このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください




東京 猿島その2


                        
猿島全景
猿島全景から、こちらの頁でしょうかいします5箇所を矢印で示しています。
高角砲座が上側に集まっています。

地図のその①にあたります高角砲座跡で、セメントで丸く円がつくってあります。
こちらは5つある砲座のなかで北端のものです。右上、チラッと海が見えます海が、東京湾です。
さてたまたま親子連れがいらっしゃいましたので、これら人物の大きさからおおよその砲座の寸法をご想像ください。また、逆にこの大きさから想像しますと、あまり大きな口径の大砲ではなかったもしれません。

こちらも砲座、地図のその②にあたります。
射撃の角度に、十分に東京湾が見渡せることが判ります。
また円状のセメントの手前に円弧を描いたセメントが見えます。
想像ですが、ここには土で埋まっていますが、大砲を据える砲座は外周に沿って溝が配置されていたのではないでしょうか。

続きまして③の砲座。今は木で覆われていますが、恐らく見晴らしは良かったものと思います。

では、この砲座をクローズアップしてみます。円形にボルトが並んでいます。
大砲を固定する円形の台座があったものと思われます。
太いボルトが狭い間隔で並んでおり、大砲の重量と反動に耐えうるものであったことが伺えます。

実はここの脇には円形に沿ってくぼ地がも抜けてあります。
残念なことに腐葉土でうまっており、画面手前に階段が一段だけしか見えません。
想像ですが、この円形の外周に砲弾をしまう小部屋が設けられていたのではないでしょうか。
次頁にて紹介します砲座にも外周に砲弾を収めるのに丁度いい小部屋が並んでいますので同じ様に外周に配置したのではと考えます。
これは東京湾の入り口付近に明治時代に設けられた28センチ榴弾砲を据えた砲台も同じで、砲座の外周から砲弾を運べる様に配置されています。外周に配置することで大砲の向きにあわせ、尾栓により近い位置から砲弾を渡すことができます。
ただ、次頁の猿島高角砲台と、東京湾入り口の砲台は、いずれも大砲をくぼ地に設け、外周は大砲を据えたところより高く盛られており、その壁に砲弾の小部屋があります。

しかし、この砲台は、その砲弾を置いた場所が大砲より低い配置だといえます。これは大砲の周囲に盛り土が無いことと考え合わせますと、この大砲は水平に近い角度まで射撃することも想定されており、その為、外周に溝を設けたことと関係あるのでは、と考えました。

指令所
これも昭和の遺構です。地図の④にあります。
二階建てで、一階、二階ともに入り口があり、建物の中ではつながっていません。
おそらく下の階が発電などの施設、そして二階部分が監視所でしょう。縦に長い大きな窓が印象的です。

全景です。
屋根の上へ階段であがり、さらにその上に物見台があります。
ちなみにこの場所は、かつて特撮TV番組のロケに使われたことがあります。
仮面ライダーの敵方、ショッカーの秘密基地として使われており、その際、仮面ライダーはオートバイでその1にて紹介しました溝状の通路を突進してきます。

角度を変えて。

物見大は、撮影した位置からみて三階程度の高さで、監視塔というにはあまり高くはないのですが、島でも最も高い位置にあるため、大変見晴らしが良い物件です。

画面手前、こちらの窓も大変大きく作ってあります。また屋上と展望の手すりつきテラスなど、まるでなにかの別荘の様です。
それにしましても屋根も展望台も、そこにいる人員はなんら隠れるところがない、窓は四方に広く開いているなど、対空戦闘を行う砲台の司令塔でありながら、近くに爆弾が落ちて爆風が来る、あるいは機銃掃射などで被弾することはあまり考えていないのでは、とも考えますが如何でしょうか。

さて、私も物見やぐらに上りまして周囲を見渡しました。
横須賀方面です。
北側、港が見渡せます。

さて、やや戻りまして、地図の⑤です。
こちら側は斜面になっていて砲台③の脇から坂を下ってくると、この広場があります。
潮風の気持ちいい場所です。
画面右上、大型船が見えます。

では次回も、東京湾に面した高角砲台跡地です。




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