このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 荒川林道/ Arakawa林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
探索日 2016.08.13 / No.AK-030 
 [ 所在地 ]鹿角市・小坂町 [ 状態 ]完抜ダート(?) [ 接続林道 ]- [ 分岐林道 ]-
 延長距離も十分、クマ出没多発な危険地帯を抜けて十和田の深い森をひた巡る魅惑の完抜けルート

田県の名湯「大湯温泉」からR103号線を十和田湖方向に4キロほど進んだ「土沢」地区にある荒川林道入口です。県別地図で大湯温泉付近を眺めてみると、高井場山(668m)および杉沢山(734.3m)の山腹地帯を巡ってR103号線から県2号線付近とを結ぶルートが目にとまりますが、そのような深山地帯のいかにも奥深そうな森を巡る、十和田湖周辺の人知れぬ完抜林道の探索調査を敢行すべく、十和田湖観光そっちのけでやって来ました。
口から眺めた荒川林道の様子ですが、人里遠く離れた深山地帯に赴く心の準備を整える間もなく、いきなりダート状態で鬱蒼たる森の奥へと道が延びていました。ちなみにこの荒川林道、鹿角市のR103号線(大湯温泉付近)から入線すると、「行内沢(おこないさわ)」伝いにその源流部へと向かって遡り、山越えをした後は「七滝沢」伝いに下って小坂町の県2号線そばの「上向」地区へと至るコースとなっています。
→地図で確認する!
んな感じの荒川林道へいざ突入しますが、林道へと一歩足を踏み入れると、そこは右も左も濃密な樹林と薮に囲まれた緑一色の世界でした。始終、深い森を行くのみで眺望やパノラマなどの景観的なものはほとんど望めない予感がしますが、それはそれで望むところ。ほのかに緊張を伴う深山地帯の本格的な林道探索もまた楽しいでしょう。
線早々に押して周囲から圧迫してくる山深さに軽く緊張を覚えてしまった荒川林道。一歩足を踏み外せば、すぐに遭難しそうな深い森の奥へと林道は向かっており、路面状況的には問題なかったですが、軽快な機動力を誇るオフバイクでなかったならば、その山深さゆえにとても立ち入る気になれない雰囲気が漂っていました。
こを進んでいるのか皆目検討もつかない深い森の真っただ中にワダチダートが続いていますが、実はここで緊張を強いるのは森の鬱蒼たる雰囲気ではありません。現実味を帯びたクマとの遭遇です。なんと、荒川林道を探索した2016(平成28)年、大湯温泉付近では5月下旬から7月上旬にかけた僅か1ヶ月ほどの間に6人がクマに襲われて死亡していたんですね。もちろん、探索時は知る由もなかったですけど・・・。
脇から圧迫するように迫る夏薮の回廊を進みますが、いきなりクマと鉢合わせしても不思議はないほど見通しが悪いですね。この付近に棲息するクマ、すなわちツキノワグマは一般的に草食性に偏った雑食であり、春から夏は若芽や山菜の類を、秋は木の実などを食べますが、とくに食べ物が少なくなる暑い夏はその限りではないらしいですよ。
図上では実感できませんが、実際に現地を走行してみると想像以上に山深く鬱蒼たる雰囲気の充満していた荒川林道のダート。路面状況に問題はありませんが、訪れた林道ライダーを心細くさせるのは、なによりも見通しの悪い閉塞感でしょう。そのように薮の繁茂する山の状況もあってか、クマ襲撃のピークは5〜9月らしいとのこと。覚えておいてください。
北の林道はひとたび荒れると容赦のない状況を見せますが、荒川林道については今のところそのような事はなかったみたい。その点ではまずは一安心。ちなみにこの時期にクマに襲撃されて死亡する者の筆頭はネマガリタケ目当ての山菜採り。林道で出会うと、殺気立った痛いほどの視線を向けてくる山菜採りですが、強欲にかられて命を落とすのですなぁ・・・。
ょっと開けた地点に出ましたが、ここはどこなのでしょうか? 地図上では明瞭な荒川林道のコースも、実際の現地ではどこをどのように進んでいるのかさっぱりでした。路面もここ最近の日照り続きで砂埃っぽくてガタガタ。
在地の見当もつかぬままにWRを進ませますが、やがて立看板が出現。なんだと思って眺めてみたところ、それはさらに林道を進んだ先に現れる「大楽前沢(おおらくまえざわ)」のイワナやヤマメ目当ての釣り師への遊漁告知板でした。
→遊漁告知板を眺める!
漁告知板にあった大楽前沢の渓流の流れは一向に現れぬまま、深い森の緑に包まれたまま進んでいきますが、ここは森林浴気分で良い感じでした。両脇はびっしりとした濃密な薮の壁ながらも、雑草のはびこる路面に白いワダチが映えてきれいだったです。
夏の快晴に恵まれて林道に暗い雰囲気こそ感じられなかったものの、見通しの悪い薮の回廊区間が連続しました。この状況、さすがにクマへの警戒感は抱かせますが、当方は歩いて森を徘徊する山菜採りにあらず。クマ遭遇率の高い徒歩とは異なって、たいていの場合はエンジン付きならではの軽快な機動力とエンジン音がものを言うんだぜぇ! すなわち、ラジオや鈴のお世話にならずとも、野生の鋭い感覚で相手が先に気づいてその場を離れます。最悪、エンジンにものを言わせた林道ライダーのアビリティ「とんずら」も一応備えているし。
理院地図によれば、国道から荒川林道へと入線するとすぐに、名称無記名の沢および行内沢の2本の流れを跨ぐ記載がされていますが、ちっとも気がつかなかったです。見落としたのか、薮に覆われて気づかなかったかのいずれでしょうが、ここで「大杉沢」という沢を跨ぐ小さな橋が出現。そして橋を渡った直後にY字分岐が現れるのですが、左折側の路肩に沢の名称を記した木杭がぽつんと立っています。
→大杉沢(左・上流方向)を眺める!
→大杉沢(右・下流方向)を眺める!
杉沢の橋を渡った直後のY字分岐の右折方向です。パッと見して酷く薮むしていた左折側はピストン系の名無し支線であると睨み、こちら側が荒川林道本線であると判断。道標の類はなにもないため確証は持てませんが、とりあえず右折方向に進路を取っておきました。ちなみに持参していた県別地図では終点まで1本道で記されているだけで途中の分岐は完全に未記載。後日眺めた地理院地図では、途中数カ所に破線で示される山道の分岐が数カ所に記されていますが、現在地をはっきりさせることは困難でした。しかし、それこそが人里離れた山深い山中の林道ならではの地図をあまり当てにできない現実なんですね。
→左折方向の様子をうかがう!
況から判断して荒川林道本線であると判断した左折方向に続くダートを進みます。ダートを取り囲む樹林とクマザサの薮がかなりの圧迫感を与えてきますが、路面状況はそれなりにまとも。ワダチの雑草も背丈は高いですが、しっかりとした道筋が続いていました。しかし、本線はこちらで本当に正解なのだろうな・・・。
→さらに荒川林道を進む!
→探索中止!
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