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第44話、クレフ編(5)セフィーロ

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慶応4年(1868年)・・・京都
「何だと、ここに残るだとシドー!?」
「セフィーロには戻りません、導師クレフ。」
「何故だ何故ここに残るのだ!!。」
「長年この地にとどまってこの世界が気に入ってしまったようです。それに新政府は私の協力を必要としていますし・・。
坂本さんが近江屋で佐々木只三郎(※注、作者はこの説がもっとも有力と判断している。)らによって暗殺 されてか
ら、海援隊は烏合の衆になりつつあります。結局は長岡さんが引き継いだのですが、解散は時間の問題でしょう。」
「しかし、おまえがここに残れば、この世界の人間と同じように年を取って寿命が来て死んでしまうのだぞ。」
「それでもかまいません。自分はこの世界に残って何かの役に立ちたいのです。ちょうど桜木と私は蝦夷地(※北海道)
へ行って榎本武揚率いる旧幕府軍の討伐を官軍から依頼されてますので、近々蝦夷地へ行きます。」
「その後はどうするのだ。」
「・・・そうですね、自分の剣の道場や寺子屋でもを開いて、蝦夷の子供達に教える、そんな余生を送ります。」
「そうか・・・そこまで言うなら私は何もいわない・・・だがいつかセフィーロへ戻りたくなったときは、ディーノ様(※当時の柱)
からもらったアイテムを使え、それでセフィーロへ戻ることができる。」
「・・・わかりました。導師クレフ・・。」
「それから私はシドーこと獅堂武とは二度と会うことはなかった。ヒカル教えてほしい。その後シドーどうなったのだ?。」
「私が覚えていることでは、函館で元新選組副長、土方歳三らと戦ったって聞いている。そして龍崎さんの先祖も官軍について
戦ったって・・・。函館戦争が終わって、私の先祖はそこに獅堂流という道場と寺子屋を開いて子供達に教えてすごしたと聞いている。
どうやら、政治の表舞台に出ることはなかったみたい。」
「桜木はどうなったかわかるか?ヒカル。」
「龍崎さんから聞いた話によると、桜木航は函館戦争の功績を明治政府に認められて、その褒美として”龍崎”の姓をもらい、
西郷隆盛や山県有朋のもとで働き、日清戦争でも指揮官として動いていた。そしてそのひ孫が、龍崎さんの祖父になるひとで、
名前は龍崎薫、戦争を嫌い海外へ逃げて、そこでイタリアのレジスタンスと行動したそうだ。、終戦後、旧ソ連軍に捕らえられて、
シベリアの収容所で重労働をさせれれた。そこには私のおじいちゃんも同じ収容所にいた。それから、釈放されて、私のおじい
ちゃんは函館へもどり、龍崎さんのおじいさんは香港へわたったて聞いている。」
「獅堂さんのおじいさんがシベリアにいたのですか?でもなぜ。」
「あら、総長になってから私にタメ口いうようになった山波君が”さん”づけしかも敬語つかうなんでどういう風の吹き回しかしら?」
「こんな話きいていたら、タメ口なんてできないっすよ獅堂さん。」
「まあいいわ。教えてあげる。私の祖父は上海にいってたのよでも太平洋戦争がはじまり、日本には帰るに帰えれなくなりそのまま
その地にとどまったのよでも終戦になって、日本へ帰ろうとしたときに当時の中国軍につかまりそのままシベリアへでも龍崎さんの
祖父と同様に軍人ではなかったので待遇はよかったみたい。」
「そうですか?シベリアは待遇なんてひどいですよ。寒いし、食べ物もほとんどない、あそこは民間人、軍人は関係ないです。
待遇がよかったのは共産主義者に対してのことであって、それ以外は過酷な重労働でたくさんの死者がでたと聞いてます。」
