このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください
第74話、ディアマンテ帝国
戻る時はブラウザで”戻る”を指定してください。
デボネア帝星、ディアマンテ帝国本都。
会議室にて帝国軍の軍議が行われている。上座にはインスパイア中将がすわっている。そして円卓には帝国軍の将校たちがすわっていた
その中にはアコード・マキシマ大佐の姿もあった。ダーク=ロード卿が会議室に入ってきた。呼吸音がしきりに響いている。
「ロード卿がきたとこで軍議も本題に入る。さて海軍統括のギャラン大佐、現在のオートザム軍との戦闘状況はどうなっている。」
「あまりよろしくありません。海域の4割がオートザムに制海権を占められてしまっています。いま巻き返しをしていますが・・・。」
「陸軍統括のドマーニ大佐は?。」
「地上戦は今のところ行われていませんが、いまだオートザム軍とはにらみ合いが続いています。」
「空軍統括のマキシマ大佐は?。」
「このあいだの戦闘空母が沈められたのが大きく響いています。現在の空軍の戦力は6割に低下してしまいました。」
旗色の悪い帝国軍の将校たちはため息ばかり出ていた。
「帝国始まって以来の危機だな・・・オートザム軍があれほどの戦力を持っているとは・・・・。」
「オートザム軍は、クーカイファウンデーションをはじめエレメンタル・フォースからも出資を受け力をつけています。特にエレメンタル・フォース
は異世界でもかなりの貿易会社で、そのなかの治安維持部隊も備えており、現在もオートザム側について戦闘に参戦していると聞きます。」
「エレメンタル・フォースか・・・・あいつらが我々にもっとも損害を与えている。これまでに、バトルシップと戦闘空母、そしてセビル大佐とシグマ
中佐も奴らの手によって・・・。」
「しかもエレメンタル・フォースは近日中にここへ乗り込んでくる可能性もあります・・・。」
「それだけはなんとしても阻止せねばならない!!。」
「軌道衛星上に我々の要塞がもうじき完成します。そうすれば、その武装によって、オートザム本国を攻略できるのです。」
「完成までどのくらいかかる?。」
「外観はもう出来上がっていますが、まだ武装のテストが済んでいません。」
ロード卿がこたえる。
「魔神兵を実戦配備させてはどうだ?。」
「あれをつかうのかロード卿・・・ギアに乗せるのはパイロットではなく、人の脳だけをつなげた奴をか・・・・。」
「もう、あとはありませんぞインスパイア閣下。」
「あれはもはや”人”ではない・・・・あんな恐ろしい兵器を投入しろというのか!?。それだけはできん人として・・。セビルのときもそうではないか!!」
「セビル大佐は自ら進んで魔物の改造を受けたのだ。最終的には”人”に戻れたではないか、違うかねインスパイア中将。」
「あの時はセビルには”もと”の体が冷凍保存されていたからよかったのだ!!、今回の魔神兵にされた兵士はもう脳だけを残し、”もと”の体はすでに
処分されている・・・。」
「それは初耳ですぞ、閣下。」
魔神兵の言葉に将校たちは同様した。
「して魔神兵はいま何体いるのですか?ロード卿。」
「わしも詳しいことはわからぬ、おおむね20はいるかと・・・。」
「20・・・・・。」
将校たちはざわつき始めた・・・。
「静粛に、すでに魔神兵の実戦配備はすでに帝国の元老院の承諾もえている。」
「元老院といっても”名”ばかりではないか、その元老院だってロード卿率いる親衛隊で組織されてるではないか!!。」
ロード卿は右手を握るような動作をした。すると一人の将校が突然苦しみだしたのだ。」
「あうう・・・・グググ・・・・。」
「言葉をつつしみたまえ、ドマーニ大佐。」
将校たちはみなロード卿を注目していた。あわててインスパイア中将が止めにはいる。
「もう、よせ!!その辺で許してやれ!!。」
「お望みとあらば・・・。」
そういうとロード卿は動作をやめたのであった。
「とにかく、魔神兵を実戦配備することだったな。ロード卿。」
「さようにございます。」
「20で足りのかね・・。」
「今のところはそれで十分かと・・・。」
「・・・わかった。」
「それでは閣下、この書類に承認のサインを。」
インスパイア中将はやむなく、人の脳だけを埋め込んだ悪魔のような兵器魔神兵の実戦配備を承諾してしまったのだ。
軍議が終わったあとロード卿はインスパイア中将とマキシマ大佐を引き連れ兵器工場へと向かった。
そこには戦闘機や人型兵器が製造中であった。
「マキシマ大佐。これをみたまい。」
「これは・・・。」
「これは可変ギアだ、人型から戦闘機にも姿を変えることができる。本来なら、わしの魔神のプロト・レガリアの名を引き継がせる
つもりだったが、名は”レクサス”とした。」
「レクサス?。」
「かつてセフィーロの創師だったエンツォ皇帝陛下が設計した魔神だったが、”紛失してしまった”らしく新たに作り直したものだそうだ。
これをマキシマ大佐に搭乗してもらおうと思うのだ。」
「しかしこれは乗ると受けたダメージが自分に来る魔神タイプでは・・。」
「その心配はない、魔神とは違う・・・これはギアなので直接コクピットを狙われない限りダメージはうけなくてすむ。」
「なるほど・・・。」
「さてと、真下を見てもらおう閣下にマキシマ大佐。」
したは長さ40メートルにも及ぶ巨大な人型兵器があった。特殊な巨大水槽に入っている。
「こ・・・・これは?。」
「魔神兵だ、といってもまだ”中身”はないがな・・・。」
「・・・・・・。」
「かつて、デボネアはノヴァという少女の魔神レガリアと同化したことがあった。それをエンツォ皇帝が人工的に作り上げたものだ。」
「これが魔神兵・・・・。」
「よくみたらデボネアに似ている・・・。」
「そう、これこそがデボネアを元に作り出したものだ。そしてこれは機械ではなく、有機物によって構成されている。」
「それではまさに”魔物”そのものではないか!!。」
「いかにも、やがてこの中に”脳”が埋め込まれることによってこの魔神兵は動き出す。活動を停止させているときはこの特殊な液体に
入れておかねばならないのが有機兵器の欠点でもある・・・。」
「・・・・・。皇帝陛下はこんな兵器を・・・。」
「次へ行こう・・・。」
ロード卿たちは次の工場へ移動した。すると一体の人型兵器が配置されていた。
「ロード卿これは?。」
「これはワシの新しい魔神だ、名は”ゲルニカ”。」
「ゲルニカ(※FF7の飛行艇ゲルニカとは別物)・・・・。」
「エンツォ様がわしのために作り上げた傑作の魔神だ、レガリアをベースにしている。」
帝国は着実に戦力を増強しているのであった。
続く
管理人:PN.らくがきねこ
このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください