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第94話、再会編(3)帝国軍暗殺部隊ジェノサイド・トループス

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ここは、デボネア帝星の辺境の地に設けられたエレメンタル・フォース秘密基地、
「いま、岩崎さんから連絡がありまして元帝国軍の機動要塞司令ジャック・クライスラー将軍をここへ連行すると言ってきてますが
如何いたします?、総帥。」
「・・・・もしかしたら、帝国の情勢をさらに詳しく聞きだせるかもしれない、説得によっては味方にすることもできるやもしれんな。
戻ったら、すぐにオレのところへつれてくるよう伝えてくれ。」
「了解しました。」
岩崎とアルシオーネはクライスラー将軍を総帥室へ連行して来た。
「監査方、岩崎敬介入ります。」
「同じくアルシオーネ入ります。」
「入れ。」
龍崎は紺色のビジネススーツに着替えていた。そしてクールバンダナは取り外し、銀縁のメガネをかけている。
「お初にお目にかかります、私がエレメンタル・フォース総帥の龍崎勇大佐です。」
「元帝国軍機動要塞司令、ジャック・クライスラー少将です。」
二人は互いに礼をした。
「おまえ達はさがってよい、ああ待て、岩崎、獅堂代表と山波総長とメトロ参謀総長を呼んできてくれ、ビジネススーツ着用とな。」
「かしこまりました総帥。」
そして総帥室は龍崎とクライスラー少将と二人きりになった。」
「いい部下をお持ちですな、龍崎総帥。」
「クライスラー閣下、あなたが元帝国の将軍であったことは、監査方の岩崎から聞いております、もはやあなたは、帝国に居場所はない。
もし岩崎たちが襲撃しなければ、あなたは処刑されていた。」
「今回の刑場への襲撃はあなたが命じたのですか?。」
「いえ、私は何も命令は下していない。岩崎が独自で判断しただけのこと・・。」
「部下が独断で行った事にはあなたは何もいわないのですか?。」
「理にかなうことやスジさえ通れば、私は何も言わない・・・。」
「それだけ部下を信頼しているのですな龍崎総帥。」
「そういうことだ、そうだお茶菓子でもどうかね?。」
龍崎は戸棚から、センベイを取り出した。
「これは、本国のセンベイという和菓子ですどうぞ、閣下。」
「・・・・・・・。」
龍崎は先にセンベイをその場で食べて見せた。
「はははは、この通り毒ははいっておりません。」
その言葉に安心してクライスラー将軍はセンベイを取って食べたのである。
「ほう、なかなかいけますなこれは。して何が望みなのです?龍崎総帥。」
「たいしたことはないです。あなたには”故郷”へ帰ってもらうだけですよ。でもその前に帝国の現在の情勢を教えていただけないでしょうか?。
もうあなたには帝国につくす義理はないはず・・・。」
そこへ光と山波そしてジェオが入ってきた。光と山波は紺のビジネススーツを着ている、ジェオは緑色のオートザム正規軍の礼服を着用していた。
「ん・・・そこにいるのは、ジェオ・メトロか・・・久しぶりだな・・・アナポリス依頼だな・・・立派になりおって。」
「ジャック先生!?。まさか帝国の将軍だったとは・・・。」
「君たちに機動要塞を沈められたことによってその責任をとる形で処刑されるところだったが、命拾いをした。そうか君たちだったのか・・機動要塞
を破壊したのは・・・。」
「まさか機動要塞の司令官がジャック先生だったなんて・・・・。」
「機動要塞の攻略の指揮をとっていたのはこの私です。」
「あなたは?。」
「申し遅れました、私はエレメンタル・フォースの代表兼流通部門統括の獅堂光中佐です。」
「あ・・・あなたがあの伝説の魔法騎士と呼ばれ、数年前に崩壊しかけたセフィーロを救ったあの魔法騎士・・・。」
「そうです・・・。」
「ジャック先生・・あなたはアナポリスの生徒からも信頼されていた・・・なのに何故ディアマンテ帝国の将軍なんかになったのです?。」
「私だけではない、ダラーラも帝国の将軍になっている。」
「ダラーラ・インスパイア閣下のことですか。」
「奴は帝国軍の最高責任者だが、実際は皇帝やロード卿の傀儡に過ぎない・・・。」
「なんだと?それは誠ですか、クライスラー閣下。」
「戦闘空母が君たちに沈められてから、皇帝は一人の将校に目をつけた、そしてその将校が事実上帝国軍の実権を握っている。」
山波がたずねた。
「もしやアコード・マキシマのことでは?。」
「その通りだ、あのアコードって男は皇帝やロード卿にも気に入られており親衛隊にまで取り立てられている。ロード卿はともかく
あのアコードって男は危険だ!!。」
「なぜ危険なのです?。」
「あの男は皇帝やロード卿のまえではおとなしくしているが、目的のためには手段は選ばない・・・いまではセビル・レイナードの妹の率いる