「じゃあ、私のおじいちゃんも。」
「間違いないでしょう。」
「そうだったのか、シドーもリュウザキとかいうひとも修羅場をくぐっていたんだな。その強さがヒカルにも引き継がれているようだな。」
「セフィーロではどうなったのです。」
「セフィーロに戻った私が得たものは結局、桜木から受け継がれた風水術だった。そしてシドーがいなくなったことを私はセフィーロ王に
とがめられ、牢へ入れられた。しかしそれを助けてくれたのが、私の弟子の一人、当時の創師エンツォだった。」
「エンツォ!?、ディアマンテ帝国の皇帝の名前と同じだ。」
「そうその男こそ、ディアマンテ帝国の創立者、エンツォ・エ・ディノ・ディアマンテ。」
「クレフの弟子が、私達が戦っている帝国軍の皇帝だと言うの!!。」
「でもなぜそんなことに?」
「いいだろう教えてやろう。そしてここからが重要だ、特にヒカルこれはお前にも関係があるのだ。」
「私にも!!。」
「牢から助け出したのは創師エンツォその男はこういった。」
セフィーロ城の地下牢
「シドーのことは残念だったが、今のあなたにはセフィーロにはなくてはならない人。私の口ぞえでセフィーロ王から釈放をさせていただきました。」
「すまない、エンツォ。」
「でもその東洋の魔法はきっとこのセフィーロに役にたつと私は見ています。早速法術師たちにも伝授させましょう。」
「そのころのエンツォはセフィーロに大変よくつくしていた。創師ではあるが、武器や防具だけでなく、土地や生き物にも命を吹き込む能力を携わって
いたのだ。そして死者もよみがえらせることもできる。」
「それで、セビルは蘇ったのか・・・。ならそいつに海ちゃんや風ちゃんそしてイーグルも・・・。」
「それは無理だろう・・・セビルの場合はおまえに殺されたから蘇ったのだ。ウミやフウ、そしてイーグルのように生に満足したものや自然死の場合は
生き返らせることはできない、また一度生き返ったものが、また死んだ場合はもう二度と蘇ることはない。だからセビルはもう蘇らないだろう・・・。」
「そんな・・・。」
「おそらく、ウミとフウはヒカルの命をまもったことによって自分の生に満足したのだろう・・・。」
光は山波の腕のなかで泣き出してしまったのだ。山波は光の頭を優しくなでている。
「私はエンツォがセフィーロ王からセフィーロの実権を握ったことには、悪いようにはおもわなかった。なぜならセフィーロにとってよいことはドンドン
おこなっていたからだ。私とエンツォは桜木の風水術をもとに独自に魔法をあみだしたり、村や町も作ったりもした。そしてエンツォは魔神も・・・。」
「魔神だと!!。」
「泣いたカラスが何とやらだなヒカル・・そう魔神を生み出したのはエンツォだ。その後はザガートやエメロード姫が自分の力で魔神をあみだすようになったがな。
そして、レイアースとウインダムそしてセレスはエンツォがセフィーロの守り神として作り出したものだったらしい。」
「なんてことだ、私はその男が作った魔神でザガートやエメロード姫、そしてデボネアまでもこの手で・・・。」
「いままで言い出せなくて本当にすまなかった。ヒカル・・・・それからさらに月日が流れた。西暦でいうと1986年だな。ひとりの男がセフィーロにやってきたのだ。」
「一人の男!?。」
「かなり年は取っていたがどことなくシドーに面影をのこしていた。」
「1986年・・・。」
「どうしたんですか獅堂さん。」
「私の父様が剣術修行にでた年と同じだ。」
「そうその男の名前は獅堂誠、つまり、お前の父親だ。」
「私のお父様がセフィーロに!?。」
はなしは1986年にさかのぼる。東京獅堂流道場
光は6才だった。3人の兄達も道場で稽古に明け暮れている。


