| こちらでは、1930年代に活躍しました飛行機の、内装を中心に紹介してまいります(日本で名島空港が運用を開始した頃です)。
本来ですと、機体内部と機体外観を揃えて御紹介すべきではありますが、現状、それぞれの画像をそろえることが出来ておりません。引き続き、収集を継続しており、画像を入手出来次第紹介してまいります。入手まで今しばらくかかるものと思われますが、宜しくご理解の程、お願いいたします。 |
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DOX号
ボーデン湖畔 DORNIER-DoX-FLYING-BOAT |
| まるで船のへさきですが、れっきとした飛行機です。
これは水上にて発進発着することを前提にした機体(水上機/飛行艇)ですので、まるで船のような胴体になっています。飛行機なのに錨まで付いています。
また車輪は見当たらず、台車の上にのせられている様です。右下に、台車のレールと思われるものが写っています。胴体の左下に人影が見えますので、大きさをご想像ください。
また翼の上にエンジンが付いています。前向き後ろ向きにプロペラがならんでいます。 |
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頂き物 DORNIER-DoX-FLYING-BOAT |
| まず、翼の上のエンジンにご注目ください。
大きなエンジンがずらりと6基、しかも前向き後ろ向きにそれぞれ搭載されており、計12基ものエンジンが配置されています。
ずらりと並んだ窓から、大勢の座席が配置されているものと想像します。大きな機体で、ゆったりとした空の旅が楽しめそうです。
が、実はこの機体、性能がなかなか発揮できず、実用には向かなかったとの事です。
写真はボートを使っての乗り込み風景と思われますが、それにしても桟橋でも作らないと、乗客の乗り降りは楽ではなさそうです。 |
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ヴィツカース旅客機の座席折りたたみ式Vickers |
| さて、今度は通常の陸上機。骨組みもあらわな客室です。前に操縦室が見ます。操縦桿は、まるで車のハンドルです。
ビッカース社は戦前、戦中、そして戦後も飛行機を次々開発生産しているメーカーです。軍用機、そして民間機を数多く開発しております。その為、実はこの内装写真だけでは、ビッカースのどの飛行機か判別できませんでした。お詳しい方のご教示をお願いいたします。
この時代にしては珍しく簡易な椅子です。これは想像ですが、これは旅客というより遊覧飛行用ではないでしょうか。
離陸してから空で椅子をたたみ、立ち上がって自由に動き回る事ができるわけです。 |
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シコルスキーアンフイビリアン機Sikorsky
『喫煙室タバコをふかしたり軽い飲み物を飲みながら空中気分に酔いしれる。』 |
| 客室は今を思わせる間取りです。今日のように安全を考慮したベルト類なども見えません。
また前に見えるのは操縦席でしょう。操縦桿はやはり車のハンドルの様です。
四角く特徴のある窓が見えます。また天井にも窓があります。 |
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フォッカー三発動機旅客機のランチルーム Fokker
『アムステルダム倫敦間(東京大阪間も同じ機体)』
(フォッカーユニバーサルと同じデザインで機首と主翼した左右にエンジンを配置した計三発機です)。 |
| ランチルームとキャプションにはありますが、部屋分けがしてあるわけでなく、隣り合っています。椅子の客が珍しそうに見ています。天井には荷物棚がありますが、おいてあるのは帽子の様です。また電灯と思われますものも見えます。
太い胴体のおかげで天井の高い広々とした設計ですが、さすがに横幅はゆったりといえる広さではなさそうです。 |
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ミシシッピ河を横断する、メキシコニューヨーク間を飛ぶフォッカー三発動機旅客機 Fokker
下に見えるのは、ケオクック発電所のダム。
(先ほどの飛行機と同機種です。) |
| 写真が不鮮明で真にすみません。判別は辛いのですが、翼の下、左右にエンジンが一つづつ、機首にエンジンが一つの、合計三つの発動機を持ちます。
アメリカで運用されている機体ですので、てっきりフォード社トライモータ(Ford 4-AT Trimotor)かと思いましたが、キャプションはフォッカーとあります。
フォード社のトライモーターは1920年代後半から1930年代初頭にかけてのアメリカ合衆国で旅客機として運用されたもので、フォッカーユニバーサルやフォッカーの三発旅客機Fokker VIIb-3Mと同時期のものです。外観やレイアウトはフォッカーにそっくりです。 |
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空中ランチに舌鼓をうちながら倫敦(ロンドン)へJunkers G38
ユンケル旅客機の食堂 |
| これまで紹介した中では、天井の高さ、横幅、共に最も広々としています。
快適そうな食堂で、左側のテーブルではワインも楽しんでいるようです。
実は、この写真のキャプションには飛行機の名称がありませんでした。
が、ロンドンへ飛ぶ事、ユンケル(ユンカース)はドイツ機であること、掲載誌が1931年ですので、その時期の旅客機であることから、ユンカースG38(Junkers G38)と判断します。
ドイツの航空会社ルフトハンザでは1931年よりベルリン〜ロンドン間の運行にユンカースG38を使用、これは当時の最大級の旅客機でした。 |
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| Junkers G38は開発当時、最大級の旅客機でした。巨大で分厚い翼を持つ無骨な外観が特徴です。写真でもわかりますとおり、翼付け根にも窓があり、ここにも客席があります。
開発当初は、やはりその性能は特筆するものがあったらしく、軍用でも使用。日本もこの機体を導入して軍用機として使用しました(日本陸軍 92式重爆撃機)。
ちなみに写真では外側のエンジンのプロペラが2枚にしか見えませんが、私が把握している範囲でも、エンジン4つとも4枚プロペラのはずです。原画は戦前の雑誌からのスキャンを頂戴したものですが、絵はご覧のとおり、写真というより絵画っぽく見えます。これはコントラストの低い白黒写真を手作業で修正して雑誌に掲載したものと考えられます。そうした修正時に誤って2枚で描いてしまったものか、と想像しています。実際に外側のプロペラは2枚なのかは確認中です。 |
