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第72話、本田拓斗(2)

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そして時は戻り2001年9月タクトの部屋
「また、あの夢を見ていたのか・・・。牧島一等空尉・・・もう朝か・・・。」
タクト叔父に書置きをして、家をさり、小松から東京へ戻り、エレメンタル・フォースの本社へ移動した。
「あ、おはようございます。本田さん。」
「おう、ユートはいるか?。」
「山波総長でしたら、代表室にいますが」
「いるんだな。」
「あっ、アポはとってますか?。」
「ガキのころからの親友があうのにそんなの必要ねえじゃろが!!。」
ビルの最上階、ここは役員階でそこに代表室がある。普段は光がつかっているのだが、いまは休暇につき、山波が使っていた。
「ようユート、じゃまするぜ。」
「タクト!!お前実家へ帰ったのじゃなかったのか!?。」
「帰ったけど、すぐ戻ってきた。それにしてもいい部屋だなここ。」
「オレの部屋じゃない、光の部屋を借りてるだけに過ぎん。」
「のみもんもってきたぜ。」
「悪いな。タクト。」
「東京はいつも平和だね、異世界で帝国とドンパチしてたのがウソみてえだ。」
「ここは平和な日本さ。でもオートザム正規軍が敗れることがあると、ここだって安全じゃなくなる。だから、直接本拠地に乗り込んで
決着をつけるつもりなんだ、龍崎さんはそれも短期で・・・。」
「最低でも半年はかかるぜ。それに物資もないし・・。」
「物資ならクーカイファウンデーションとオートザム政府がバックアップしてくれるから心配はない。唯一の問題は隊士あつめだ。」
タクトは書類をみた。
「こいつか・・・・。」
「みんなつかいもんにならん正規軍レベルなら、全員合格だが、一騎当千の隊士を望むとなると、そう簡単には集まらないものだ。」
「隊士集めがこんなに大変だとはねえ・・・。」
「総帥も今は隊士あつめで奔走している。それに今度の戦いでどれだけの隊士が戻ってくるかだ・・・ま、3分の一は戻ってこないだろう
、死にに行くようなもんだからな・・・。本当に戦いが好きでもないかぎり戻ってはこないだろう・・。」
「エリーは?。」
「あいつはここに残るといって、いまオートザム基地で訓練に明け暮れているよ。」
「あのこはいい子だからな・・・。」
「それよりもタクト、お前は光にスカウトされたんだよな、経緯を詳しく聞かせてくれよ。」
「いいぜ。」
時はさかのぼり、2000年の9月東京タワーの大展望台、タクトは双眼鏡で景色を眺めていた。
「いいねえ、街が模型のようだ、おおっ小池さんが部屋でラーメンくってる(^^)。東京へきてよかった・・・うおおおおおッ」
まわりの人がその声に驚いていた。
「どうかしました?。」
「双眼鏡きれたーっ!!(>д<)。」
「ズダ−ン!!。」
みなずっこけた(^^;)。
「金いれなーあかんな、あ・・・あり・・・・。オレのサイフーどこいった!?」
そのときタクトのサイフを拾ってくれた女性がいた。長い赤い髪をしている。紺色のビジネススーツにサングラスをしていた。
「これあなたのでしょ。」
「おーサンキュー!!。」
「さっきの双眼鏡切れーたでおもいだしちゃったわよ。私も6年前ここへ社会科見学へ来たことがあってね、君と同じように
双眼鏡が切れて大騒ぎしたのよ、本田拓斗三等空尉。」
「なんでオレの名前をしかも階級まで。」
「去年の浜松の航空ショーで活躍したんでしょ。私はこういうものよ。」
光はタクトに名刺をだした。
「エレメンタル・フォース代表獅堂光・・・。じゃあもしかして数年前の東京タワー閃光事件にいた中学生ってのは・・・・。」
「それがこの私よ。ここじゃなんだから、一緒に食事でもしながら話しましょう。」
光とタクトは展望台からタワー内のビルへ移動し、その中のレストランへ入った。
「好きなもの食べてもいいわよ。おごるから。」
「・・・・いいのか?悪いな・・・。」
光はサングラスを取った。
「私はね、仲間になってくれる人を探しているのよ。」
「仲間?。」
「私はエレメンタル・フォースの代表だけど、かつては魔法騎士といわれてたのよ。信じるかしら?。」
「魔法騎士?。」
「前にもいったけど、いまから6年前、私は社会科見学で東京タワーへきて、景色を眺めていた、そうさっきの本田君のようにね。」
「はあ・・・・。」
「そして、双眼鏡が切れたとき私もあわててお金を探してたら、一人の生徒が親切にもお金を入れてくれてね。そういえば、本田君も
あわててサイフを落として、それを私が拾ったんだったわ、フフフフフ・・・・・・。」
「な・・・・なにがおかしいんだよ?。」
「6年前と同じだからよ。もっとも立場が違うだけで・・・・。」
「その金を入れてくれた人は誰なんすか?。」
「鳳凰寺風って人よ。誕生日は12月12日だったかな・・。」
「オレと一緒だ・・・。」
「え、本田君も風ちゃんと誕生日いっしょなのまさか血液型まで同じじゃないでしょうね?。ところで本田君の血液型は何型なの?」
「A型だけど・・・。」
「ぐうぜんとは恐ろしいわ・・・。風ちゃんも一緒なのよ・・。じゃあ6年前と同じことを私はしたわけね・・・。」
「そんなのまだいいよ。俺のダチのユートなんか、ウミと血液型も誕生日も一緒だぜ。」
「ウミ?。もしかして龍咲海のこと?。」
「そうだけど・・・なんで知ってんだよ。」
「それはコッチのセリフよ!!。ウミちゃんもこの日東京タワーへ来てたのよ。」
「そうなんだ。」
「ということは本田君は自衛隊員てことはわかったけど。所属基地はどこなの?。」
「小松だけど・・・。ウミは小松空港で地上勤務してるよ。」
「そうだったの・・・。小松だったら金沢はそんなに遠くはないわね。そしてウミちゃんとフウちゃんが3人そろったとき、どこからか声がして、
東京タワーが光に包まれたのよ。」
「東京タワー閃光事件だな。」
「そして私たちは異世界へ飛ばされたわけなのよ。」
「それで、なにか・・・・アンタは東京タワーの光が異世界への入口ってワケかい・・・・面白いホラ話だな・・・。」
「うそじゃないわよ。」
「オレはな人から聞くより、この目で見たものしか信じない主義なんだよ。魔法騎士だあ・・・どうせトリックかなんかだろ。」
「そう・・・この目で見たものなら、お前は信用するのだな。」
突然光の態度が変わり、目つきも鋭くなった。そしてタクトの前に右手を出して、何かを握るような動作をしたのだ。
「ウッ・・・な・・・なんだ・・・い・・・・息が・・・・。」
タクトはまるで何かに締め付けられるような感じになっていた。」
「これでも、私の話を信じない?。」
「わ・・・・わかった・・・・・苦しい・・・・信じるよ・・・・!!。」
光は前にだしていた右手を収めた。と同時にタクトは激しい呼吸と咳をするのであった。」
「な・・・・なんなんだ今の技は。トリックか!?。」
「ちょっとした魔法よ。これは私が異世界でならった魔法でも基礎中の基礎なのよ。」
「はなしを聞こうか・・・。」
光はタクトにセフィーロでの出来事を話し出すのであった。

続く
管理人:PN.らくがきねこ

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