このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

第52話、クーカイファウンデーションへ(4)

戻る時はブラウザで”戻る”を指定してください。

「本田機、シグナルロスト!!。」
「ウソだろあのタクトがやられるなんて!!。」
ミルチア宙域山波のF14はバトルシップへ攻撃を開始した。既にジェオのエイグスが応戦中であった。
「・・・シートがあわねえよ。」
ジェオのエイグスはビームライフルで攻撃しているがまったく歯が立たない。ビームは容赦なく襲ってくるが何とか交わしているようだ。
「・・・・よくもタクトを!!コレでも食らえ!!。」
山波のF14はビーム砲を発射するがバトルシップには効果がない。
「エルザ号射程圏内に入りました!!。」
「・・・・もはやこれまでか・・・。」
光も観念したそのときであった。どこからか巨大なレーザーがバトルシップを破壊したのだ。
「まにあった。クーカイファウンデーションの巨大戦艦デュランダル号だ。」
「あれが議長もといデュランダル・・・ウチのNSXよりでかい。」
「・・・・助かった・・・。」
「おーいユート速く回収してくれ〜。」
「タクトか!?無事だったのか!!。」
よくみるとかろうじてF14の機首だけが残っていたのだ。
「本田拓斗少佐の生存確認しました。」
光が受話器をとる。
「ジェオ、エイグスで本田君の回収よろしくね。」
「了解。」
そしてデュランダルから通信が入ってきた。
「獅堂さんご無事でなによりです。ガイナンです。豊田伍長から緊急の通信がありましたので急いできました。」
「ご無沙汰してますガイナンさんチゼータの入札依頼ですね。」
「そうですね。ではこのまま後方のハッチから着艦してください。」
光はマシューズにキャプテンシートをゆずった。
「おし山波のF14そしてジェオとタクトは先にデュランダルに着艦したようだオレタチも入るぞ、さあいけトニー」
「アイサー!!」
エルザ号も無事に着艦したようである。
そして場所はドックエリアに移動した。そしてガイナンと側近のシェリーとメリーが迎えに来ていた。
「ガイナンさん、本当にありがとうございました。」
光はガイナンと握手を交わした。そして先に着艦していたジェオと山波そして、タクトもやってきた。
「あれはあなたの部下ですね。」
「はい、総長の山波裕人中佐と本田拓斗少佐です、二人は元航空自衛隊のパイロットでした。あちらはジェオ・メトロ
少佐、オートザム正規軍から派遣された、パイロットです。」
「なるほど、3人とも勇敢ですね。それに獅堂さんの的確な判断のおかげで我々もこうして救助に駆けつけることができました。」
「それにしても凄い船ですね。エルザ号がすっぽり収まってしまうなんて。」
「ユート!!みろよ。カプセル型とはいえ、ここ地下鉄まで走ってるぜ。」
「本当だ。やはり異世界はすごい。」
「あんたらそないなことでおどろいてたらあかんで、いまから艦内を案内したるさかい。」
メリーがそう答えた。そしてジェオとザズをはじめとする山波たちはカプセル型の地下鉄に乗り、デュランダルのブリッジへ移動した。
ブリッジのクルーにはなにやらみな同じ顔同じ姿をした人たちばかりだった。
「クローンかそれともアンドロイド!?。」
「あれはレアリエン(※合成人間、人造人間みたいなもの)といいます。ここのクルーの7割はみなレアリエンで構成されています。」
