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探索日 2008.07.20
No.F-079

銅山線■いわき市 ■全線ダート ■分岐→千軒平支線・檜山支線・銅山支線・桐ヶ岡線・大戸沢支線
■県363号線「四倉町玉山」地先からR399号線「茱萸平」地先とを結ぶ

 鉱石搬出路を兼ねた中距離ダートは支線も豊富で探索し甲斐あり! 

 ↓ダートは鉱石運搬路区間といわゆる林道らしい区間とに二分されますが、総
 じて走りやすく、豊富な支線探索と併せて心ゆくまで楽しめる1本です。


……こんな感じ……
四倉町玉山地区へと延びる県363号線を遡ると「新八茎鉱山」を過ぎた先にて1本道でダートが開始、 二ツ箭山(709.7m)の山肌を巡ってR399号線へと抜ける完抜け林道。県道側から入線すると途中の石灰山砕石場までは、鉱石運搬路となっているため幅員も広く、アスファルト並みに圧縮されたダートが続き、そこを過ぎると幅員もぐっと狭まっていわゆる林道らしい深い山中の森の中を行くコースとなる。全体的になだらかな勾配が連続するが、基本的には穏やかで砂利質路面は走りやすい。立地的に山深い山中を抜けているためやや薄暗く眺望的なものは望めないが、支線分岐も豊富であり、途中には鉱山系の見所もあるので楽しめる1本になっている。

■県363号線を玉山鉱泉方向から遡っていくと、石灰石および砕石の採掘を行う 新八茎鉱山 を過ぎた先にて、県道としての道筋がダート化してそのまま1本道で林道となる、銅山線のいわき市四ツ倉町玉山地区側の入口です。鉱山ではかつて銅やタングステン、鉄鉱石も採鉱していたらしいので、林道名はまさにそこから由来しているのでしょう。ちなみに、ダートは林道標の設置地点の手前からすでに始まっています。
→起点を振り返る!
■林道標の立つ起点から前進すると、薄暗い山中の谷間に沿って蛇行しつつ幅広な砂利ダートが続きます。きれいに均された路面は、いわゆるダート林道としてはやけに整備の行き届いた感じもしますが、これは銅山線をこの先さらに進んだ地点に石灰山の砕石場があって、その鉱石運搬路になっているためです。
■詳細はよく分かりませんが、かつてはここに航跡搬出の鉱山鉄道が敷かれており、銅山線はその軌道跡が林道化したとのこと。それでも鉱石運搬路としてここは現役なので、路面維持のためバラストが定期的に補充されるらしく、ダートは真新しい砂利で白みがかっていました。重量の重い鉱石運搬ダンプの往来によって固く圧縮された路面はまるでアスファルトみたいです。
■路面的にはアスファルトじみたダートが続いて走りやすいですが、道筋が通っている場所はなかなか険しいようで、右手側の路肩は落ち込むような深い谷間になっています。こんな所をダンプが通ってよく路肩が耐えるな、と感心してしまいますよ。なお、画像が白みがかっているのは早朝につき朝霧が発生しているためです。
■いかにも鉱山系の林道らしい圧縮された白い砂利ダートをたどってしばらく進むと、やがて前方にコンクリ橋が見えてきました。沢のようなその流れは仁井田川というらしく、銅山線は仁井田川に沿うようにして山中深くへとさらに続きます。
→仁井田川の流れを眺める!
■林道沿いに流れる仁井田川のコンクリ橋を渡ると、左カーブの途中で右手の山中に登坂していく分岐地点が現れます。これはピストンの千軒平支線なのですが、付近を見回してみても肝心の林道標はありません。このような場合、林道標はすでに朽ち果てしまったか、それとも生粋の名無しであるかの判断はつけ難く、しばし支線好きな林道探索者が陥る悩み所でしょう。当支線を紹介する林道系サイトでもここは「名無し」として扱われていることもあるようです。ちなみに、この千軒平支線は銅山線に設置された分収林区域図によってのみ、現地にてその名称を確認可能となっていました。
→千軒平支線に突入!
■千軒平支線の分岐を過ぎると登り坂が始まりました。そして途中の右手路肩に先述の分収林区域が設置されています。林道標がない場合や、付近の詳細な林道位置関係を知りたい場合にはとても役に立つ存在ですね。なので、この分収林区域図というやつが現れた時は、とりあえず無条件で必ず眺めるようにしています。
→分収林区域図を眺める!
■登り坂を登りきると、その先の左手に「←八茎分校跡」と記された木製の標識がありました。今でこそ付近に民家などは全く見当たりませんが、かつては例の八茎鉱山が栄えていたので、鉱山労働者の社宅やその子弟の通う学校などが付近に存在して賑わっていたということでしょう。

  親の代から 鉱山暮らし〜
  北はサハリン 南はホンコン 流れ歩いたこともある〜
  本当は寂しい 本当は寂しい 鉱山野郎…♪

との愛歌「鉱山野郎」も今はすでに忘れ去られて熱唱されることもなく…。
→八茎分校跡を眺める!
■分校跡を過ぎて少し進むと神社がありました。これは県別地図などにも鳥居マークで記されている「銅山神社」で、今もひっそりとお山を鎮護していますが、活気に溢れていた鉱山最盛期を偲ばせる神社のたたずまいです。ダートは神社前を通って、そのまますぐ先にある石灰山の砕石場へと延びています。
→銅山神社に参拝する!
→周囲を調べる!
■銅山神社の前を過ぎるとすぐにひっそりとした砕石場入口が現れます。ここで道は直進と右手に分かれていますが、右手は砕石現場へと続いているらしく、そちらへはチェーンが張ってあるので立ち入ることはできません。銅山線本道は事務所敷地内をまっすぐ抜けて左手に続いていました。
→右手の砕石現場方向を眺める!
■銅山線のダートは鉱山事務所前を通って左手に折れると、その先の区間はぐっと幅員が狭まっていわゆる林道的な雰囲気に。砕石場のあるこの地点までが鉱石運搬路であり、鉱石運搬ダンプもここまでしか入ってきません。なので鉱山色が漂い、路面がきれいに整備されているのもこの地点まで。以降は本格的な林道らしい区間が始まります。
■ただし、すぐには登坂路や急カーブは現れず、まずはやや長めのストレート区間が続きます。路面中央には雑草が生えたりしていたことから通行量の少なさや、路面の規格が下がったことが感じられましたが、ここは見通しが良いので銅山線では飛ばせる区間でもあります。
■長い直線区間を過ぎるとカーブの連続する登坂区間が始まり、それと同時に路面状態も少しづつ変化してきたようです。それまでは固く締まって走りやすかったですが、所によっては路面に敷かれた砂利が深くてズってしまう箇所もチラホラと。ただし、一般的にみれば走りやすい路面です。
■銅山線は山深い山中を抜けるコースを取っているため、道筋を通すために山肌をぶち抜いたこのような切り通しもありました。コンクリの吹き付けで固められた、モコモコとした法面にはコケなどが生えています。
■路肩のすぐ脇が断崖になっている険しい地点も存在。危険ラインを知らせるための役割しか果たせないと思われる貧弱な鎖が張られていました。もしもここでコースアウトしてしまったなら、深い谷底へと一直線ですよ。
→断崖を眺める!
→さらに銅山線を進む!
→もう飽きた…

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