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| ユンカースG38は、当時の巨大旅客機の代表なのでしょう。こちらに紹介しておりますのは巨大な旅客機でも発着が可能な、巨大な水上航空基地の想像図で、発着している飛行機として登場しています。空へ駆け上がっている飛行機は形状からも(また機首の赤文字からも)ユンカースG38です。これは昭和6年に描かれたものです。
滑走路は支柱で海から突き出している様です。クレーンも描かれています。また三隻の船に牽引されています。
旅客機を洋上で離発着させる中継基地があれば、大洋をまたいでの長距離航空路線も実現が可能になりそうだ、という発想で描かれたものです。 |
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| 先ほどの絵の飛行機部分をクローズアップします。
分厚い主翼と窓、三つ並んだ垂直尾翼と複葉の水平尾翼と、G38の特徴を上手くとらえています。 |
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Armstrong-Whitworth Argosy |
| 写真が不鮮明ですみません。
これも発動機を三つ持つ機体です(両主翼に加え、機首にもエンジンがあります)。 |
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| 遊覧飛行でしょうか。ロンドンブリッジ上空を飛ぶ姿です。
右におおきく方向を変えているところですが、なんとなく合成写真にも見えます。 |
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佛國ファルマン社「ゴリアット」旅客輸送機 Farman-Goliath |
| フランスの大型旅客機です。
双発エンジンと、主翼はたてに二枚重ねた複葉となっています。胴体も大きそうで、旅客用として有望そうに見えます。
私が資料を見た範囲では総じてあまり性能が良かったという情報はありませんでした。が、大正時代には日本陸軍も輸入をし、丁式爆撃機として運用したそうですので、それなりに成功した機体だったのではないでしょうか。
さて、機首に並んでいるガラスはパノラマ席です。操縦席は胴体の上側、主翼の位置にあります。 |
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佛國ファルマンゴリアット旅客輸送機内部座席版 Farman-Goliath |
| 椅子が並んでいます。主翼のあたりから前を撮影しているようです。
操縦士は機体の上に位置していますので、撮影者の頭の上あたりに操縦士の座席があるものと思われます。
一番前の席はパノラマになっているようです。 |
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佛國ファルマンゴリアット旅客輸送機内部寝室5人分 Farman-Goliath |
| 先ほどの椅子の配置ではなく、ベッドを配置した機体の断面図です。乗客は寝転んでいますので、旅客機というよりも、まるで病院の様です。
左向きに座って、頭を胴体から上に出しているのが操縦手です。
さて、ご覧のように寝て飛べるというのが特徴で、やはり贅沢な配置と考えますが、加えて上空が寒かったという事情もあったのでは、と想像しています。 |
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佛國ファルマンゴリアット旅客輸送機内部寝室上下二段5人分 Farman-Goliath |
| ベッドと椅子が半分づつ配置されています。
椅子と比較しても、どうもベッドの幅は狭そうです。またベッドに手すりがありません。これは意外に感じます。機体の横揺れで乗客はベッドから落ちてしまいそうです。 |
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獨露航空会社モスコウ伯林間物資輸送
Junkers W34 |
| ドイツの航空機、ユンカース社の機体で、機体外板表面の波板が写っています(凹凸のある表面で、横向きのスジに見えます)。
乗客ではなく貨物を運んできたようで、また主に郵便物ではないかと想像しますが、地面に適当に積まれているあたり、今日の航空貨物と比較しますと、随分と雑な扱いです。 |
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オートジャイロ_ニューヨーク上空
後ろは建設途中のつり橋 |
| オートジャイロと呼ばれる機体です。
オートジャイロ (autogiro) は、他にもジャイロコプター (girocopter) 、ジャイロプレーン (giroplane) と呼ばれます。
今日のヘリコプターと飛行機が一緒になった様な外観です。
上についております大きなプロペラ状の物は、今日のヘリコプター同様の役割をする、回転翼(ローター)です。
ヘリコプターではエンジンで回転翼を直接回転させますが、オートジャイロでは回転翼にはエンジンが付いていません。飛行時には前向きについているプロペラで前進し、この前進によって気流を回転翼に受けさせて、回転翼を回し揚力を生み出します。
短い滑走で離陸できる利点があります。
写真のオートジャイロは、普通の飛行機の上に回転翼(4枚)が見えます。
オートジャイロには、この様に飛行機の主翼がついているタイプの他に、主翼が付いていないタイプもあります。前向きのエンジン、垂直尾翼、水平尾翼以外は寸胴(ずんどう)なわけです。その場合、離陸にあたってはまずエンジンを上向きの回転翼に接続して回転させ、揚力を得て空に浮いたところで、今度はエンジンを前向きのプロペラに切り替えて前進します。
今日ではヘリコプターが発達しており、オートジャイロは廃れてしまいました。 |
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カーチスライトT-32“コンドル II ”旅客機[アメリカ]
CURTISS-WRIGHT T-32 "CONDOR II "PASSENGER TRANSPORT |
| 11933年初飛行の機体です。これまで紹介しました中では、もっとも新しく開発された機体です。
デザインとしましては古めかしい印象がある一方で、引き込み脚を持ち、客席には空調を施すなど、流石は工業国アメリカです。
乗客2名〜3名、乗客は寝台12名、または12席と資料にあり、ここでも寝台が好まれた様です。 |
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