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第32話、エレメンタル・フォース代表獅堂光(4)

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飛行機は高度1万メートルに達していた。機種は飛鳥航空DC-10である。
「現在高度1万メートル」
「よし、ラウンジに行ってるからなにかあったら呼んでくれ。」
「はっ。」
「土方機長、パリ管制から呼び出しです。」
「なんだろ!?・・・はい土方です。なんだと!!どこにつけやがった!!」
「どうしたんです。キャプテン!?」
「この飛行機に爆弾を仕掛けたやつがいる!!」
「ええ!!」
「犯人は!?」
「パリ警察に既に逮捕された。犯人はディアマンテ帝国のシグマと名乗っていたそうだ。」
「じゃあすぐに、マルセイユに緊急着陸して、乗客を避難させなくては・・」
「まて!!、高度を下げると爆発するぞ!!、気圧高度計と連動になっているらしい!!・・左右の翼の付け根に2個
・・・・この機体を吹き飛ばすには十分すぎる量の爆薬が外部に装着してある!!、高度5000メートルで信管作動スイッチ
が自動的に入り、1万メートルでさらに時限信管も作動するようになっているそうだ!!。このままだと、3時間で我々はあの
世行きだ。!!」
「そっ、そんな・・犯人の要求はなんなのです!!」
「この便に乗っているある人物の命だ・・・それ以外はなにも要求していない!!つまり、これはハイジャックではなくて暗殺
計画なんだ!!、犯人は乗客もろともこいつを吹っ飛ばすつもりなんだ・・・たった一人の獅堂光という女のためにな!!」
場所はラウンジに変わる。そこには光(ゼノサーガカラーのスーツ着用)と土方が氷を入れた酒をのんでいる。
「・・・というわけだ、おまえ何かやばいことでもやったのか・・・」
「・・・・・。」
「答えろ!!コレにはこの便全員の命がかかっているんだ。」
そういって土方はグラスのジュースを飲み干した。そして光の顔つきがキツイ表情に変わった。
「私をほうり出せば犯人は信管を止めてくれるのか!?」
光は普段のオペレーターズサイドのリオのような声色から、ゼノサーガのコスモスのような声色に変わっている。
「いや・・・動きぱなしだ・・・この機体を爆破すればいいんだからな・・・一番手間のかからんテロだ・・・・高度をさげても
ドカン!!このまま飛んでも、3時間後には全員あの世行き・・・お手上げだ・・・おまえまだ、さっきの質問に答えてねえぞ!!
ディアマンテ帝国ってなんだ!!なぜそいつらがおまえを殺そうとしている。」
「私はこの現実世界だけでなく、異世界でも貿易をしている。だが、軍隊のような組織もあって、いまそのディアマンテ帝国という
のと戦争している最中なんだ。つまりやつらは異世界征服に私は目障りな存在なのよ。」
「なんだと!!異世界だと!?」
一方ここはエレメンタル・フォース、オートザム空軍基地。そこには山波と本田がジュースを飲んでいる。
「ナカジマ大佐のおかげで、帝国軍はなりをひそめているからいいものの、いま攻められたらオシャカだぜ、弾薬も部品もほとんど
ないし・・・赤毛のねーちゃんはまだパリから戻ってこないのかよ。」
「今日中には戻ってくるはずだ。」
「ヒカルはそのためにフランス経由で空輸ルートの交渉にいったんだろ!!」
「話がまとまれば、来週にも部品がきて元にもどる、それまでの辛抱だ。」
「いずれにせよ。早く戻ってきてほしいよ。」
そのときである。
「山波少佐!!、本田大尉!!通信室まで来てくれ、獅堂中佐からだ!!民間機周波ではいってきている!!」
「ヒカルから、なんだろう!?」
通信室では、山波が受話器を受けている。
「それで、爆発物の種類は!?」
「機体の重量チェックにかからなかったからたぶんプラスチック爆薬だと思う!!」
「クソッ!!なんてこった!!」
「装置場所は左右の翼の付け根付近!!あと2時間で爆発する!!」
「2時間・・・」
「高度は下げられん!この1万メートルで作戦を展開するしかない!!おまえたちの腕一本に300人以上の人間の命を預ける!!」
「1万メートルだぞ!!ドジれば全員あの世行きだ!!なぜオレたちを選んだヒカル!!。」
「殺し方のうまい奴らなら、生かしかたも心得ているはずだ・・・だてに治安維持部門のNo1、2といわれているわけじゃあるまい!!。
コンタクト・ポイントはRL22C・・・今から30分以内で飛んで来い!!Good Luck!!」
「ヒカル・・・おまえ・・」
「これが私の正体さ、エレメンタル・フォース代表でもあり、治安維持部門の最高司令官だ帝国側にもっとも損害を与えさせている。」
「・・・・・・(ヒカル・・・おまえ・・・かわったな・・」
そして山波と本田のF14が光を乗せた旅客機に到着した。
「タクト、あそこだ!!」
2機のF14がDC-10の腹部に近寄った。
「まずいな・・・あのエンジン・ポッド(※主翼に吊り下げられているエンジンを覆っている部分が邪魔だ。)・・・・ヒカル!!爆弾は確認
したが、両側のエンジンポッドが邪魔になる!!斜め後方からの射撃は無理だ!!」
「前後しかないのかよ!?」
「(前方からでは、あのちいさなターゲットに、照準をつけるのが難しい・・・スピードがありすぎる・・・・・・・後方から何とか射撃できないだろうか
・・・・・しかし胴体の下を目標にぎりぎりあまで接近させるには・・・・垂直尾翼が邪魔になるしかも、トムキャットは尾翼が2つだけにタチが悪い。)」
「光、おまえの部下がいくらいい腕だとしても、この機体の腹についてる爆弾を射撃してそぎ落とすなんて無理だ!!」
「だが、このまま死ぬよりはいいぜ。」
「ぐずぐずしていてもラチがあかんぞ!!一回やってみるか!!」
「タクト!!(F14は本来機種の左横しかバルカンがない、だが俺達のF14は特別製だ、機銃での戦闘を重視するために右横はもちろんのこと
機首の先端にも、クフィールで使われる、デファ30ミリ機関砲を追加装備している。これなら単発で発射できるが、問題は高い尾翼だ・・どうしたものか・
・・・・。)そうか・・(背面でやればいいんだ。)タクトは右をやれ、俺は左をやる。(さいわいF14はF15と違って可変翼だ。デルタ型に翼を設定すれば、
安定するはず、背面で失速することはまずない!!)やるぞ!!。射撃管制コンピューターイン・プット!!レンジ・オン!!行くぞ!!」
2機のF14は機体の腹についていた、燃料タンクをすて、背面飛行の体制をとった。そしてDC-10へ向かっている。
「来るぞ!!トシッ、操縦桿をがっちり固定しろ!!」
光と土方は二人がかりで、DC-10の操縦桿を固定している。客室では・・・、ビリビリと音をたてていた。
「な、なんだこの音は!?」
「スチュワーデス、いったいどうしたんだ!?」
「・・・・・・。」
エリーはただ黙って座っているだけだった。
そして、見事に弾が爆弾にかすり、その反動で2つの爆弾は見事に落下し下の方で爆発したのを確認した。
「やったぞ!!2個とも叩き落したぞ!!」
「くう・・・死ぬかとおもったぜ!!」
「二人ともよくやってくれた!!礼をいう!!」
光はそばにおいてあった自分の上着を着た。
「さて・・・・これで、もう安心ね。」
「あ・・・ああ・・・光・・・この恩は一生忘れん!!」
「気にするな!!私自身が招いたことだ!!」
「なにか力になれるようなことがあればいってくれ!!」
光は後ろを振り向いた。
「人殺しができるか!?」
光の体の周りからなにやらフォースが漂うような感じがしている。
「・・・・・・・!!。」