暗殺部隊ジェノサイド・トループスをも手中におさめているのだ。」
「・・・・。」
「あの男だけは生かしてはいけない!!あのアコード・マキシマは危険だ!!。」
「その話本当かよ、おっさん!!。」
「タクト!!いつのまに!?。」
「おっさんの声が聞こえてたんだよ!!。」
「本当だ・・・・。シグマ中佐もジェノサイド・トループスの手によって殺されている・・・。」
「ジェノサイド・トループス・・・暗殺部隊・・・私が倒したセビルはそのリーダーだった・・・。」
「暗殺部隊でも特に注意しなければならないのは蜂須賀四兄弟だ。」
「蜂須賀四兄弟?。」
「皇帝が直接異世界から召喚した暗殺のスペシャリストだ。シグマ中佐もその者ら手によって・・・。」
「蜂須賀四兄弟・・・聞いた事がある、戦国時代に羽柴(※豊臣)秀吉に仕えた蜂須賀小六の末裔で今でもその忍びの術を受け継いでいると
聞く・・・。それで蜂須賀四兄弟については何かわかりますか?」
「長男の悟李羅(ゴリラ)、次男の虎武羅(コブラ)、三男駒人(コマンド)そして末っ子の乱坊(ランボー)特に動きが素早く常人の目では見れない
と聞く・・・。そいつらと会ったが最期、そのものは確実に首が胴から離れてしまうというのだ・・・。」
「やっかいな連中だな・・・・。」
そのころここはディアマンテマンテ城、レイナードはマキシマ大佐に呼ばれていた。
「レジスタンスの襲撃によってクライスラー閣下の処刑は失敗したばかりか、そいつらの手によってさらわれたそうじゃないか・・・。大失態だな・・。」
「申し訳ありません、マキシマ大佐。」
アコードはレイナードの顔面を思いっきり殴ったのである。
「あやまってすんだら警察はいらねえんだよダボが!!。」
そしてうずくまるレイナードを何回も蹴飛ばしたのである。
「うううう・・・(なんだ・・・この豹変ぶりはこれがあのマキシマ大佐・・・なのか・・?)。」
そしてレイナード髪をつかんでにらみつけながら言った。
「てめえよお、もし奴がエレメンタル・フォースの手に渡ったらどうなるのかわかってんのかよ!!、おまえどう責任とるんだ?ああん?。」
レイナードの黄色い瞳からは涙が流れていた。
「おまえがセビルの妹じゃなかったらこの場で銃殺にしているところだ!!殺されなかっただけでもありがたく思え!!もういい!!おまえには
まかせられん!!暗殺部隊はオレが指揮をとる!!とっととうせろ!!。」
レイナードはふらつきながらその場をさっていった。
そして二人の部下がキズついたレイナードに駆け寄ったのだ。
「レイナード中佐、どうしたのですか!?その体は・・。」
「マキシマ大佐に・・・。」
「うそだろあの紳士的なマキシマ大佐が・・・・。」
「やつはロード卿や皇帝陛下の前では紳士を装っているが・・・とんだくわせものだ・・・。」
「とにかく・・・部屋へ・・・・。」
レイナードの部下はアコードによって傷ついた体を手当てしている。
「マキシマ大佐の元にいては命がいくつあってもたりない・・・・。」
「かといって脱走するわけにも行きませんよ中佐。」
「わかっている・・・私と同じ姿の精巧なアンドロイドに、その体に私の記憶データをコピーする。そして私はスキエンティアで”眠り”につく・・・。」
「なるほど"身代わり”をたてるのですね・・・。」
「兄がマキナトループスとして、その身をささげるときに使った方法だ・・・。」
「それではセビル大佐は・・・?。」
「兄の生身の体は別に”保管”させ、マキナトループスには兄の記憶データをダウンロードさせたに過ぎない・・・。だがそのマキナトループスとなった兄も
セフィーロでシドーによって倒され、再び”眠り”から醒めた兄も異世界のニイガタサドという所で・・・・。」
「そうだったのですか・・・。」
「時間がないすぐに行わなければ・・・・。」
レイナードは自分と同じ姿をしたアンドロイドに自分のすべての記憶データをコピーした。そして部下の手によってレイナードはスキエンティアへ行きそこで
長い”眠り”につくのであった。最後にできることなら”生身”で兄の仇をとりたかったという言葉を残したという。
それからしばらくして・・・アコードは蜂須賀四兄弟を呼び寄せていた。
「お呼びでございますか?マキシマ大佐。」
「ああ、おまえ達に”仕事”を頼みたい。」
「なんなりと・・。」
「もと帝国の将軍、ジャック・クライスラーを見つけて殺せ。」
「口封じでございますね。」
「そうだ。クライスラーは間違いなくエレメンタル・フォースに身柄をあずけられている・・・もし私の間違いがなければ、奴はオートザムへ護送される
それを見計らって殺れ、よいな。」
「かしこまりました、マキシマ大佐。」
ついに蜂須賀四兄弟が再び動きだした、危うしエレメンタル・フォース・・・。

続く
管理人:PN.らくがきねこ

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