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第43話、クレフ編(4)風水師、桜木長介

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「西郷吉之助に庇護(※かくまってもらうの意味)してもらったあと、薩摩そして、長崎へとわたり、そこで亀山社中(後の海援隊)
を、設立した自分はそこの医者として、シドーは語学の先生だな、その生徒でも近藤長次郎(土佐の元饅頭屋さん)がよく学んで
いたな。」
「私の先祖が海援隊に・・・しかもクレフが医者・・・」
「この世界で自分にできることはそれぐらいのことだった。・・・やがて、薩長同盟を結ばせるために流通業にも専念するようになり
京都へ私とシドーがいった時のことだった。」
京の街をクレフとシドーが歩いている。そこへ新選組が現れたのだ。
「そこの二人、ちょっとまった!!。」
「何か?」
「お前達はご公儀にはむかう坂本龍馬の一味、呉府門左衛門と獅堂武だな!?」
「(まずいですよ。導師クレフどうします?彼は新選組でももっとも血の気の多い原田組長ですよ・・。)」
「(この場は逃げたらかえって。怪しまれる偽名を使うしかあるまい・・・)」
「あっこの男ヒュースケンと一緒にいた奴らに似てるぞ。」
「(しまった!!あの男は確か永倉新八、顔を覚えられている!?)」
「間違いないこのものらは異人だ!!。」
「異人だと!!それは聞き捨てならないな!!。」
「逃げるぞ!!シドー!!」
クレフとシドーはその場を走り出した。もちろん新選組の原田と永倉は追ってくる。そして橋の上に来たときはたくさんの隊士に
囲まれてしまったのだ。」
「もう逃げられないぞ観念しろ2人とも・・・。」
橋の下にも隊士が取り囲んでいる。シドーはふところから銃を取り出そうとしたそのときであった。
「なっなんだ、か風が隊士達を・・・!?」
「戒めの風!!。」
「妖術使いか!?」
永倉もそれを見て驚いている。
「ぐわーーー!!」
「速くここはオレが抑える、お前達は速く逃げろ!!炎の矢ー!!。」
「どなたか知らぬがかたじけない!!。」
「炎の矢!?私が使う魔法じゃない!!。」
「あの魔法うこそお前達にさずけた魔法の原点なのだ。その男の名前は風水師、桜木長介、後の龍崎家初代当主龍崎航(わたる)のことだ。」
「龍崎航!!龍崎さんの祖先・・。」
「その男はやがて長崎に現れた。」
亀山社中・・・そこでは隊士の募集と面接を行っている。陸奥陽之助(※後の陸奥宗光)と長岡謙吉の姿もあった。坂本龍馬はここにはいない。
「次の方。」
「桜木長介といいます。土佐の出です。家は神社の神主をしてました。」
長岡謙吉が尋ねる。
「亀山社中は身分を問いませんほかに何か人より秀でたものはありますか?。」
「風水術、すなわち風や水そして火の力を利用した攻撃を得意としています。またその能力で怪我の治療もできます。」
「ほう風水術。」
陸奥と長岡が話し合っている。そこへクレフがやってきた。
「あっ、そのほうは!!。」
「知り合いか呉府くん?。」
「彼に新選組に襲われたところを助けてもらった・・。」
「京都で妖術使いに助けられてと聞いていたが桜木さんだったとは。」
「用心棒に採用だ!!。」
「ありがとうございます。」
「それで私はその桜木とともに行動をともにするようになった。そして彼は坂本龍馬から”航”名前を与えられたのだ。」
「龍崎の姓はどうなったんです?。」
「そこまでは私も知らない・・。だがこの桜木の風水術、これは使えると思ったのだ、そこで私は桜木に頼んでみた。」
「桜木くんその君の風水術をぜひ私に教えてもらえないだろうか?」
「これは先祖代々に伝わる秘術ですそう簡単に教えられるものではありません。」
「どうしても教えてもらいたいのだ私の国のために、」
「私の国?、あなたはもしや・・・」
「いかにも、私は異人だ、ヒュースケンの側近をしていた。君は信じてもらえないだろうが、私はセフィーロというはるか遠い国からきたのだ。」
「セフィーロ?聞いたことありませんね。」
「聞かなくて当然だ、地図にもないところだからな、私には魔法の力を必要としている。セフィーロのためその秘術を教えて欲しい。」
クレフは桜木に深々と頭を下げたのである。
「頭を上げてください呉府先生。そこまでおっしゃるのなら、教えましょう。本当はいけないのですが・・・。」
「すまない桜木くん。」
「桜木航の風水術が私達が使っていたセフィーロの魔法・・・。」
光はふと修行時代を思い出していた。
いまから5年前・・・龍崎と光が修行している。(光の声のイメージはこの時点では椎名へきる)
「この風水術、セフィーロでつかっていた魔法と同じですね。」
「偶然だろ・・・それにこの風水術はオレの祖先、桜木航が使っていたんだ。」
「桜木?龍崎じゃないんですか?」
「龍崎をなのるようになったのは、明治になってからだな、五稜郭の戦い(※箱館戦争のこと)で手柄をたてたとかで、明治政府から褒美として
龍崎の姓をもらったそうだ。そのときにはお前の先祖もいたな、そういえば、光は北海道の生まれだったな。」
「でも私が生まれて3年後に東京に道場ごと移したそうです。」
「・・カル・・・光!!」
山波が光に話しかけてきた。それによって光は、我にかえる。
「なにボーっとしてるんだ、大丈夫か?」
「昔のことを思い出してね・・・。」
「・・・そうヒカルやウミ、フウに私が授けた魔法こそ桜木の風水術なのだよ。」
「でもわからない、セフィーロでクレフからもらった魔法は現実世界では使えないのに、私や龍崎さんは使える、何故だ!?。」
「おそらく、桜木の使っていたのもがそれだけ効果があるのだろう・・私は彼からさずかった書物で覚えたものだから、そこで差が生じたのかも
しれない・・特にその龍崎とやらと光はその本場の風水術を学んだだからかもしれないな。つまり桜木の風水術がセフィーロ魔法の専売特許と
いうことになる・・。」
「海ちゃんと、風ちゃんはつかえなかった・・・。」
「ヒカルお前は風水術をまなんだからこそ、今ではウミとフウの魔法もつかえるのではないのかな。」
「・・・たしかにそうだ。」
「・・・話を続けよう。そしてシドーとの別れの時が来たのだ。」
慶応4年(西暦1868年)のことであった。

続く
管理人:PN.らくがきねこ

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