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第88話、観艦式
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山波達はついに、本都へのゲートに到着した。当然ゲートには歩哨のアーマトループスたちが警備していた。
「お前たちどこへいく!?。」
「帝国の本都へ物資の輸送よ。」
「物資の輸送だと、身分証をみせろ。」
光は帝国へ潜入するための偽造身分証を渡した。
「クーカイファウンデーションのレイ・エノモト(※光の変名)か・・・。」
「・・・・まあ、いいだろう・・・行ってよし。」
「ところで、この厳重な警備はなんかあるの?。」
「今日は本都で皇帝陛下の観艦式があるのだよ。見たければ途中でチケットを購入するんだな。」
「(観艦式か・・帝国の情勢を知るにはいいかも)ありがとう。」
レイ・エノモトその名の由来は光の母が榎本佐奈子なので、母方の苗字をとっている。そしてレイは光を別の呼び方にしただけ。
漢字で書くと、榎本レイである。
「エスティマ(※トヨタのワゴン車の名前)を手配しておいてよかったわね・・。」
光は車を止め、山波達が降りたあとエスティマをカプセルに収容した。そして広場のチケット売り場で山波たち全員のチケットを入手
するのであった。
観艦式場はアーマトループスのほかにも親衛隊クラスの将校たちの姿があった。そしてそのなかにはアコードとセビルの妹レイナード
もいた。
山波達は指定の席につき皇帝が現れるのをじっとまった。そして赤い外套を着た者達が2列に向かい合ってトランペットのファンファーレ
を演奏した。すると、スモークが立ち上がり、下から皇帝の姿が現れたのである。
「(あれが、すべての黒幕、エンツォ・エ・ディノ・ディアマンテ・・・。)」
「ただの老いぼれじゃねーかよ。」
そのとき山波は震えていた。
「ものすごい邪悪な気を感じる・・・。こいつがこれから俺たちが倒そうとしている奴なのか・・・。」
そして、エンツォの演説がはじまった。
「我が帝国市民達よ安心するがよい、オートザムの本都上陸は前持って計画していたことである。我々は魔神兵マキナトループスを導入
することを決定した。コレによってこの本都にいるオートザムのものどもは皆恐怖のズンドコに陥って死んでいくことであろう。
そう、いまこそ我が帝国の力を知らしめる時がきたのだ。」
周囲からは歓声が響きわたっていた。
「(マキナトループス?・・・エンツォは魔神兵といった・・・どんな奴なんだろう。)」
光はその言葉に疑問を持つだけだった。すると壇上にロード卿とアコードが現れた。
「あいつは牧島・・・・。」
「声が大きいぞタクト。」
「岩崎あの二人は?。」
「黒い甲冑の方は帝国皇帝親衛隊長サー・ダーク・オブ・ロード、そしてあの小豆色の軍服を着ているのは皇帝の側近にして帝国空軍総司令の
アコード・マキシマです。もっともあの二人が事実上帝国の実権を握っているそうです。」
そして、アコードの演説が始まった。
「私は帝国軍親衛隊兼帝国空軍総司令のアコード・マキシマである。いま帝国は機動要塞の完成によって一時は優勢になり、オートザム軍の
補給路を寸断せたが、我が帝国に反乱を企てているエレメンタル・フォースによって機動要塞は破壊されてしまった。これによりこの本都は再び
危機に陥ってしまったのである。なれどマキナトループスの正式配備によって皇帝陛下は今度こそ、オートザムそしてエレメンタル・フォースの
息の根を止めようと考えておられる、帝国市民よ見るがよい我が軍の切り札マキナトループスを。」
すると、壇上のそでから、4メートルはある魔物みたいなものが4体現れた。
「あ・・・・あれは、セフィーロで戦ったデボネアの魔物と似ている・・・。」
「なんだって!?。」
「このマキナトループスは今オートザムやクーカイファウンデーションで開発されているエイグスの機体を元に作り上げた機械兵である。エイグス
との違いはこの中にコックピットは存在しない。そして動力源は人の"脳”である!!。」
アコードの言葉に観衆はどよめきがたった。
「脳を中に!!、帝国はなんて物を作りだしたのだ。」
「脳と連動することによってこの機械兵のポテンシャルは100%引き出すことが可能である。この機械兵はほんの一部にすぎない、コレを見よ。」