今回は特別編です。そのためここでいったん切ります。それでは続きをどうぞ。


そのなかで特に目だったのが赤い髪をしたお下げの少女であった。大人を相手に次々と打ち負かしているのである。稽古を終え光は面を取った。そして誠がいる。
「強くなったな光、とても6才とは思えないよ。」
「だって私生まれつきこんな赤い髪しているからみんなにいじめられていたから、強くなりたくて剣道はじめたんだよ。そのおかげでみんな私をいじめる人はいなく
なったけどね。」
「そうか、どうだ、父さんと勝負してみるか?」
「いいよ。」
すべてはここが始まりだった。光はその誠と勝負をして勝ってしまったのだ。
そして3日後。
「出て行くなんてやめてくださいよ父上!!。」
「覚、出て行くのではない。剣術修行に行くだけだ。私は6才の光に負けた。コレがどういうことかわかるか?。」
「偶然でしょ。それにわざと負けたのでは。」
「わざとではない・・・だから私はまだ未熟だとわかったのだ。」
「いかないでー!!。」
光は大声で泣きでしている。
「覚、これからは私が戻るまで、お前がこの道場を守るのだ。」
そして誠は去っていった。
時はもどり2001年佐渡、
「そして二度と戻ってくることはなかった。」
光はそうつぶやく・・・。
「それから道場は覚兄さまが後を継いだ。わたしのママは流通関係の仕事をしていたので、いつもウチにはいなかったけどね。それにママは父様がいなくなったんで、
苗字も榎本に戻し、北海道の実家へ帰ってしまった。でも離婚したわけじゃないから安心して、不在だったらどこにいてもかわらないじゃない。」
「・・・・・。」
「話を続けるか・・・。お前の父マコトは突然セフィーロに現れたのだ。」
場所はセフィーロ王宮
「お前は?。」
「わたしは獅堂武の子孫の誠といいます。」
「シドーだと、それじゃあおまえはシドーの・・・。」
「はいここへは先祖代々伝わるこの道具でここへ来ました。」
「それは、ディーノ様がシドーに授けたアイテム・・・。そうか戻ってきたか・・・。」
「私はもっと強くなりたい。わたしは6才の自分の娘に負けてしまった・・・。そのために全国をまわったが自分の腕を磨く場所はなかった。そしたらコレを見つけ出し・・・」
「・・・・そうだったのか・・。」
「それから獅堂誠は私に仕え新たな剣師となった。その弟子には、ランティスやラファーガの姿もあった。」
「ランティスにラファーガ・・。」
「創師エンツォともウマがあいあのころのセフィーロはホントにうまくいっていた。あの事件がくるまで・・・・。」
「あの事件?。」
「それはセフィーロ王の崩御だった。そしてその王子ディーノ様までもが病に臥してしまい、セフィーロに崩壊の危機が訪れたのだ。だがディーノ様はセフィーロのため
その病をおして、祈り続けたが・・・。」
「死んだの!?。」
「そうだ。でもディーノ様の意思のおかげで何とか崩壊の危機は免れた、そのため早急に新しい柱を決めなければならなかった。ところが・・・それを機に
エンツォは変わってしまった。」
「なぜ柱を決めるのだ導師クレフ!!。」
「そうでないとセフィーロは崩壊してしまうからだよ。エンツォ」
「崩壊だと!!何ゆえに!?、セフィーロは意思が支配する世界だと言うことはわかっている。だがディーノ様は死んだ!!病を押していのっていた。自分のため
ではない、他人のためにだ!!。柱はいつも自分のために行動することができないただ無心に祈るだけだ。それにセフィーロの民は何をした!!。私とて、
セフィーロのためによかれとおもい、生き物に命を与え、土地や町も与えた。民は喜んだ。それはいい。だが民は柱に頼りすぎている。コレでは口をあけて
えさをもってくる親鳥をまつ雛鳥と同じだ!!。たとえ、次の柱が決まったとしても必ず同じことが起こる!!コレを改善しない限りセフィーロに未来はない!!。」
「オレが以前、光に言ったことと同じだ・・・。」
「どこへ行くつもりだ!!エンツォ!!。」
「私はこのセフィーロを出て行く!!そして自分だけの国を作る!!シドーいやマコトお前はどうする・・・・。」
「・・・・わしは・・・。」
「結局、マコトは残ったが、大半のものがエンツォについて、セフィーロをさっていってしまった。その後の柱はヒカルが知っているとおりだ。」
「エメロード姫・・・。」
「そのあとエメロード姫を支えるため、アルシオーネやザガートそしてプレセアを新たに迎えいれた。」
「アルシオーネにザガート、・・・・プレセアさん・・・・」
「最初はマコトもザガートらにはウマが合わなかったが、だんだん打ち解けるようになったのだ。」

続く
管理人:PN.らくがきねこ

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