シェリーが答える。
「シェリーさんとメリーさんて結構、背が高いんですね。」
「あら獅堂さんも私達と同じぐらいあるじゃないですか。」
「でも7年前はコレぐらいしかなかったんです。」
光は右手を145センチぐらいの高さに固定してそれを表現した。
「ヒカルちゃんってなんか、チビ様のお姉さんみたいやな。」
「チビ様?。」
「名前はガイナンJrで私と同じ代表理事をしています。」
「そういえば、以前鈴木からもう一人代表理事がいると伺っていましたので、おみやげもってきたんです。なんでも古式銃を集めるのが
趣味と聞いていましたので。」
「チビ様っていうんだから、背は低いんやろな。あっ!!いけねメリーちんの言葉がうつってもうた。」
「タクトらしいよ。ハハハハハハ。」
みんな笑い出していた。
「それではデュランダル号はクーカイファウンデーションへ向けて発進します。」
シェリーはエレメンタル・フォースのメンバーを居住エリアへ案内した。そして山波と光は隣同士になった。
「獅堂さんはここを使ってください。」
「すごい、広い部屋ね。気に入ったわ。」
「着きましたら、呼びますんでそれまでゆっくりしていてください。」
「ありがとうシェリーさん。」
シェリーが部屋を去ったあと。光はベットに飛び込んで仰向けになった。
「広い部屋か・・・セフィーロ城内の個室にいたころを思い出すな。」
光は両腕を頭の後ろに組んで過去を思い出していた。
「・・・海ちゃん、風ちゃん・・私ついに宇宙(そら)へ来たよ。今はクーカイ・ファウンデーションの船だけど、エレメンタル・フォース独自で
宇宙へいけるようにしたい・・・。」
ポケットから3人とモコナが映っている写真を見ている。
「海ちゃんと風ちゃんにも見せたかった。」
そのときドアのインターホンが鳴った。
「光、オレだ入ってもいいか。」
「山波くんねいいよ。」
山波はさっきまでフライトスーツだったが光のスーツと同じ色(※黒い上下の背広に赤いYシャツ、白いネクタイ)に着替えていた。
ドアの前にいた光は両目に涙の跡が残っていた。
「泣いていたのか?。」
「・・・・ちょっとね・・。山波君背広姿結構似合ってるよ。」
「総長だからな・・・。」
山波と光はテーブル席に移動してお茶を飲んでいる。そして光は山波の顔を見つめていた。その顔は穏やかなときよりももっと子供のように
あどけない表情になっている。
「その顔みると、結構かわいいんだな。光は。」
光は顔を赤くして両手で頬を押さえ笑顔で答えた。
「私だってまだ21なのよ。キツイ顔もするけど、まだかわいい表情だってできるんだから、そういえば山波君って良くみたらあの人に似てる・・・。」
「あの人って?。」
「ランティス・・・ザガートの弟でセフィーロの魔法剣士だった。いまは旅にでていったとクレフから聞いてたけど。山波君は似てるのよ。そ
のランティスに。」
「・・・オレが、ランティスに・・・どの辺が似てると言うんだ?。」
「山波君がここへ来て髪をのばしたからかな。一時は茶髪だったけど、いつのまにか黒に戻したのね。それに私が山波君に気を許すのも
そのせいかも・・。身長は違うけど雰囲気といい、それに面影がって感じね。」
「・・・・オレは、ランティスにはあったことないからよくわからないが、オレとしては、光の力になりたい。今は総長としてではなく、個人として・・。」
「ありがとう、山波君。」
山波と光はその場で抱き合った(^^;)。


