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第70話、しばしの休息

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オートザム空軍基地のブリーフィングルームでは、パーティー会場の準備が進んでいる。監査方の岩崎敬介やオペレータの明里、
ライコネン、イワンそしてエリーやジェオとザズを含む隊士たちが、会場のセッティングや飾り付けをしている。
「ユートとタクトがいないな・・・。」
「ハンガーへいってるぜ。なんでも出し物を出すための準備だとよ。」
「何すんだろう?。」
ハンガー内にはトニーとハマーそしてケイオスたちがいた。
「トニー、オレのF14はもう飛べるか?。」
「おう、いつでも飛べるぜ。」
「しかし、まさかユートが”アレ”やろうなんていうとはな。」
「ここへきて一度もやれなかったからな・・・・。それにクーカイファウンデーションではお前のF14は帝国のバトルシップに沈められたしな。
いずれにしても、オレも第二ミルチアへいってたから、無理だったけどな。だが、お前にまたF14が戻ってきた。やはり同じ機体のほうが
いいしな。アクロ(曲芸飛行)は。」
「ちげえねえ。」
「トニー、カラースモークのカートリッジはセッティングしたかい。」
「アイサー!!、ばっちりだよユートたしか、赤、緑、青だったな。」
「ご名答!!。」
「カラースモークで何すんだ?。」
「それは見てのお楽しみ。」
「そろそろエンジンを回してくれ。」
そして、アルシオーネとラズリの歓迎パーティーが始まった。そこにはユートとタクトの姿がないそして明里も・・・。
「せっかくのパーティーだってのにあいつらどこへ行ったんだ?。明里までいないし。」
そのとき、ブリーフィングルームに放送が流れた。
「みんな聞こえるか?。大型スクリーンに注目してくれ!!。」


大型スクリーンには二機のF14が映し出されていた。
「ユートとタクトだ。」
「これより、オレとタクトの航空ショーを始める。食いながらでいいから見ていてくれ。」
「久々だな、小松のラストフライト以来だなユート。」
「翼はたたんだままにしとけよ。」
「コントロールの明里聞こえるか?。離陸用意よし許可をたのむ。」
「はい、感度は良好です。進路オールグリーンです。いつでもどうぞ。」
「はじめるぞ!!タクト!!。」
「おう!!(さだはる)」
龍崎や光そして、他の隊士たちはみな大型スクリーンに注目していた。
「アフターバーナー出力確認よし!!、スロットル全開!!。」
そして山波が合図をする。
「Get Raedy・・・・5・4・3・2・1!!、Take Off!!。」
二機のF14が同時に滑走路を進み同時に離陸した。そしてあがると同時にお互いに山波は反時計回り、タクトは時計回りにきれいに一回転ひねり
をしたのである。
「おおおっ!!。」
会場からはそのきれいな飛行に歓声と拍手があがった。」
「タクト、コマツ・フォーメーションだ。」
コマツ・フォーメーションそれは、山波とタクトがかつての小松基地の航空ショーで披露した。アクロバット飛行である。
「レッド、スモーク、カートリッジON!!。」
後ろに取り付けたカートリッジから赤い煙が出てきた。そして山波とタクトは花の形に煙を描いたのである。
「グリーン、スモーク、カートリッジON!!。」
緑色の煙が現れ、それを茎に見立てたのだ。
「スモーク、カートリッジOFF!!。」
緑色の煙は消え、上空には花が見事に書かれていたのである。
「おおおおおっ!!。」
会場からは一斉に拍手が飛び交った。
「あいつら、にくいことしてくれる(笑)(^^)。」
龍崎も二人のフライトにべた褒めであった。二機のF14はオートザム上空を飛び続けている。
「タクトどうだ?新しいF14の乗りこごちは?。」
「最高さ!!こいつがあれば、百人いや千人力だぜ!!。」
「そいつはよかったな。おれは次回から新しい機体に乗り換える。事実上F14ではこれが最初で最後のアクロだな。」
「やはりあの可変ギアレイアースMK−Ⅲに乗り換えるんだ。」
「ああ・・。」
「おまえのF14はどうするんだ。」
「あれはあれで残しておく、場合によってはF14で出ることもあるからな・・・・。」
「そうか・・・・。でも楽しいぜ、このアクロはこんなとき牧島が生きてたらな・・・・。」
「ああ・・・たしか、浜松の航空ショーの時、事故で死んだんだよな・・・。俺たちよりも年上で、腕もよかった・・・。」
「今、生きてりゃいい飛行機のりになってただろうよ・・・。」
「そろそろお開きにしようぜ、タクト!!。俺たちの食う分がなくなってしまう。明里も会場へ戻れ。」
山波とタクトのF14は基地へ帰還していった。
光は外を見ている。その向こうには滑走路があり、いま山波機が先に着陸し、つづいてタクトも着陸した。そこへアルシオーネが
やってきた。
「みんなと飲まないの?。」
「・・・早いものね、あの戦いからもう7年もたつんだから・・・。アルシオーネは外見は昔と変わらないね。やはりセフィーロの人間だからかな・・
年もほとんどとらないんだね。」
「ヒカルもこの7年ですごい大きくなったじゃない。初めて光を見たときはこんなに小さかった、小娘だったのに、今じゃエレメンタル・フォースの
代表とはねえ・・。私はセフィーロで生まれ、子供のころからずっと、魔法の修行に明け暮れていた。さらに魔法を身につけるために導師クレフ
の元に弟子入りして、異世界から授かった魔法も教わったのよそしてその魔法を元にかつての創師エンツォが編み出した魔法を中心に私は
学んでいった。」
「桜木風水術・・・・。」
「桜木風水術?。」
「あれは龍崎さんの先祖代々から伝わる風水術のことで、クレフはそれを当時の風水師桜木航というひとから伝授してもらったといっている。」
「導師クレフがヒカルのいた世界に・・・。」
「といっても今から100数十年前の話だけどね・・・。桜木航は後に明治政府から”龍崎”の姓をもらったと聞いている。」
「それで桜木風水術というのね・・・。でもまさかそれが魔法騎士の魔法のルーツだったなんて・・・そういえばあとの二人はどうしたの?たしか
ウミとフウとかいったけ・・・。」
「・・・・ウミちゃんとフウちゃんは去年、帝国の刺客の手にわたって、私をまもるために・・・・。」
「そうだったの・・・・・。」
「でも、今はウミちゃんとフウちゃんは私の中で生きている・・・。その証拠にいまの私はウミちゃんとフウちゃんの魔法もつかえる・・・。」
「昔の私はあのデボネアの呪いで一度は死に、龍崎さんに助けられてから私の人生はかわった。ヒカルも7年間でかなり苦労をしていたみたいね。」
アルシオーネと光はグラスを重ねあわせた。
「ここでは、私がリーダーだからね。ここの訓練や修行は厳しいよ。」
「のぞむところよ。」
そして二人は向かいあって笑った。こうして光とアルシオーネは和解したのである。
翌日、光は東京本社に移動していた。アルシーネとラズリはオートザム空軍基地にのこり訓練にあけくれている。タクトは金沢へ戻った。
「私はしばらく佐渡へ戻る、山波君留守のあいだ、流通業務たのむわね。」
「まかせておけ。ゆっくりやすめよ。」
「わかったわ。」
光は黒い上下のスーツに赤いYシャツ白いネクタイをしていた。そしてF40に乗り、東京本社ビルを後にした。
こうして、エレメンタル・フォース治安維持部隊はしばしの休息にはいる、休息があけたとき、いよいよ帝国との死闘がはじまるのである。

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管理人:PN.らくがきねこ

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