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第7話、ジリオン誕生(7)

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次の水曜日マリーは中型のタンクローリーを運転してレーヴィン商会へやってきた。
「このタンクローリーどうしたんだ。」
「借りて来たんだよ。こいつにジリオニウムのエネルギーを入れるためにね。」
「肝心のジリオニウムはどこに?。」
「先週見せただろう、私が作った柔らかい石を。」
そしてマリーは柔らかい石を取り出し、タンクローリーの中に入れた。するとタンクローリーから赤い光が現れたのである。
「一体タンクローリーの中身はなんだい。」
「ただの水だ、そこに柔らかい石を入れたことによってジリオニウムへと変化をしたのだ。」
「これでジリオニウムはできたってわけか、あとは銃だけとなったんだな。」
「銃はできたのか?。」
「メーンコンピューターであるブラックボックスを10個コピーしてそのうち4丁は完成した。」
ナギサが見せた銃は試作品が3丁で量産先行の銃が1丁であった。
ナギサはエネルギーパックをタンクローリーから注入した。そしてマジックハンドに試作品の銃を持たせたのである。
「なぜマジックハンドをつかうんだ?。」
「万一暴発したとき手を怪我しないようにするためだよ。でははじめるぞ。」
ナギサはテトラカーボンで作った試作品を試し撃ちしはじめたするとターゲットにあった石に命中し消滅したのである。
そして次々と連射してターゲットを次々と命中させていった。
「すごいな試作品とはいえここまで作ってしまうなんて。」
「試作品は連射間隔はコンマ5秒、エネルギーチャージに30秒、50発まで撃てる、ただコードが邪魔になるのが欠点だがこれはこれで耐久性
は問題ない。」
「試作品と量産型はどうちがうんだナギサ。」
「まず前者は原型となったルビーバレットと形が違うし、エネルギーパックとはコードを介してる、そして後者はルビーバレットのレプリカだがエネル
ギーチャージは10秒短縮して20秒、連射間隔はコンマ2秒だそしてコードレスであるしかし・・・。」
「しかし?。」
ナギサは同じくテトラカーボンで作った量産先行型をマジックハンドに持ち替えさせた。
「大きな問題点がある、それをいまから証明してやる。」
ためし撃ちをして試作品同様に次々とターゲットを命中させたそしてアルスイッチに切り替えて撃ったその時であった。
「ああっ銃が暴発してしまった。」
「そういうことだ通常で撃つには問題ないがエネルギー解放を使ったとたん暴発して壊れてしまうんだ。」
「テトラカーボンがジリオニウムの威力に耐えられないと・・・。」
「そうなんだ、これがもし生身の人間がつかったら両手がなくなってしまっていただろう、かといってジリオニウムを弱くするわけにはいかない
エネルギー解放はルビーバレットにもあったいわば切り札だ、だからこれに耐えられる材質が必要なんだ。」
「試作品はテトラカーボンでいいけど量産型はもっと耐久性が必要となってくるわけか・・・。」
そこへシドが現れた
「なにをやってるかと思ったら発掘古式銃の復元をしていたのか。」
「シドの旦那。」
ナギサはシドにジリオニウムに耐えられる金属はないかたずねた。
「そうだな、現実世界だとオリハルコン、チタンにゾーリンゲン金属といったところか。異世界だとミスリル、アダマンタイトといったところだ。」
「しかし完全に金属にするとブラックボックスとの愛称が悪くなり暴発する可能せいがありますそのために非金属であるカーボンで絶縁する必要が
あるんです。」
「セラミックならどうかな。」
「なおさらだめだよマリー、それも試してみたエネルギー解放も3回目で壊れてしまったよ、何度もつかえなくては意味がない。」
「しかしブラックボックスは無傷だな、何で作ったんだ?。」
「コンピューターにかけてそのままコピーしたんで材質すらわからないんです。」
「うーん、このブラックボックスをワシの発明した機械でコピーしただけでもたいしたものだが・・・。」