ここでひといき、今回は特別編です。そのためここでいったん切ります。それでは続きをどうぞ。


「でも、クーカイ・ファウンデーションへついてしばらくしたら忙しくなるよ。治安維持部門の再編成とそして新しい隊士も取らないとね。それから
これからみんなにはいうけど、治安維持部門はオートザム政府のバックアップを受けるようになったので今までのようには行かなくなるわね。」
「どういうことだ?。」
「正規軍と同じ扱いになるのよ。今までは私と龍崎さんの特別権限で脱走、命令拒否や上官反抗等は銃殺刑にはせず、自修室(※独房みた
いなもの)入りや5000Gの罰金ですませていたけど。これからは全て銃殺の対象になってくるのよ。もちろん私たちとて例外ではない。」
「・・・・オレは自衛隊にいたからいいが、他の隊士がなんていうか・・・・。」
「ジェオとザズはおそらくナカジマ大佐や大統領に密命を受けて私達を監視している事は間違いないでしょうね・・・。」
「でもそれは、隊士の育成で派遣されたんだろ。」
「表向きはね・・・。」
光の顔はまたキツイ表情に変わった。
「いい、山波君あの3人、ジェオとザズそして特にエリーには気を許さないことね。」
「ジェオとザズはわかるが、何故エリーが・・・。」
「エリーは大統領の娘であることを忘れてないでしょうね。」
「あ・・・・。でも何故俺達が監視されなきゃならないんだ。」
「エレメンタル・フォースは民間レベルとはいえ異世界ではかなり有名になっている。それにいままで独断で行動してきてたから、実際正規軍にとっては
あまりいいようにはみてないのよ。それにこっちはほとんどの隊士がエトランジェ(※外人部隊)で編成されている。」
「なるほど、傭兵だから、寝返ることも考えられる、正規軍はそれを恐れている。しかもこっちは倒した敵のレベルに合わせた報酬を追加してるから、
命をかけて戦っている連中にとって、は俺達は戦争を金儲けにしか考えていないと・・・。」
「そのとおり、でも報酬システムは隊士の士気を高めるために導入したんだけどね、だからオートザム正規軍と共同戦線する以上、こっちもあいて
にあわせる必要があるのよ。それにそうしておけば、いくらジェオやザズも報告書を書くのに苦労するでしょ(^^;)。それにクーカイファウンデーションに
鈴木を派遣させたのは、そこで技術を取得し、さらに力をつけるため、そうすればオーオザムをもしのげるのよ。」
「光・・・おまえ思った以上に恐ろしい女だな(笑)そういったこともすでに考えていたとは。さすが先読みの光だな。」
「私はね、この目でいろいろな世の中を見てきているのよ、書物等で得た知識だけのあんたとは違う。それに目に見える全てのものが真実とは限らない。」
「・・・・違いない、でも現場を見てきた光とオレがコンビを組めば俺達は無敵だ。」
「そういうことそれにこっちにはユーノスとサバンナがいる。彼らに頼んで正規軍から腕の立つ隊士を引き抜くことも考えてもいい。」
「信用できるのか光、オレはサバンナはともかくユーノスは信用できない。ユーノスは頭がいいだから帰って危険だ。正規軍に寝返ることだって。」
「それはまずない。サバンナ・ライコネンはオートザム空軍で上官に暴力事件を起こして銃殺にされる所を龍崎さんが引き抜いてくれた。クールに見えるけど
サバンナは正規軍を嫌っている。だから私はサバンナにジェオとザズそしてエリーを監視させるために今回ここへ連れてきたのよ。」
「監視の監視か(笑)なかなかだな。だがユーノスはどうする、あいつは元オートザム陸軍の指揮官だった男だぞ。」
「あいつは口先だけ、指揮官だったことは本当だけど、彼は正規軍をお払い箱になってここへ来たのよ本当は。」
「じゃあ何で採用したんだ!?。」
「口先だけは一人前なのよ。でも隊士の引き抜きや巧みな話術そしてパイロットの腕としては一流だからね。一度クビにしたユーノスを正規軍が受け入れる
わけないじゃない。」
「でも、その話術で帝国に寝返ったらどうする?。」
「あいつにそんな度胸があるわけないじゃない。」
「・・・・さすがだな。味方にすれば頼もしいが、敵に回すと恐ろしいなおまえは。」
「いいそれが世の中なのよ山波くん。」
そして内線電話が鳴った。
「はい。」
「シェリーです。もう直ぐクーカイファウンデーションに到着します。ブリッジへ来てください。」
「わかりました、今からそちらへ伺います。」
山波と光はカプセル型の地下鉄に乗ってブリッジへ向かった。
デュランダルブリッジ、メンバーは全員集まっていた。
「おせーぞ、ユート、光。」
「獅堂さん、鈴木さんから通信が入っています。」
光は受話器をとった。
「久しぶりです、獅堂中佐。デュランダルはお気に召しましたか?。」
「久しぶりね。鈴木、もう直ぐそちらへ到着する。」
「腕の立つ隊士が来たそうですね、楽しみですよ。それでは”釜”のそこから入港してください。」
そして大きな玉ねぎみたいな物体が目の前に現れた。それはゆっくりと皮がむける様に上から開いていく。すると中には海や山そして都市が広がっていた。
タクトがみて驚いている。
「すげー!!中に街がある。。」
デュランダル号はコロニーのそこからゆっくり入港していった。そしていよいよ舞台はゼノサーガの世界へ・・・・。その先は何が起こるのだろうか?。

続く
管理人:PN.らくがきねこ

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください