このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

探索日 2010.11.28
No.C-151

笛倉線■大多喜町 ■半ダート
■大多喜町「押沼」地区から「広沢」地区とを結ぶ

 完抜け、そしてほぼ全線ダートで房総を満喫できるお薦め林道がここに! 

 ↓完抜けしているので引き返す必要が無く、房総らしい適度な荒れで楽しめる
 のが笛倉線です。冬場の林道探索にはまさにうってつけな1本なのでぜひ!


……こんな感じ……
■大多喜町に存在する完抜け林道。林道標は押沼側にのみ設置されており、こちら側から入線すると幅狭な舗装坂道を登りきった地点からダートが開始。広沢側の出口付近では農道をも兼ねているためか、走行困難な荒れこそないが、ヌタ、土質を中心とした多彩な路面状況が見られる。地点によってはスリッピーで決して走りやすくはないが、完抜けしているため通り抜けてしまえばよいわけで、その分だけ房総林道らしい適度な荒れを気楽に楽しめるというもの。ダート沿いには沼のような溜池が次々と現れ、沿道の雰囲気は基本的にはジメジメとして暗めだが、紅葉の時季については素晴らしいものとなる。延長距離はさほど長くはないが、林道的には楽しめる。

■大多喜町には無数に林道が存在していますが、そのほとんどは舗装マニア林道であり、いわゆる林道ツーリングの対象としては「?」的なものが多いのが実情。マニア林道もよいけれど、たまには完抜けで路面はダート、それでいて全く知られていない林道にて正統な美しい林道探索を行うべくやって来たのが、大多喜町「平沢」地区に起点があるこの笛倉線です。ここがその起点なのですが、笛倉線の入口はちょっとした味な真似をしている状態にありました。現地に立てばすぐに分かりますが、画像をようく眺めてみれば分かるかも?!
→周囲を調べる!
→周囲を調べる!
→振り返る!
■笛倉線に入線すると押沼地区の民家を左手に眺めつつの登り坂が始まります。ただし、この地点では路面はまだ幅狭でコケむした舗装路状態。入線直後はこんな状況なので、一見すると「ここも舗装マニア林道か…」と思ってしまうかもしれませんが、ちょっとの間の辛抱ですよ。
■入線直後に開始する坂道を登りきると、野原と化した休耕田もしくは廃田のような荒れ地脇にて舗装路はエンド。いよいよここからダート区間の開始となり、前方のいかにも薄暗そうな森の奥へと吸い込まれるように道筋が延びていました。
■笛倉線のダート路面状況は一様ではなく、区間によってこまめに変化してるのですが、ダート開始直後は僅かに岩盤が頭を覗かせたガタガタ状態に。ダートでありながらも固く締まって車両の通行もたまにみられる標準規格の林道とは異なり、どことなく土臭い簡易的な雰囲気が漂っています。
■藪じみた森の中のなだらかなアップダウンををたどっていくと、このように右手が少し開けた地点が現れます。笛倉線の沿道の山中には幾つかの沼(正確には溜池)が存在しており、ここでは右手にそれを眺めることが可能。ただし、路肩からコースアウトした場合は即水没なので、雨天直後の路面スリップにだけは注意が必要でしょう。ちなみにXRに降り注ぐ神々しい輝きは…、残念ながらただの逆光です。
→沼を眺める!
■沼を右手に眺めてさらに前進すると路面は枯れ葉まみれの土質ダートに変化。ちょっとした切り通し地点を抜けていきますが、ぬたぬたしていそうな濃ゆいこの雰囲気はいかにも房総林道、それもピストンダートにて見受けられるそれとほぼ同様な雰囲気です。これじゃぁ、一般車が立ち入ってくることもまずないでしょう。
■枯れ葉にまみれてあまりそのようには見えませんが、地点によってはご覧の通りスリッピーなヌタ区間も存在しています。極太な青竹の茂る竹林の中、決して走りやすくはないですが、致命的でもないため、ちょっとした房総林道らしい荒れを楽しむにはまさにぴったりだと思います。ただし、あまりナメ過ぎているとハンドルを取られてヒヤっとしてしまうかもしれませんけどね。
■とは言っても先述したとおり、ダートの路面状況はこまめに変化していくためフラットな区間もありました。全線に渡ってヌタ質であったら、さすがに「おえぇ〜」とげんなりすることでしょうが、そうではないので楽しめるというわけです。ただし、雨天後直後については当然ながら話は別。
