このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 
     穂高岳

難易度A

奧穂高岳往復は1泊2日ではちょっときつい。合計で3日はみておいた方が無難だ。上高地から岳沢を経て登るコースがあるが、前穂高岳への登りはかなりきつくて長いので、涸沢をベースに登るコースがお勧めである。
1日目:上高地から涸沢を目指す。横尾までは砂利の車道歩きだ。ときどき梓川の端を歩くが、川の水がきれいで清々しい。川の反対側にある明神岳がやけに高い。横尾まで3時間で時間でいうと中間地点だが、本谷橋からの登りがきついので時間に余裕があれば本谷橋までいって昼食にした方がよいだろう。横尾から槍沢を渡る長い橋を渡って涸沢を目指す。本谷橋まで横尾から1時間ちょっと、休憩するのによい場所である。ただし、ここの川の水は飲まない方がよい。涸沢の排水で汚れているので注意が必要だ。ここからちょっとした急な登りになる。少し登れば斜度は緩くなるが涸沢まではこの緩めの登りが続く。本谷橋までずっと平坦なところを歩いてきたので少し面喰らう。やがて涸沢の小屋が見えてくるが、ここからが結構長い。やがて涸沢の本筋を歩くなるようになるが名前の通り涸れているので水に濡れることはない。雪の多い年は小屋の手前から雪の上を歩くようになる。さらにひと登りすると涸沢に着く。小屋が2軒とテント場がある。
2日目:2日目は小屋またはテント場に荷物を置いて1日かけて穂高岳を歩き回るのがよい。身軽なスタイルで奥穂高だけを攻めることができる。ここでは、一度奥穂高岳に登り、涸沢岳を通って北穂高岳へ。そこから涸沢に戻ってくるコースを案内する。
 テント場からは奥の小屋の脇を通ってサイテングラードへの登りになる。最初は涸沢岳の斜面を斜めに切って登っていく。この辺りは高山植物の花がたくさん咲いている。右上を見上げれば先がとんがった涸沢槍が聳え立っている。サイテングラードに取り付くと今度は白出のコル(奥穂高山荘)まで直登になる。奥穂高山荘に着くと、涸沢が遥か下に見える。また岐阜県側もかなり下の方まで落ち込んでいる。ここから奥穂高岳へは南側の梯子を直登してさらに登っていく。50分くらいで奥穂高岳山頂に到着する。槍ヶ岳より少しだけ高い山頂の眺めは圧巻だ。ここより高い山は近くにはない。上高地から見上げるような前穂高岳も低く見える。天気がよければ白山や中央南アルプスもよく見える。ここの山頂はあまり広くない割に人が多いので一通り見渡したら場所を譲ってあげよう。
 ここから北穂高岳を目指す。一旦白出のコルまで戻る。急な下りなのでスピードをセーブしながら下りる。山荘がこの日の中間地点なので昼食をとると良いだろう。山荘から北穂高岳へは険しい岩山を登ったり降りたりのコースになる。鎖があったりして結構険しい道だが身軽なのでそれほど苦労しない。涸沢岳はいつの間にか通過してしまい北穂高岳の頂上に着く。すぐ先が山荘である。ここから槍ヶ岳の方を見ると細い尾根の大キレットが眼下遥か下に南岳まで繋がっていてゾッとするほどだ。今度は涸沢を目指すわけであるが、今来た道を少しひき返すと分岐点に出るので、左へ下っていく道をとる。1時間と少しで涸沢に着く。
3日目:横尾を通っていく1日目と同じ道を選ぶのが無難だが、飽き足らない人はパノラマ新道を行くと良いだろう。途中に雪渓を横切るところがあるので、そこの状態を小屋番に聞いておくのが良い。雪が多いと横切るのが危険になるので必ず確認しておこう。ルートは小屋の裏側から屏風の頭のほうへ水平に行く道である。途中で槍ヶ岳の先端部が見えるところがある。槍ヶ岳が見えるのはここが最後になるのでよく拝んでおこう。屏風の耳の直下まで来ると今度は急な下りになる。草原の中の下りで高山植物が咲いている。森の中を歩くようになってしばらく行くと奥又白谷に出るのでここからこの谷に沿って梓川の方へ降りていく。森の中に道があるはずだ。梓川にぶつかるところまで来たら右への車道を少し歩いて新村橋を渡って少し行くと徳沢である。徳沢は広場があってゆったりしているところなので少し休んでから上高地を目指すとよい。
 

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