このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

探索日 2011.08.13
No.AO-052

蒲田線■東通村 ■全線ダート
■砂子又「上田代」地区から蒲野沢「桑原」地区とを結ぶ

 猿ヶ森海岸砂丘の背後に控える広大な森を貫く草深き完抜けダート林道 

 ↓その鬱蒼たる草深さを楽しいと思うか、苦痛と感じるかは個人次第ですが、
 路面的には穏やかで、完抜けしているのでそういう意味では走りやすいかも。


……こんな感じ……
■下北半島尻屋崎の付け根部分に展開する丘陵の広大な森の中に延びる完抜けダート林道。コース的には丘陵地帯に位置するため、特に急坂もなく穏やか調子で延びているため険しさはなく、また路面的にもダートはフラットで走りやすい。ただし、手付かずとも言えるような、ほとんど人の立ち入らない森の中に延びているため、その草深さはかなりのものがある。ただでさえ昼なお暗い鬱蒼とした森の雰囲気に薮の繁茂が加わることで、なかなかの凄みを演出。とは言っても走行的にはさほど問題はないので、雰囲気負けしなければ、かつ、いわゆる自然好きな方なら、ここは意外と楽しいかも。なお、途中にて無数に現れる名無し系の分岐での道迷いにだけは要注意。

■青森県東通村の林道といえば、全線舗装林道である目名砂子又線くらいしか知られていませんが、尻屋崎から小田野沢へと連なる「猿ヶ森砂丘」の背後に控える「トヤ森」や「登森」、「高折森」、「大森」などといった、せいぜい148mから208m程度の山が連なる鬱蒼とした広大な森の中にも当然ながら林道は存在しています。ただし、なぜかこのエリアは林道探索的には空白地帯となっているらしく、その手の情報は一切無し。ならば「ここは自ら調査するしかないだろう」と一念発起、東通村の海岸沿いの広大な森の中に延びる林道の一つである蒲田線の入口にやって来ましたよ。
■で、これが砂子又「上田代」地区にある蒲田線の入口の様子ですが、ご覧の通りその入口には林道を示す標識は一切ありません。ちなみに上田代地区は、場所的にはむつ市方面から尻屋崎へと向かう場合に通過することもあるかとは思いますが、肝心の林道入口がこんな状況なので、仮に林道好きが通りかかったとしても、まず立ち入ってみようなどとは思わないでしょう。いや、それ以前に気が付かないだろうな…。
■蒲田線に入線すると、すぐにダートは畑地の脇の坂道をいかにも農道くさい雰囲気で駈け上っていきます。まあ、まともな林道ライダーであれば、入口には林道標もないことだし、どこかに抜けているのか否かも分からないような、こんな未舗装路は即退出でしょうけど…。
■ですが、入線直後の急坂を登り切ると、怪しげな雰囲気のワダチダートは途切れることなく森の中へと突き進んでいます。見るからに草ボーボー状態ではありますが、この蒲田線、とりあえずは死んで(廃道化)はいないようですね。
■鬱蒼とした森の中に延びる蒲田線のダートは、ワダチ部分を辛うじて残してほぼ雑草に覆い尽くされた状態に! あからさまに濃ゆい緑の中に延びる2本の純白なワダチがとても眩しく見えてしまいます。走行的には問題ないですが、ここはかなり草深いかと。
■そしてダートをたどって進むにつれて森の雰囲気は徐々にその鬱蒼さを増すことに。ちなみに、この蒲田線を訪れたのは実はこれが最初というわけではないのですが、その時は暗闇迫る夕刻間近ということもあって、今以上に相当な凄みのある雰囲気であったため、途中にて勇退してしまったという経緯があります。ただし、入線したのは反対側の蒲野沢「桑原」地区からであったため、果たして道が消滅せずに猿ヶ森「上田代」地区から抜けているか否かは不明ではありますが、かりにもここには一度訪れたことがあるため、この迫ってくるような鬱蒼さもあまり気にはなりません。
■この蒲田線、路面を埋める勢いにて繁茂する薮の状態からうかがうと、とてもまともな道には見えませんが、路肩にはこのようにガードレールが設置された区間も存在。これは山道や作業道の類ならば決して施されない設備であり、このことからも当ダートは、建前上は車の通行を意識した道であることが分かります。ただし、一般車が通行することは限りなくゼロに近いでしょう。
■「おおッ、こんな所に林道標が!!」入口からかなり進んだ地点の路肩にポツンとたたずむ木杭状の林道標を発見! 肝心の入口には設置されていないのに、よりによってこんな中間地点にのみ設置されていたとはね! これじゃぁ、ここが蒲田線であることはますますもって気が付きませんよ。
■その後、途中に路肩の薮が少し刈られて車同士の行き違いスペースらしき空間が設けられていました。このようなスペースは以降も何カ所かに現れますが、車両の通行が極めて気薄な蒲田線にあっては、ほとんど意味無いな。
■今にも薮に埋没しそうなワダチが深い森の中に淡々と続きます。路肩の濃ゆい茂みの中から突然ケモノでも飛び出してきそうな雰囲気ですが、こちらの気配を察して身を潜めているのか、そういったものに遭遇することはありませんでしたけどね。
■そして蒲田線の沿道にて唯一開けていた場所がここです。ここではなんとなく展望が望めそうな気もしますが、前方に低い山の尾根らしきものが見えているくらいで、それ以外に目に入るものはといえば、やはり激しく茂った緑のみでした。
■路面的には一部でズルズルした砂地っぽい区間もあるようですが、蒲田線のダートは走りやすい部類に入ると思います。雑草の繁茂が激しいので走行ラインがやや限定されがちですが、それでもそうしようと思えば、ここは飛ばせる感じです。ただし、そうするとタイヤ周りに雑草の蔓が頻繁に絡み付いてきますけど。
■蒲田線の沿道には自然林が展開していますが、所々で植林された区域もある模様。ということで、今でこそ寂れたこの林道は元々は林業従事道路として開設されたのかもしれません。ちなみに、林道名の「蒲田」というのは地名ではなくて、この辺りの開発に携わった先人の人名とのこと。
■時たま植林区域に差しかかりますが、基本的にはこのような自然林に囲まれてダートは延びています。ここは山岳地帯の森ではなく、海岸砂丘の背後に控える平地の森なので地形的な険しさはないですが、その奥深さについては話は別。林道から一歩でも森の中へと踏み込んだならば、速効で方向を見失って遭難してしまうことでしょう。
■沿道には似たような森と薮の景色が続くので、蒲田線を走行していると現在地はもちろん、どれだけ走ってきたかの距離感覚も無くなってきます。これが山岳林道であれば、登ったり下ったりで、それとなくどこを走っているのかが僅かながらも分かるものですが、ここではほぼ平坦路続きなので、まったくもってさっぱりです。全然先が読めませんよ。
→探索中止…
→さらに蒲田線を進む!

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