大型のスクリーンには40メートルはあるだろうか・・・巨大な魔神兵が映し出されていた。
「こっこれは・・・・!?。」
「どうしたんだ光!!。」
「デボネアの最終形態!?。」
そのとき後ろからレイナードが現れたのだ。
「そこ!!さっきからうるさいぞ!!静かに見ることができないのか!!おまえらは。」
すると、タクトが前にでて頭をさげた。
「ああ、これはえろうすんまへん、あまりにもすごいの見たんでつい興奮してもうて・・・失礼ぶっこきゃーした。」
「・・・・ふんっ!!以後気をつけろ!!。」
そういうとレイナードはさっていった。
「肝を冷やしたぜ・・・てっきりみつかったかと思った・・。」
アコードの話はまだ続く・・そして大型のスクリーンにはロード卿の魔神も映し出されていた。
「これは、魔神ゲルニカ、エンツォ皇帝自らの手で作りだされた我が親衛隊長ロード卿の機体である。これはレイアースとレガリアをベース
とした、いわば魔神兵の一歩手前のものである。」
「(あれはオレが戦ったのと同じ奴だ)。」
「(レガリア・・・・帝国はデボネアとつながりがあるのだろうか・・・。)」
そして観艦式は終わり、山波たちはエルザ号へ引き上げることにした。そして車に乗り込んだ山波達は無事に本都を脱出したのであった。
車の中でタクトが話してきた。
「あの皇帝完全に頭いかれてるよ、機体に人間の脳を埋め込むだなんてな・・・正気の沙汰じゃねえぜ。」
「・・・・でもこれで帝国の情勢はおおむねつかむことができた・・・。あとはどうやってマキナトループスに勝つかだ・・。」
山波達はエルザ号に無事に乗り込み本都をあとにした。
エルザ号の食堂にて、髪の色を元に戻した光は岩崎を呼んで打ち合わせをしていた。
「岩崎、おまえは本都へ潜入してもっと詳しい情報を聞き出して欲しい、危険な仕事だが引き受けてくれるか?。」
「もちろんです。帝国の中にも反乱組織がきっとあるはずです・・・そこの仲間と合流して行動します。」
「たのむぞ・・・その前に基地へ戻って、装備を整える必要があるわね。」
エルザ号は基地へ向けて飛び立っていった。
そのころ東京オフィスでは城乃内が研修に明け暮れていた。内容は殆ど軍隊のような体力訓練であった。中には組み手みたいな格闘も
あり、次々と攻めてくる相手を確実に倒しているのであった。そこに川崎が現れた。城乃内は黒いタンクトップに下は浅葱色の長ズボンを
はいている。
「すごいな・・・・・コレだけの相手をいっぺんに倒してしまうとはな・・・エンジェリック・レイヤーのプレイヤーとは聞いていたがここまでとは。」
そして城乃内は川崎に食ってかかってきた。
「これのどこが研修なんですか!!。毎日毎日やってることは軍隊のような訓練ばかりだ!!。」
「エレメンタル・フォースには治安維持部門があることは聞いていただろ。」
「はあ・・・・。」
「新入社員は必ずこういう研修を義務付けられるのだよ。君なら指揮官クラスになれるかもな・・。」
「川崎さんもこういった研修を受けていたのですか?。」
「もちろんだ。そうそう、君はこんどの週末にクーカイファウンデーションへいって代表と引き合わせようと思うのだがどうかね。」
「あの獅堂さんにあわせてくれるのですか!?。」
「そうだ。クーカイファウンデーション支部長の鈴木にも話をしてある。私がクーカイファウンデーションへ案内してあげよう。」
「ありがとうございます。」
基地へついた光は自室で休んでいた。そのとき電話がなったのである。
「私だ。」
「お久しぶりです獅堂代表。エレメンタル・フォース支部長の鈴木です。こんどの週末クーカイファウンデーションへ出頭をお願いしたい
のですがいかがでしょうか。」
「・・・別にかまわないが、何故クーカイファウンデーションへいかなければならないのだ?。」
「クーカイファウンデーションにて今度入った城乃内と引き合わせたいのです。これはいま留守をあずかっている鈴木からのお願いでも
あります。」
「・・・わかった。」
そして光は受話器を置いたあと光は再び電話を始めたにであった。
続く
管理人:PN.らくがきねこ
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