空挺とかエレメンタル・フォースの異次元航行船エルザ3世号の同型艦があった。
「こりゃあすげええやあ、こんな乗り物があるなんて、これを見たらオネアミスの正規軍の馬鹿共クソ漏らしてひっくりかえるぞ。」
「異世界旅行協会か・・・。」
「かなり前からやっていたらしい。」
「かなり前ってあのおっさんどもの仕業か。」
するとエレベーターからパイプをくわえた中年男性がでてきた。
「おっさん、おっさんか・・・それじゃあおまえはなんだこの小娘が。」
そういって中年男性はナギサをにらみつけた
「こちら異世界旅行協会の会長をつとめているナーブさんだ異界探検から帰ったばかりで・・・。」
「オレはオマエさんがこの世におっこってくるまえから異世界を旅してまわってるんだ!!。」
リサの案内で異世界旅行協会をみてまわる3人。隣には自動車整備工場があり看板にはレーヴィン商会と書かれていた。
そこでは一人の中年が自動車を整備していた、エレメンタル・フォースの乗り物であった。
「ひさしぶりねシド。」
「おお、リサか久しぶりだな。ところでそこにいる3人は誰だい?。」
「今日エレメンタル・フォースに入った新しいメンバーよ。」
「ヒカルから話は聞いているこいつがオレが面倒をみるオネアミスとハーフのナギサかメカニック志望だったな。」
「えーっここではたらけっていうのあたしは宇宙軍士官で中佐だぞ!!。」
「リサさんこれは?。」
「チャリチャンミくんはオペレータ志望だから研修を東京で受けることになるけどナギサはメカニックのサブとしてここレーヴィン商会で勤務、マリーは
この近くに診療所があるからそこで主治医をしてもらう。すでにヒカルから許可はとってある。」
「マリー。」
「いいじゃないか研修免除で即戦力として働けるんだぞこんなこと滅多にないじゃないか。」
「だけどいきなりここでって今日ここへ到着したばかりだぜ。」
「獅堂代表から聞いてなかったのかナギサ、エレメンタル・フォースについたらいそがしくなるって。」
「それは聞いてはいるけど、ここはエレメンタル・フォースじゃねえだろ。」
「たしかにエレメンタル・フォースではないけどエレメンタル・フォースの下請けであることにかわりはなくてよ。」
「いやならオネアミスへ帰ってもいいんだぞ。」
「しゃあねええなあよろしくたのみます、シドの旦那。」
「よし。」
ナギサはシドの元で助手としてレーヴィン商会で働くことになり、マリーは近辺にアサギリ診療所を開き内科外科小児科精神科の主治医を担当することになった。
一方チャリチャンミは東京へもどり研修を受けることになった。マリーは毎週水曜日は休診日のためレーヴィン商会に顔をだしていた。
そしてマリーとナギサはエレメンタル・フォースからマンションを与えられ部屋も隣同士となったマリーは1室を錬金術のアトリエにリフォームをしてある研究に
着手していた。そこえナギサがやってきた。
「おまえ、自分の仕事は。」
「今日は休みだぞ、おまえこそ何やってんだよ。」
「ジリオニウムの生成をやっている、これだって限りがあるからな、なくなったらルビーバレットはただのおもちゃの銃になってしまう。」
「せいがでるなあマリー。」
「ルビーバレットもそろそろ何丁か増やしたいな。」
「それを私がやれっていうのかよ。」
「他に誰がいるんだい?。」
「でいくつ製造すればいいんだ?。」
「10丁ばかし欲しいね。」
「10丁かよ、それじゃあマリーのルビーバレット借りるぞ、解析する必要があるからな。」
「もう解析はしたよ、これがそのデータと設計図が入ってるディスクだ。」
「早いなもうそこまでやったのかよ。」
ナギサはディスクをいれてルビーバレットの設計図をみた
「これはすごいよ、いつのまにこんなの書いたんだ。」
「仕事のない日を利用してレーヴィン商会の解析機を借りて書き上げたんだ、メインコンピューターも設計ずみだ。」
「わかった早速これを作ってみるよ。」
ナギサは設計図のディスクを持ってその場を去っていった。
そして次の水曜日マリーはレーヴィン商会にやってきた
