このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

探索日 2008.07.21
No.F-072

鬼ヶ頬線■棚倉町 ■全線ダート ■分岐→日山沢線
■「北山本」地区から山中に延びる

 平坦コースで心地よいダートが続く木材搬出の盛んな中距離ピストン 

 ↓路面はフラットで走りやすく延長距離もそこそこあってダートランを気持ち
 よく楽しめる1本に。沿道の雰囲気も良く、ピストンながらもお薦めです。


……こんな感じ……
■八溝山の福島県側の山裾にある鬼ヶ嶺(869m)に向かって延びる中距離ピストンダート。林道名にもなっている鬼ヶ頬沢に沿って平坦かつフラットで走りやすい快適なダートが続く。沿道では随所で木材搬出作業が盛んに行われ、まさにここは林業のための林道であり土場も存在する。そのため末端区間は若干草深いが、全線を通して荒れやガレは見られない。山深い森林地帯に延びるため眺望的なものは皆無だが、山は植林地帯にありがちな杉やヒノキ一色というわけでもなく、ここは森林浴気分で気持ちよく走行できるだろう。鬼ヶ頬沢の流れとの併走区間もあって雰囲気的にもなかなか良い。途中で作業道数本と日山沢線を分岐する。

■R118号線から県231号線に進み、途中で県80号線方面に右折すると「北山本」地区付近にある鬼ヶ頬線の入口手前の地点です。北山本方向からやって来ると、舗装路がダートになったにもかかわらず鬼ヶ頬線の林道標が現れないので、「ここはすでに林道標消滅もしくは未設置か?!」と嫌な予感がしましたが、林道標は道なり(左手)の左カーブを曲がった先に設置されていました。 ちなみに右手の登坂ダートは名無しのピストンになっていますが、初めてこの場所にやって来ると、どちらが鬼ヶ頬線であるのか迷ってしまうかもしれません。
■で、ここが先述した林道標の設置された鬼ヶ頬線の起点になります。コンクリブロックおよび看板状の新旧2本の林道標があり、それによれば当林道が起工されたのは大正13年とのこと。開設以来、ゆうに人の一生分、それもかなり長寿を全うした場合の歳月が流れたということになり、そういう意味でもどのようなダートが延びているのかとても楽しみですね。
■林道標の立つ起点を後にして平坦なフラットダートを少し進むと土場がありました。入口の看板には「鬼ヶ頬土場」と記されており、搬出を待つ丸太が点在して置かれていました。何かの作業をしている軽トラの姿もあり、この鬼ヶ頬線は生粋の林業系林道みたいです。
■土場を過ぎて先へと進むと右手の斜面を鬼坂で登坂する作業道の分岐が現れました。沿道の木材伐採のために取り付けられたらしく、これくらい勾配角度がキツいとまともな車両では登れそうにもなく、ヌタヌタな路面にはキャタピラ跡が残されています。
■続いて今度は左手にも作業道分岐が。入口脇には切り出されて一時的に集積されていると思われる丸太が積み上げられています。いわゆる林業系の林道では、山の隅々から木材を搬出するという目的からも作業道を含めた支線の開設が重要となり、このように生きた支線の多い林道ほど、重要度が高いのかもしれません。
→作業道の様子を眺める!
■ならば、名のある支線林道があってもよろしかろうと思うのですが、やはりありました。作業道分岐から少し進むと再び土場のような広場があって、そこには右折分岐する日山沢線のダートが! ここは進むほどに作業道化してしまうピストンですが、本線である鬼ヶ頬線は林業的には活気があるので、この支線もちゃんと生きて(廃道化されていない)いるようです。
→日山沢線に突入!
■日山沢線の分岐を過ぎてさらに前進すると、こんな美しいワダチダート区間が! 特に勾配がかっているわけでもなく、水平フラットでとても良い感じでした。周囲は鬱蒼とした森に囲まれて視界的には開けていませんが、森林浴気分で雰囲気的にも悪くありません。
■いい感じでしばらく進むと、今度は鬼ヶ頬沢との併走区間が始まります。鬼ヶ頬線は地図上ではこの沢に沿って延びていますが、道すがらに流れを眺めつつ走行できるのはここだけであり、鬱蒼とした森に囲まれた山深い林道では、沢沿い区間はちょうどよいアクセントになりますね。
→沢の流れを眺める!
■山の谷間に流れる鬼ヶ頬沢に沿って蛇行しつつダートが延びています。路面は土質っぽかったですが、木材搬出車両が頻繁に通行するためか固く圧縮されており、タイヤによって掘り下げられた溝などもなくこれはなかなか快適に。
■「あちゃ〜!」沢沿いをしばらく走りその後沢の流れが離れていくと、その先にて木材搬出作業が行われていました。行く手の山の斜面には積み込みを待つ木材がてんこ盛りで、林道重機がせかせかとそれらを掴み持ち上げてトラックに乗せ込んでいます。作業は当分終わりそうにもなく、車だったらここで本日の探索はあえなく終了となりますが、こちらは身軽なオフバイクなので路肩の隙間を通らせていただきました。
■先述の木材積み込み作業が行われていた場所が鬼ヶ頬線における林業作業の最前線らしく、そこを過ぎると路面状態が草深いものへと変化。それまで固く圧縮されていた路面も柔らかい感じとなっていることから、この先へはトラックなどの大型車両はもう入らないようです。
■進むにつれてわずかながら雑草が勢いを増してきました。ワダチ部分を残して路面が一面に緑化しています。ただし、それでもここには希に車両の通行があるらしく、荒廃していたり藪道化していることはなさそうでした。
■ひょろりとした感じでワダチがなおも続きます。ダートは途切れそうでいて途切れずに続き、これで先は半ば見えたような感じですが、なんとなくずるずると奥へ奥へと誘い込まれているような気分に。ピストンの末端区間ではよくみられる光景です。
■路面は荒れてはおらず雑草がはびこっているだけにとどまっていますが、当然ながらここまで来ると人の気配が全く感じられません。「また、こんな山奥まで来ちゃったな」と思いつつ、いずれ現れる終点を目指してゆっくりと前進します。
■そして最終的にはダートはここで自然消滅。広場になっているわけでもなく、完全に道が途切れているわけでもなくて中途半端な感じです。辺りをよく眺めてみると、正確にはかすかな道筋がここで右折してなおも続いているのですが、事実上はここが鬼ヶ頬線の終点とみてよいでしょう。というわけで鬼ヶ頬線の探索はこれにて終了です。
→探索終了!
→右折側の様子をうかがう!
→右折側から終点を眺める!

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