■そしてさらに進んだこの地点では、若干もっさりとした砂利と頭を覗かせたゴツゴツとした岩盤が混合したような感じに。砂利は深いというほどでもないですが、ややズズっとタイヤが引っ掛かるような感触でした。なお、この地点では左手に作業道らしき分岐があって、分岐直後さらに二手に分かれていますが、いかにもヌタヌタとしていそうな雰囲気に。
→左折分岐を眺める!
■岩盤と砂利の混合区間を過ぎたその先はフワフワとした土質っぽい区間となります。それにしてもこのダート、こうして眺めてみると路面規格はやはり簡易的であり、雰囲気的には作業道のそれがプンプンと。ここがピストンならば、どこまで進めるのかヒヤヒヤものですが、笛倉線は完抜けしていることが分かっているので妙な緊張感はありません。その場その場の路面状況を味わいつつ探索を続けます。それにしてもこんなダート林道があったとはね。
■その後、今度は左手にやや大きめな沼を眺めつつ進む区間が出現。夏場には生い茂る雑草の草いきれで沼岸はムンムンしていそうな感じですが、折りしも探索したのは晩秋です。冬枯れの時季を迎えて雑草の繁茂もなくすっきりとした感じでした。やはり林道は、特に房総林道のメイン探索時季は秋がベストであると言えるでしょう。
→沼を眺める!
→周囲を調べる!
■このように沼を回り込むように沼岸に沿ってダートは延びています。ちなみに、森の中の沼というと薄暗い印象を抱きがちなのですが、そこだけポッカリと開けて陽が差し込んでいるため、実は逆に意外と明るかったりする場合もよくあります。ここはそんな感じでしょうか。
■沼の岸べのフカフカダートをさらに前進しますが、紅葉の時季に限っては、ここはなかなか見応えのある景色が展開しているので余りペースが進みません。少し進んでは立ち止って沼と紅葉を眺めるの繰り返し行動に陥ったので。
→沼を眺める!
■左手に展開する沼岸をその端まで進むと周囲は藪じみた状態となりますが、その後再び右手に沼が現れます。基本的には薄暗い森の中に延びる笛倉線のダートですが、意外にも水と関わり合いの深い1本でもあると言えましょう。
→沼を眺める!
■残念な沼の状態を目にして先へと進みますが、この杉林を抜けた地点でさらにもう一度右手に沼が望めました。どうやら先述の沼とつながっているようで、ここはその端の地点にあたるようです。特に急ぐ林道探索でもないので、くどいですが再度眺めておくことに。
→沼を眺める!
■最後の沼の脇を抜けた先には山間に開かれた水田が現れるのですが、なんとそこでは田圃脇にて道普請をしているお爺さんに遭遇! 聞けばこの田圃があるため自ら林道の路面維持作業をしているとのこと。しかし、この田圃もいつまで続けるか分からず、そうなれば林道の荒れは一挙に進んでしまうだろうとのお話でした。一方で潤沢な林道マネーが注ぎ込まれる林道とは異なり、 このような自助努力で切り開かれた零細な林道では舗装化などはあり得ず、それ以前に維持管理が滞って廃道化してしまう恐れの方が大きいのが現実。ちなみにお爺さんはカブにて林道入口まで、そこからは徒歩にて田圃まで通われていましたが、XRでここまで通ってきた区間については「荒れてしまったので儂は決して走らんよ」と言っておられました。お爺さんの言によれば、そのようにして廃道化した道が付近には無数にあるそうです。
■田圃脇で出会ったお爺さんの話にうなずき、その脇を失礼して少し進むと「平沢」地区とR297号線とを結ぶ町道に合流して笛倉線はここでエンド。総じての印象を述べればどことなく作業道臭の漂う笛倉線。ほぼ全線ダートで完抜け、房総ならではの各種路面シーンが楽しめ、さらには林道の現実についての話という余録付きで充実した探索となりました。舗装マニア林道の多い千葉県下では珍しく貴重でもある「正統な美しい林道探索ができたな!」と我ながら思うことしきり、これにて笛倉線の探索は無事終了!
→付近を調べる!
→探索終了!

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