このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
第1話、山波裕人
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二機の戦闘機が今、日本海の上空を飛んでいる。機種はF15イーグルだ。どうやら偵察飛行をしているらしい。
「現在、新潟の上空を飛行中。本田どうだ何か見えるか!?」
「見渡すかぎり青空だけだぜ山波さんよ。」
このふたりの名前は山波裕人と本田拓斗二人はまだ19歳である。飛行学校卒業後航空自衛隊小松基地第306
飛行隊に配属された天才パイロットであった。
「ここんとこ偵察飛行ばかりだな。早く実戦をやりたいよ。」
「ばかいってんじゃねえよ!!偵察飛行だって実戦訓練のひとつだぜ本田!!それに平和だというのはいいこと
なんだぞ。」
本田は実戦がなくて不満を募らせていた。まるで暇をもてあましているようだ。
「俺たちがこの若さでF15に乗れること事態すごいことなんだぜ。文句をいうなよ。」
「・・・わかったよ。それよりもそろそろ基地へ戻ろうぜ。燃料がもう残りすくない。」
「OK!!帰還しよう。」
二機のF15は小松基地へ帰還していった。時に西暦2000年のことであった。
小松基地は、小松空港と滑走路を共用している。滑走路の両側に誘導路があり、山側を航空自衛隊が、海側を
旅客のターミナルが利用している。旅客の定期便としてボーイング747クラスの離着陸があり、北陸地方最大
規模の空港と言える。計器進入装置であるILSを装備しているため、冬季の降雪期でも欠航は比較的少ない。
山波と本田はともに金沢の出身で、中学時代からの親友でもあった。ともに空を飛ぶことに憧れ、よくラジコン
飛行機を飛ばしたり、ハングライダーなどと楽しんでいることもあった。
「見えたぜ滑走路が、山波オレが先に下りるぞ。」
「ああ、いいぜ。」
やがて二機のF15は無事に小松の滑走路に着陸した。ハンガー(格納庫)についた時、なかでは隊長が待っていた。
「お帰り、山波3等空尉(正規の軍隊の階級で少尉に値する)、本田3等空尉。」
「ハッただいま帰還いたしました。日本海上空に異常はありません。」
「・・・ごくろうだったな。二人とも、あっそうそう二人の機体はオーバーホール(分解整備のこと)するから、
7日は飛べんな。どうだ?ここは久しぶりに休暇をとっては司令には私から話しておくから。」
「はっ!!ありがとうございます。隊長」
二人は宿舎へ戻り、報告書を書いていた。二人は部屋が同じである。
「なあ一週間どうする?どっか旅行でもいくか?」
「本田はどうすんだよ?」
「オレか、そうだな実家に戻っても何もすることねえし、かといってここにいてもなあ・・・東京へ遊びいくかな」
「東京か・・・飛行訓練学校の旅行で一度だけいったけ。」
「山波、あの事件知ってるか?」
「あの事件って6年前の東京タワー閃光事件(※魔法騎士レイアース1より)か!?」
「ああ。あの時東京上空で飛行機が空中爆発したんじゃないかって大騒ぎなったっていうぞ。」
「ニュースでもやってたが、結局は謎のままだったんだよな。」
「・・・でも気になるな・・なんであんなことが起きたか。それより早く報告書タイプしちまおうぜ提出が遅れる
と隊長にどやされるぞ。」
「んだ、んだ。そんでもってシャワーあびて酒飲んで寝ちまおう。」
二人は報告書を書き続けていた。しかし6年前の東京タワー閃光事件が異世界への入口ということを二人はまだ
知る由もなかった。そして二人はやがて異世界で大暴れするのである。
次の日の朝、山波は小松空港の送迎デッキにいた。東京へ行く本田を見送るためである。そこへ一人の青い長い
髪をした一人の女性が近づいてきた。容姿からすると空港職員のようである。
「山波君じゃないのどうしたの?こんなところで。」
「龍咲さん!?」
そうこの女性こそかつて伝説のの魔法騎士とのひとり龍咲海であった。彼女は中学を卒業後父親の転勤によって、
金沢へ引越し山波とは隣近所の関係である。彼女はいま小松空港で地上勤務をしていた。
「本田を見送っていたんですよあいつ東京へ遊びに行くって言ってたんで。」
「自衛隊の方はいいの?」
「今日から一週間休みなんですよ。俺たち・・いずれにしてもF15は整備中だし。」
「・・・そうなんだ。山波君はどうするの?」
「別に何処へも行きませんよ。」
「もったいない・・せっかくの休みなのに・・」
「撮り貯めしてた映画でも見るかな・・じゃあ自分はこれで・・」
「がんばってね。」
山波は空港を去り、基地の宿舎へ戻った。そして自室で撮り貯めしてた映画を見ている。
翌日、山波は朝のジョギングをしていた。正門ゲートへ着くころ真っ赤なフェラーリF40がゲートに止まっていた。
ゲートでなにやら話をしている。そしてそのフェラーリから降りた人物は身長は168はあるだろうか・・・
腰まである真っ赤な長い髪をなびかせて、紺色のスーツをまといサングラスをしていた女性であった。
「・・・すげえF40だ。」
そしてその女性はサングラスをはずし、山波に近づいてきた。目は少し細くキツネに近い感じがあった。
するとキツイ顔つきが穏やな表情になり山波に話しかけてきた。
「山波裕人3等空尉ね?本田拓斗3等空尉は?」
突然自分の名前を言われた山波は驚いていたこの女いったい何者と思ったに違いない。
「本田拓斗3等空尉は一週間の休暇で東京へ行きましたが・・」
「・・・そうなの、私はこういうものよ。」
一枚の名刺が山波に手渡された。その名刺には”エレメンタル・フォース代表、獅堂光”と記されていた。
「どう私のところにこない?」
「はあ!!」
そうこの女性こそあの魔法騎士のリーダー的存在だった獅堂光その人であった。何故彼女はここへきたのか?
そしてこの出会いが山波の運命を大きく変えることになる。
続く
管理人:PN.らくがきねこ
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