このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください




報道

読売ニュース焼付版から


『これがライフ誌に掲載されたわが聖骨冒涜の寫眞(写真)だ。見ているうちに少女は悪魔に変わって来るではないか(ベルリン電送)』
(注記:太平洋戦線では米兵が日本兵の頭部を前線にて煮て骨だけにし、米国内へ記念品として送っていました。この写真は、それを受け取った少女が前線にお礼の手紙を書いているというものです。
米ライフ誌に載ったこの写真は、とある漫画でも紹介されましたので、ご存知の方もおられるかと存じます。が、この写真が戦時中に既に日本にも電送され報道されていたとは、管理人も入手するまで知りませんでした。父や息子が出兵していた人は、さぞ鳥肌の立つ思いだったのではないでしょうか。)

『上野公園にて退避壕内の炊き出し演習が行われた。人間並みにお釜の防空壕を作り、その中で炊き出しをして爆撃下でも腹はへらさせぬと言う構え。』
(注記:官民一体でのいろいろな演習が行われていた様です。この他、狙われそうな建物をカモフラージュする、逆に軍事目標に見せかける偽装も官民一体で着手されています。それにしても、写真では良くわかりませんが、もうもうと煙が上がっている様で、やや目立ってしまいそうです。壕を設けてお釜が敵弾から守れさえすればあまり秘匿性は気にしない、といったところか、あるいは実際に行ってみたら予想以上に煙が出てしまったとか、色々考えられます。)

『決戦下、皇國婦道を昂揚すべく新学期から女子中学校の正課に入った文部省型薙刀の講習會』

『仮想敵機動部隊を邀へて廿六日から九十九里濱を中心に行はれた軍官民連合防訓の敵機来襲に退避する児童部隊。』

『去る8日の大詔奉戴日に泣いておし戴いた神風手拭をきりりとしめて日製某工場に働く水戸高女生は厳しい流れ作業に精魂を傾けている。』

『下関模擬防空演習記念 昭和4年3月10日』
十四年式10.5サンチ高射砲と思われます。
大砲は十字の4本支柱の中央に乗っており、この支柱は、それぞれ4本の杭で地面に固定されているのが写っています。8人前後の兵士で操作されている様です。
航空機の発達により、日本に敵国の飛行機が飛来する事は早くから予測されていた様です。そうした記事は戦前の雑誌にも登場します。また、その為か戦前から防空演習が実施されていたことを伺わせます。

『群がる敵の猛爆にも怯まず基地を堅守する南方前線の海軍高角砲陣地。これに飛機群さへあれば鬼に金棒だ。』
(注記:十年式12サンチ高角砲と思われます。南方に展開した高角砲は今日も残っています。こちらを参照。http://www.asahi-net.or.jp/~ku3n-kym/heiki6/guam/guam.html)

『敵が飽くまで護り抜かうと頑強な抵抗を試みた長沙に鬼神も哭く突入を敢行した。右は敵のトーチカ』

『河南戦線における給水班の活躍、大陸の生水は濁っていて飲めない、井戸には敗敵が毒を投じる、進撃部隊に給水班こそ生命の泉である。』

『深さ三丈に達する戦車壕。しかし、わが精鋭の前にはなんの役に立たず、突破された。』

『我が猛攻に耐えかねて断末魔の衡陽から武器持参で続々投稿する重慶軍勇士(?)』
(注記:当時の中国の兵器が大写しとなっています。
中国は銃火器、大砲、戦車を様々な国から輸入、また銃器類は模倣コピー生産を行ってきました。
一番手前の兵士が肩に載せている大きなものはドイツ製MG08か、そのコピーの民国十六年式重機関銃。
その兵士の頭の右横に移っている穴開きのものはアメリカ・ブローニング社のM1919系の機関銃と推定。
帽子をやや斜めに被っている兵士が持つものはフランスはホチキス社の機関銃の様です。

『写真は還らざる輸送機に搭乗出撃する空挺隊の勇士。
この神兵の中には台湾、半島出身の若武者があり、偉勲を樹てたのである。』

『衡陽突入の直前、部隊長より最後の命令を傅達される決死隊。斜陽は勇士の影を長く引き、生還を期せざる決意沸々と燃える。』

『ブーゲンビル島の最前線において、スコールと爆弾の雨を衝いて味方の連絡を確保するわが陸軍通信保線隊』
(注記:後にブーゲンビル島では大激戦となりました。米軍、そして続くオーストラリア軍に制圧された後、日本将兵は捕虜収容所で餓死者を出すなど虐待を受け、ほとんどが生き残れなかったそうです。)

『飛行場建設の遅速は戦勢を支配すると言われる。写真は滑走用地建設に活躍する海軍設営隊の棘付點壓機で、数分に○○米の用地を造る。』
(注記:画面上左端に、ブルトーザーと思われる車両が写っていますが、詳細は不明です。おそらくこのブルトーザーで牽引するのでは、と思います。)

『皇軍と共に祖国進撃を続ける印度国民軍。チン丘陵地帯に於ける敵残滅戦はいまや終息をつげ皇軍は破竹の勢をもって国境に迫っている。』
(注記:英国植民地での現地兵は、多くが英国から寝返って日本軍と合流したと記録にあり、どうやらその一環の様です。)

渡河演習i
(渡船を横に連ね、板を渡して橋を作ろうとしています。船はこうした橋用に開発されたものの様です。)imghouaa

『海軍飛行機空中煙幕の壮観(大正15年7月)』
(注記:煙幕とは、煙を広げて敵からの視界を遮るものです。展開中の飛行機、艦上戦闘機10式艦上戦(海軍発の艦上戦闘機)または10式艦上偵察機と思われます。

注記につきましては、ブラック・タロン殿、木下筑前守殿、ろいえんたーる・ざ・せかんど 殿からのご協力をいただきました。
ありがとうございました。


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