「あらいらっしゃい、マリー、シドならいま出かけてるけど。」
「ナギサに用があってきたんですミィレスさん。」
ミィレスは元コモディーンのサブリーダーでいまはシドの妻となっていた。
「よう、ナギサ。」
「マリーかまた診療所を抜け出してきたのかよ。」
「今日は水曜日だぞ休診日だ。」
「いいよな土日と水曜休めるなんてよ、コッチは週1だぜ。」
「とかいいつつ、楽しそうじゃないか。」
「まあ実家が自動車整備工場だったからな、子どものころからこういうのはやってたからこんなとこでそれが役にたつとはおもわなかったよ。」
そこへシドが帰ってきた。
「ま、おかげでこうして外回りができやすくなったわけだ、おうマリーいらっしゃい。」
シドはマリーとナギサに自分の発明を見せるのであった。それにはその発明の模型も多くあった。」
「エリザベート、ジェーン、シルヴィア、キャサリン、ジュンとネネ。偉大な冒険者たちよ・・。」
「機械でしょ・・・。」
「なんだおまえは、工業をバカにするのか?工業が市民を平等にしたんだぞ。集中する資産を広げたんだよ」
「名前の由来は。」
「エリザベートは異界惑星の星の名だ、ジェーンは惑星Rの人食いくじら、シルヴィアはイストリーの滝に住む毒蛇だ。みなかつては手ごわい
敵だった、だがいまはワシの娘だ。」
「なんだ。人の名前かと思った」
「あ、それもある。」
そしてシドは倉庫からあるアイテムを取り出した。
「これは!?。」
「ワシが発明した武器6(シックス)ウエポンだ、その名の通り、6種類の武装が施されている。」
その装備は通常で20ミリバルカン、ファイヤウイップ、対地爆雷、チャージショットでブラスターキャノン、エナジーショット、自動追尾ミサイルが
あるという代物だった、しかしこれは弾丸を全てこめると50〜60kgになるというので誰も装備できないというのであった。
ところがナギサはこれを軽々と持ち上げてしまうのだ。
「これだけの装備だったら結構重いな普通の人間には。」
「おまえそれをもてるのか!?。」
「子どものころから怪力をもっていてね、ジャッキなしでも車を持ち上げることができるからな、まさに私にぴったりだこれもらっていいかいシドの旦那。」
「ああ、ええともしかし、あたらないことには意味がないぞ、そこでコレを用意してある。」
それはうさぎの耳の形状をしたゴーグルつきのヘッドギアだった。シドによるとこのゴーグルを装備することによって6ウエポンの照準と連動して命中率を
UPさせるというものであった、ナギサはゴーグルを装備した。
「すげえ、これなら百発百中だな。」
「おどろいたわいまさかこれを装備できるものがいたなんてしかも女ときたもんだ。」
「私も驚いたナギサが怪力の持ち主だったなんて。」
さすがのマリーもこれには驚かされたようである。
「ところでここへは何の用できたんだマリー?。」
「ついにジリオニウムができたんですよ。」
「ジリオニウム?。」
マリーが入れ物から取り出したそれは赤く暖かい柔らかい石だった。
「これがジリオニウムの原石か?。」
「そうです、これこそ錬金術師が到達する最終目的の一つなのです。」
「すげー、本当にジリオニウムを生成してしまうなんておどろきだ。」
「あとはナギサにこれを撃てる銃を作ってもらうだけだ。」
「もうちょっとまってくれやっとメーンコンピューターのBOXが出来たばかりなんだ、銃はまだ出来てないけど試作品の設計図なら出来てる。」
ナギサは試作品の設計図を見せたそれは銃からコードをかいしエネルギーパックと連動しており形も単純な形に描きなおされていた。
「ルビーバレットと形がちがうな。」
「試作品はそんなものだよ、耐久性も考慮しないといけない、材質はテトラカーボンで作ろうと思う。」
これこそが後にマリスに与えられるジリオンとなろうとはこのときは考えもしなかったのである。

続く
管理人:桜ヶ丘うーくん

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