マリーはブラックボックスを取った。
「シド博士、顕微鏡はありますか?。」
「あることはあるが。」
マリーは顕微鏡でブラックボックスを分析したが結局材質はマリーを持ってしてもわからなかった。
「こんなときにマリスの民がいたらなあ。」
「それはいいっこなしだよナギサ、私がなんとかしてみる。」
「また例の錬金術か・・・。」
「とりあえず生成してみるよ。」
マリーは家に帰り新しい金属の生成に取り掛かった、材料はチタン、鉄鋼石、などいろいろであった、ナギサもマリーの錬金術を手伝うことになった。
「すごい臭いだな換気扇を持ってしても・・・。」
当然異臭がするということで近所から苦情もあった、しかしマリーとナギサは研究をつづけた、休みの日はいつも研究だった、徹夜するときもあったそして
原点がジリオニウムにあると気づき、ジリオニウムとセラミック、チタンを混ぜ合わせ始めたのである。
そしてその日がやってきた遂にマリーとナギサはジリオニウム合金を生成することに成功したのであった。
ジリオニウム合金をドロドロに溶かし銃の金型に流し込んでいく、まず骨格とテトラカーボンで覆い、その上からジリオニウム合金をかぶせるといった方法
であった。
「やはりマリーの錬金術がこんな形で役にたつとは思わなかったよ。」
「喜ぶのはまだ早い、ジリオニウム合金が出来ても試しうちして成功しなければ意味がない。」
そしてついに量産2号が完成しレーヴィン商会で試しうちが行われた、マジックハンドで撃つ量産2号はターゲットを次々と破壊していった。そしてエネルギー
開放スイッチを押し、大きな光弾が放たれたが量産2号は壊れなかった、そしてエネルギー開放でうつこと100回量産2号とマジックハンドはヒビ一つなかった。
「やったあ、成功だ!!。」
「ついに復元したぞルビーバレットを。」
マリーとナギサは抱き合って喜んだ。
「さあ、これであと6丁作ってしまおう。」
ジリオニウム合金はマリーの錬金術によって次々と作られ、テトラカーボンの試作品3丁、量産型7丁が完成したのであった。
7丁の銃も試し撃ちが行われいずれも成功したがタンクローリーの中のジリオニウムはあっという間に底をついた。
「調子に乗ってジリオニウムを使いすぎたな・・・。」
「そんなことはない、所詮消耗品だこのためにジリオニウムの原石を生成したわけだから。」
「しかしその原石を水に入れるだけでエネルギーが出来るのはすごい発見だな。」
「そうだけど世間は認めてくれないよ、古式銃なんてほかからみればどうでもいいことだからな。」
「こいつの銃の名前どうする、試作品もあることからルビーバレットは名乗れないぞ。」
「銃はエネルギーも材質もすべてジリオニウムだ、そこからとって名前はジリオンとする!!。」
「ジリオンかいい名前じゃないかマリー。」
「オパオパ・・・・・ジリオン・・・・・ジリオン・・・・。」
「今日からこの銃はジリオンと名づける!!。」
「そうと決まったら早速オプションを作らないとな。」
「オプション?。」
「そう、マリーの設計図にこいつを書き加えたんだ。」
それはライフルアダプターとサブマシンガン、そしてサーベルであった
「すごいなこんなのまで設計していたのか。」
「普通の銃のままじゃあ面白くないと思ってねライフルとサブマシンガン、そしてサーベルだ。」
「サーベル?。」
「このあいだみたアニメで”ある宇宙海賊”が使っていたのをヒントにして設計したんだこれは獅堂代表にあげようと思ってね。」
そして翌日ナギサは設計図をもとにライフルアダプターとサブマシンガンアダプターを6丁分製造するのであった。
そしてナギサはジリオンサーベルタイプを獅堂光にプレゼントしたのであった。
ジリオンが完成するのに実に半年も費やしたのであった。
やがてこれがマリスを人類を救うものになろうとはその時は2人とも想像もしていなかったことであろう。

第1部 終
管理人:桜ヶ丘うーくん

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