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 長沢林道/ Nagasawa林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
探索日 2014.08.12 / No.AO-082 
  現在進行形で深まりつつある抜群の荒廃感、嫌気のさすような濃密な薮と雑草のピストンダート


↑終点まで進んでみても見るべきものは無く、ただただ薮深いのみの長沢林道。そういうのが好みな方以外は立ち入らない方がよろしいかと…。
兵衛林道から分岐するピストンダート。ただひたすら山深い鬱蒼たる山中へと分け入る林道で、コース的に限ってみてみれば、目立つ急勾配もなく険しさは皆無だが、ほとんど途絶状態とも言える車両の通行の希薄さによって荒廃が進んでいるのが現状である。ゆえに夥しい薮と雑草が繁茂し、路面の土は流失してゴツゴツな岩がそこかしこで露出、正直いってそのダートは走りにくい。廃れた広場の終点まで進んでみても、途中で視界に入るのは絶望的な薮の緑のみ。その閉塞感に辟易してしまう。

 [所在地]今別町
 [路面状況]全線ダート / ピストン
 [コース]安兵衛線から分岐して山中に延びる

別町から外ヶ浜町とを結ぶ安兵衛林道を探索中に発見したのがこの長沢林道。入口には文字の消滅しかけた頼りなげな林道標がぽつんと設置されていましたが、もしもそれが無かったならば、名のある林道にはとても見えないダートが鬱蒼とした寒帯性ジャングルの森の奥へと続いています。入線するまでもなく、パッと見しただけで草深いその状況が分るというものですが、この長沢林道を発見してしまったのもなにかの縁、とりあえず突入してみます。
うわッ…!」想像していた通り、入線早々にしてこの草深さはなんとしたことか! はびこる雑草の中のワダチ部分に辛うじて地面の土が茶色く見えているので、ここが車道であることが分りますが、これはもうほとんど通行の途絶した状態といえるかも…。
びこる雑草の緑に覆われたダートのワダチを頼りに進んでいきますが、唯一の走行ラインであるワダチ部分がびちゃびちゃと湿ってきましたよ。数日前に降った大雨の影響がまだ残っているようでした。ここ、照りつける真夏の灼熱な陽射しとムワっとした草いきれ、そして立ち上る湿気で不快指数は100%! ちょっとでも立ち止まると汗ダラダラ状態に陥ります。
ダチ部分もけっこう荒れていました。このような支線林道では路面メンテが実施されることもないらしく、雨水で土が洗い流されたワダチには大量の石屑がガラガラに露出。おまけにいまだ流れ続ける水流でびちゃびちゃにつき、かなり走りにくかったです。
路と化した左側のワダチ部分を避けて仕方なく右側を進みます。それでも擦れる雑草から水滴を受けてしまい、ウェアの足回りはすでにびしょ濡れ状態。でもこのような草深いピストン林道では足の汚れなど気にはしていられないのが実情ですよ。ウェアはそのためのものでもあるしね。
もすればバランスを崩しがちであった逃げ場のない水浸し区間。左右のワダチが雨水でタプタプ状態に…。さらにここは崖崩れ跡らしく、堆積した土砂によってワダチ部分がトロトロのヌタ場になっていたんだっけ。バランス命でウェアの汚れよりも転倒回避を優先します。
かし、どこをどのように進んでいるのかさっぱりでした。林道の位置する周囲の地形もほとんど把握できません。なにせ視界に入るのは濃密にはびこる原色の緑のみ。道すがらの眺めなんぞあったものではなく、ひたすらにただ雑草の中を進んでいるといった感じでしょうか。
滅しそうでいながら消えることなく続く長沢林道のワダチはたちが悪いです。いっそ、ここいらでダートが自然回帰してくれていたら素直に引き返せるものを…。草深くても物理的には進めてしまうので、ずるずると林道の深部へと誘い込まれてしまいました。
びこる雑草の背丈も次第に高くなってきました。これで胸の辺りくらいでしょうか。雑草がワサワサと全身に擦れる感触がゾッとします。林道ライダーが藪漕ぎで参ってしまうのは閉塞的なその雰囲気もありますが、この素敵なボディータッチの感触も大きいのではないでしょうか。もちろん、それ以外にも超最悪の場合はツツガムシというダニ系の害虫の存在もなきにしもあらず。ここは「ツツガなく」いきたいものです。
もここ、路面的にはガレていませんでしたよ。先述のヌタ場と化した水浸し区間は別ですが、それ以外ではこの通り。雑草の下に隠された路面はまだオフバイクの通行に耐えうる状態でした。とくに雑草で隠された路面への落石もほとんどなかったなぁ。
は言ってみても、ここまで進んでくるとやはり雰囲気的にもかなりの廃れ感がありました。林道の道筋ラインに沿ってそこだけ不自然に樹木が生えていないため、その部分が道であると認識できるものの、すでに車両の立ち入りは完全に途絶えたと宣言してもよい状況です。
して長沢林道の末端地点に近づいたのか、その後あれよあれよと言う間に路面状況は悪化。夥しい雑草に覆い尽くされた路面は、永きにわたる枯れ草の放置でフカフカな腐葉土に…。路肩の薮に埋もれて存在していたカーブミラーが「ここは車道である」ことを虚しく主張していましたが、ダートはまさに自然回帰の一歩手前といったところです。
ロントを取られがちな腐葉土ダートをしばらく進むと、やがて幅員が広がって広場のようなぽっかりとした空間に到達。終点を示す林道標などあるはずもなかったですが、長沢林道の終点だと思われます。現在は雑草がはびこって無惨なものですが、林道開設当初は車両の回転場として整備されたのでしょう。ま、草深い山中の廃れたピストンではこんなもんですね。
れでも一応念のため、広場の先を眺めてみますが、そこはご覧の通り薮の壁でした。さすがにもうこれ以上は進めません。WRも「イヤだ」と言っています。そして木こり道などの山道の類も存在していませんでしたよ。それにしても途中で薮に埋没、もしくは自然消滅しているかとも思われた長沢林道でしたが、末端地点まで来られたことは予想を裏切る嬉しい展開。思わずニヤリと含み笑いをして今来た雑草まみれのワダチを戻って長沢林道の探索は終了です。
→探索終了!
→引き返して安兵衛線に向かう!
→その先の様子を眺める!
→振り返る!
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