「なら・・・私の力になるのは無理だ・・・私が今必要とするのは人殺しのできる隊士だ!!じゃあね!!。」
光はそういって操縦席を去っていった。
エリーは窓からF14を見ている。そこに光が戻ってきた。
「な・・・なんでしたのいまのは・・・それのあの軍用機は・・・」
「私の部下のユートとタクトです!!。」
「え・・!?」
エリーはバッグからオペラグラスを取り出して再び外を見たが2機のF14はすでにその場を去っていった。まだこの時点ではエリーは仲間にはならない・・・
場所は再び東京オフィス。
「・・・と、このような出来事もありましたが、私は無事に日本へ戻ってくることができました。どうか義姉さまも
体調には十分に気をつけてくだしさい。2001年6月15日、エレメンタル・フォース代表兼流通部門統括、獅堂光。」
手紙を書き終えた光は便箋を三つ折にし、封筒にそれを入れた。そして光は、自室にあるピアノへ向かい曲の演奏
をはじめた。曲名はジョン・レノンのイマジンである。
そして光のピアノ演奏が終了した。
「・・・・不思議よね、子供のころは音楽は苦手だったのに、なぜかピアノだけは弾けるのよね・・それもほとんどジョン・レノンか
ビートルズの曲だけどね・・・。」
光はピアノから離れ窓から東京の景色を眺めている。
「・・・・あれからもう半年・・・・海ちゃん・・・風ちゃん・・・。」
光は自室を離れ、自分が書いた手紙をもって外の近くの郵便ポストへそれを投函した。
こうして前説が長くなったが、現在に至る。
手紙を読み終えた勇美は。光からの手紙を懐にしまった。
「あの子も苦労しているのね・・・。」
勇美はそういってその場から去っていった。

続く
管理人:PN.らくがきねこ

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