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第92話、再会編(1)戦場のメリークリスマス(前)
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エレメンタル・フォースが帝国の母星にのりこんでから2ヶ月の月日が流れていた。帝国がマキナトループスを実戦配備して
から、戦局は大きく変わり、オートザム正規軍は次々と敗走を繰り返していた。エレメンタル・フォースの活躍のよって、帝国の機動要塞
を破壊したことによって、ゲートジャンプ並びに物資の輸送ができるようになったが、マキナトループスにはさすがに歯がたたなかったので
ある。
エレメンタル・フォースは可変戦闘ギアレイアースMk−3を機動要塞との戦いで実戦配備された。特に飛行性能はすばらしく、コレを高く
評価した、山波はレイアースMk3をもう2機追加投入をすることにしたのである。そして追加されたレイアースMk−3にはタクトとエリー
が搭乗することになった。
2001年12月24日、エレメンタル・フォース秘密基地では雪がすっかりつもっていた。
「寒いなあ・・・さすが12月だぜ・・・。なあユートこのディアマンテ帝国でも雪は降るんだな・・・。」
「うわっ、氷点下20度だぞ・・こんな寒さでは帝国も攻めてはこれまい・・・。」
「でも用心に越したことはねえぜ。陸戦部隊はシフトをしいて偵察を怠ってないそうだ。ご丁寧に防寒服まで着てさ・・。」
「滑走路も氷ついているから・・戦闘機は出せない・・・こういう時頼りになるのは陸戦部隊だな・・・。」
「イワンはともかく、あいつがリーダーだからな・・・あの口先ユーノスが・・あれで少佐だぜ・・・総帥は何を考えて少佐にしたんだ?。」
「考えがあるんだろうよ・・・それにユーノスはオートザム正規軍ともつながりが今でもあるし、あいつの提供した情報と機動要塞の設計図の
おかげで、あの機動要塞を破壊できたんだ。」
「ま・・あれは認めるけどねえ・・・。」
「今日はクリスマスイブだな・・・こんなとき坂本龍一の曲が流れるとなおいいんだがな・・・。」
「戦場のメリークリスマスか・・・・。しゃれにもなんねえよ。」
「帝国にもクリスマスはあるのかな・・。」
「わからん。」
その時どこからかピアノの音色が聞こえてきた。
「おおぅ!?、この曲は・・・まさに坂本龍一の・・・・。」
「一体誰が演奏しているんだ?。」
山波とタクトは辺りを見回した。
「食堂から聞こえるぞ。」
山波がそういうと、二人は食堂へむかった。すると、海上部隊と航空部隊の隊士たちがピアノの演奏に聞きほれていた。そこにはエリーやライコネンの
姿もあった。
「ひ・・・・光!?光が演奏しているぞ!!。」
叫ぶタクトにそばにいたラズリが制した。
「演奏中はお静かに・・・。本田少佐」
光は黙々とピアノ演奏をしている。
「意外だな・・・ジョン・レノンやビートルズしか演奏できない光が坂本龍一の曲を演奏するとは・・・。」
山波は感心して演奏を聴いている。
そして光の演奏が終了した、周りからは拍手や歓声が響き渡っていた。
「陸戦部隊の連中にも聞かせてやりたかったな・・・。」
そう、陸戦部隊はいま正規軍と合同で帝国軍のマキナトループスと戦っていたのである。そのためいまこの基地にはいない。
「今日はクリスマスパーティーですよ。山波さん本田さん。」
「いいのかよ、いくら敵が攻めてこないとはいえ・・・。」
「こういうときだからこそ楽しまないとだめよ。山波君、本田君。」
光は戦闘装束ではなく、黒色(ゼノサーガカラー)のビジネススーツを着ている。
「それにしてもいつ弾けるようになったんだ?。」
「このひのために練習したのよ・・東京本社の私のプライベートルームにピアノがあるのは山波君なら知ってるでしょ。」
「まあな・・・オレも弾いたことあるし・・・・。」
「なにユート、お前ピアノ弾けるのか!?。ぜひ聞きたいなあ。」
「何か弾いてくれよ・・・。」
「わかった・・・じゃあオレの得意の曲を演奏するかな。」
山波はピアノの前に座ると同時に拍手が鳴り響いた。
そして演奏がはじまった。
そして演奏が終わると一斉に拍手が響き渡りだした。
「すごい・・・まさかここでノブオ・ウエマツのアイズオンミーが聴けるなんて。」
エリーは大感激していた。
「ユート、お前ピアノ演奏できたのかよ!!。」
「光が不在のときはオレがプライベートルームを使っていたから、よくこの曲を弾いていたんだ。」
「タクト!!お前はなにかないのかよ!?。」
「また槍もって杯もっての黒田節はナシだぞ。」
「まいったなあ、オレピアノ弾けないし・・・。」
そのとき龍崎が食堂へやってきた。
「いつからここはコンサート会場になったんだあ?。」
「あっ総帥。」
「クリスマスパーチーもいいけど、適当に切り上げろよ・・・。命がけで戦っている正規軍や陸戦部隊のことを考えたことがあるのか!!
光ッおんしまで浮かれおって。」
「申し訳ありません、総帥。」
「光・・・もうすぐエルザ号がこの基地に部品と物資をもってくると連絡があった。整備班をハンガー(※格納庫)に集合させるようにしろ。それと山波と本田
そしてエリーもハンガーへ行け。新しい武器が到着するそうだ。」
「新しい武器?。」
「詳しいことは俺も知らん。旧オートザムからもって来るそうだ。」
そうだ・・・・ここは戦場なのだと思い知らされる山波であった。
そのころ、陸戦部隊は雪原にて帝国軍と交戦中だった。ジェオとイワンそしてユーノスは新型ギアのFTOⅡでマキナトループスと戦っている。
「ビームキャノンがきかねえ!!。」
「なんて硬い装甲なんだ!!。」
FTOⅡは以前のFTOよりもさらに機動性をあげ、小型化した人型戦闘ギアであった。これはオートザムが帝国のマキナトループスに対向して開発した最新
のギアである。また思考連動装置も搭載されているため。ステッィクレバーなしで操作できるものである。
「それにしても自分の考えている思考能力でこいつが動かせるなんて・・・オートザムはすすんでるー。」
「感心している場合じゃねえ!!ユーノス後ろから3体来るぞ!!。」
ユーノスのFTOⅡはランチャーを発砲し、2体のマキナトループスを撃破した・・・。
「イワン!!一機ソッチへいったぞ!!。」
イワンのFTOⅡはレーザーソードで一瞬にして敵を切り裂いてしまったのだ。
「ふう、これで全部か・・・・。」
「帝国め、なんてものを作り出したんだよまったく。」
「あーあ・・・今頃は航空や海上の連中はクリスマスを楽しんでいるんだろうなあ・・・。」
「ぼやくな・・早く基地へ帰還しようぜ、運がよければ残り物にありつけるかもよ。」
3機のFTOⅡは基地へ向けて移動を始めた。
続く
管理人:PN.らくがきねこ
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