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第13話、光とエルザ号(後)

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やがて打ち合わせが終わり、自分たちの船に戻ろうとした光たちであったが、マシューズが光を呼び止めた。
「どうですか?ここには私のなじみの店があるんです。一緒に飲みにいきませんか?」
「・・・・そうですね。せっかくチゼータまで来たわけですからそれもいいですね。」
「じゃあ行きますか。」
「川崎、鈴木お前たちは先に船にもどっていてくれ私も後でもどる。」
「わかりました。これぐれも気をつけて下さい獅堂少佐。」
「では行きますか。」
「そうですね。それでは私の車で行きましょう。道案内していただけますか?マシューズ船長。」
そういうと光は懐からカプセルを取り出し、なにやらスイッチを押してそれを広い場所へおいた。するとカプセルは
光の愛車フェラーリF40に変化したのである。
「ほう四次元カプセルですな。獅堂さんのとこも配備されているとはいやはやおそれいりました。」
F40の助手席にマシューズを乗せ、光はタイヤを空転させながらエルザ号のハッチから飛び出しF40は空港から
チゼータの市街地へと向かった。あたりはもうすっかり夜になっていたのである。
マシューズの道案内でF40はある酒場に到着した。そして光とマシューズは中へ入っていく。カウンターには女性が

「いらっしゃーい!!おやこれはマシューズの旦那やないですか。おや女性と一緒とはめずらしいですな。」
「まあな、カルディナの姉(あね)さん。」
「カルディナ!?」
光はその名前に動揺したそして、カウンターの方へ寄った。
「あなたはもしや、以前セフィーロで踊り子をしていませんでした?。」
「そうやけど・・誰やあんたは?」
「私だ!!ヒカルだよ!!カルディナ!!」
「何やて!!ホンマにあんたヒカルか!?」
「そうだよ!!私は獅堂光だよ!!」
「ヒカルー!!、ホンマ大きゅうなったなあ、以前会うた時はこない小さかったのに。」
ヒカルとカルディナはその場で抱き合うのであった。
「何だ、あんたたちは知りあいだったのか。」
「知り合いなんてもんやないでマシューズの旦那、うちとヒカルは数年前にセフィーロでともに戦こうた仲やで。
もっとも初めて会うた時は敵同士やったけどな。」
「敵同士?」
カルディナはマシューズにザガートやエメロード姫のことをはなした。それによってマシューズは納得したようである。
「今日はあの3人は来てないようだけど・・・」
「トニーとハマー、ケイオスのことか!?」
「そや。」
「あいつらは今回はお留守番だ。今日はこの獅堂さんを誘ったってわけよ。」
「ヒカルここはうちの店やから飲んでいきなこれはウチのおごりや。」
「バーテンダーがすっかり板についてるねカルディナは、でもお酒は・・」
「酒は嫌いか?」
「そうじゃない、今日は私は車を運転して来てるから。」
「ここに泊まってたらええがな、ラファーガはいまオートザムにいってるし・・よかったらマシューズの旦那も泊まっていきな。
それなら文句ないやろ。」
「それなら話は別、いただくよ。」
「マシューズの旦那今日はウチのおごりやからええけど、ちゃんとたまったツケは払っていってね。」
「ああ・・・」
「まさかカルディナがこのチゼータにいるなんてねえ・・・」
「ウチはもともとここの人間やさかい・・いまはラファーガと結婚してこの酒場を営んでるけどね。でもね・・」
「どうした?」
「この数年間でチゼータは世界有数の商業都市に発展したのはええけど、それによってあっちこっちの国から移住してくるもんが
ぎょうさんふえてな、ますます人口問題が深刻になったしもうたんや。」
「それでチゼータ王朝は新たにコロニーを建設するといってんでしょ。」
「そうや、よく知ってるね。」
「私は今その仕事に携わっている。今回このチゼータに来たのも観光ではなく仕事で来てる。今日はその仕事をもらって、コロニー
建設のための資材や人員を運ぶ仕事を引き受けることになってね。その船をマシューズ船長が受け持つことになったわけ。
「私はこう見えても、今はエレメンタル・フォースの代表をしている。」
「ホント、ヒカルはえらくなったもんやなあ・・・はようそのコロニーができるとええな」
「・・・・そうだね。」
マシューズ船長はすっかり酔いつぶれて寝てしまっていた。
そして話は続きマシューズはラファーガの部屋で寝ることになり、光はカルディナの部屋で寝ることになった。
翌朝、光とマシューズはカルディナの店の前にいた。
「また、遊びに来いやヒカル、マシューズの旦那も次来たときはちゃんとツケを払うてな。」
「カルディナも元気で・・・」
そういって光たちはF40にのり酒場を後にした。
車中で・・・
「すいませんね・・・マシューズ船長まで私のためにつきあってもらって・・」
「なあに、誘ったのはオレのほうだからな。お互い様だ・・しかしあのカルディナの姉さんと知り合いってのが一番驚いたよ。」
「あそこにはよく行ってたんですか?」
「ああ・・よくここへは来るんでね、仕事の後あの店に行ってたもんだからすっかりなじみになってしまったよ。」
そしてF40はふたたび空港に戻ってきた。
チゼータの空港にて・・
「あっ、少佐が戻ってきた・・・・どこへ行ってたんですか、心配したんですよ。」
「それは悪かった、ちょっと友人のとこで泊まったもんでね・・。」
「じゃあ、オレたちはいったんガイナンの旦那のとこへ行く・・獅堂さんもいかれますか?」
「・・私はいったん本国へ戻る、おい鈴木お前マシューズ船長と一緒にガイナン氏のとこへいって今後のことを話しに行って
きて欲しい。これは私が書いた親書だこれを見せればガイナン氏はわかってくれる。マシューズ船長、鈴木中尉を頼みます。」
「わかった。じゃあまたな。」
鈴木中尉を乗せたエルザ号はチゼータを飛び立っていった。
「私たちも帰ろう。」
光たちを乗せた船はチゼータをあとにした。

第1部 終わり
管理人:PN.らくがきねこ

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