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 三原林道/ Mihara林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
探索日 2017.05.02 / No.TO-086 
 [ 所在地 ]八丈町 [ 状態 ]完抜鋪装 [ 接続林道 ]- [ 分岐林道 ]-
 道すがらに眺める太平洋の大海原、素晴らしい景観で魅了する八丈島最長の完抜け林道

もが憧れる伊豆諸島の「八丈島」。そんな太平洋の絶海の孤島にも林道はありますが、マリンスポーツや釣りで訪れる方はいても、わざわざ貨客船で11時間もかけて「林道」目当てにおもむく者はまずいないと思います。もちろん、八丈島にも数本の林道が存在することは知られており、ネットで島の林道にふれられることもありますが、どれも観光の片手間に一言二言で済ませられてしまっているのが現状。ほとんど未知な存在であることに変わりありません。同じ東京都でも奥多摩や檜原村辺りでは腐るほどあるのに、ここ八丈島の林道についての詳細な探索報告はまったくないんですね。「ならば自らいくしかあるまい!」と一念発起でやって来た八丈町三根地区の「東畑」にある三原林道の起点ですよ。
丈島は大きく分けて「三根」「末吉」「中之郷」「樫立」「大賀郷」の5地区に分けられますが、三原林道はそのうち三根から樫立を結ぶ完抜けコース。「三原山(700.9m)」の脇をかすめて延長距離は10kmを越える島で最長の林道ですが、途中に登山道の入口があるため、林道は島内観光の一部となっていたりもします。なので林道入口には林道標と共に案内標識が設置されていますよ。というわけで探索時には三原林道へと入っていくレンタル原チャリのメンズ2人組がいたんだっけ。
→振り返る!
→標識を眺める!
→標識を眺める
んな感じで前置きが長くなりましたが、それでは記念すべき「絶海の孤島林道探索」の第1本目となった八丈島の三原林道、今からいくぜぇ!!
道から右折して三原林道へと突入すると、さっそく行く手にいかにも島風情の漂う鬱蒼たる森が、さらにその先には三原山が出迎えてくれました。そして後方を振り返れば、八丈島のシンボルでもある「八丈富士(854.3m)」がダイナミックに視界に飛び込んできます。路面の鋪装は残念ですが、まあ、ここではそれを言うまい!
→八丈富士を眺める!
く手に見えていた森の中に進んでいきますが、うっすらとコケむしたアスファルトの路面はよくある鋪装林道のそれ。別に島の林道だから特別どうということもありません。ただし、シダ系の植物が生い茂り、鬱蒼たる樹木でジャングルじみた森の植生が海洋性亜熱帯の島情緒を演出。その雰囲気はやはり内地の林道とは一味も二味も異なりました。
「林道標発見!」三原山山裾の森に入って細かく蛇行しながら登坂していきますが、やがて小さな名もなき沢を跨ぐ橋のたもとに設置された林道標を発見。それによれば、この地点で起点から1キロらしかったです。林道標はここが東京都であることを記していますが、しかし、雰囲気的にはどうも違和感がありました。あはは、確かにここは「東京」ですけどね。
→林道標を眺める!
→標識を眺める!
→沢(上流・左)を眺める!
→沢(下流・右)を眺める!
していかにも「島」らしい光景がこれ。路肩に大きくそびえるヤシ科の樹です。黒潮の影響を大きく受けて温暖で雨が多い八丈島は寒暖の差が小さい海洋性気候であるため、常春の島といわれているんですね。したがって、温暖性のシダ植物が豊富でよく育つため、ここ八丈島では江戸時代の始めからシュロの樹などのヤシ科の植物栽培が行われているとのこと。普通の林道ならばスギやヒノキが一般的なのに、ここでは林道沿いにヤシ科の樹が普通に生えているのが凄かったなぁ。八丈島の三原林道はいかにもな南洋情緒に溢れています。
→路肩を眺める!
ほどの林道標設置地点からさわに1キロ進むと、またしても林道標がありました。すぐ脇には岩石製の道標が設置されていましたが、ここにはそれに加えてとある告知の立札も同時に立てられていた模様。え〜と、なになに・・・?
→告知の立札を眺める!
してその先へと少し進んだとある地点。前方右手に旧陸軍の防衛道路の分岐入口が見えていますが、残念ながら探索時には撮影するのを忘れてしまいました。持参の地理院地図で確認すると、その先には常緑性大形の木生シダである「ヘゴ自生北限地帯」があるそうですが、しかし、防衛道路は気軽に立ち入れる状態でなかったことを付け加えておきますよ。
独特の常緑樹の森の雰囲気を味わいながらコケむした三原林道の舗装路をたどって進みます。所々で路面が傷んでボコボコになっていたりもしますが、いわゆる林道らしい険しさは皆無。島のレンタカーや原チャリスクーターでも十分に走れる状態でした。
→なんだこれ!?
へ左へと細かくカーブを刻みつつ、その後もダラダラと登り坂が続きます。途中で屋根の抜け落ちたトタン小屋を目にしましたが、どうやらこれ使われなくなって放置された造林小屋らしいです。小屋の脇へと回り込んでみると、かつてこの辺りで東京オリンピック記念事業の一環として造林事業が行われたことを示す看板がありました。
→看板を眺める!
林事業の看板を後にしてさらに進みます。道すがらに眺めることはできませんが、すぐ右手に位置する「西白雲山(635m)」の山腹の斜面の森を巻いて登坂していくと、チェーン封鎖された右折のダート分岐が出現! しかし、ここは名のある林道ではなくて三原山の山腹を巡る山道の入口らしいです。地図上では再び三原林道へと戻って来るルートですが、おそらく途中で荒れているのでしょう。「危険立入禁止」の立札が掲げられていましたよ。
→右折ダートの様子をうかがう!
鎖ダートの分岐を過ぎてさらにWRを進めると、ここにも林道標が立っていました。それによれば、現在地は林道入口から7キロ地点とのこと。林道標は里程標も兼ねているようで、今現在、林道をどれだけ進んできたかが分かるのが親切だったです。
→林道標を眺める!
「三原林道、キターーッ!!」7キロ地点を通過してさらに登坂していくと、やがてダイナミックに開けたパノラマ区間に差しかかりました。見渡す眺望は息をのむほど最高に素晴らしく、「八丈島空港」のある島の中心部はもちろん、その先にそびえる八丈富士が凄まじい迫力で目の前に迫ります! もちろん、八丈島の周囲を取り囲む大海原もバッチリ!
→展望( 八丈島中心部と八丈富士 )を眺める!
→展望( 太平洋の海原と八丈小島 )を眺める!
→展望( 八丈島空港と八丈富士 )を眺める!
→展望( 三根地区と底土港 )を眺める!
はぁ〜ッ!! まさか島の林道がこれほどであったとは! もちろん海の見える林道は本州にも多くありますが、この眺めは別物でした。さすが太平洋に浮かぶ孤島「八丈島」だけのことはあります。島を取り囲む大海原から漂う絶海感は凄まじく、船酔いに苦しんだ11時間もの航海の苦労が一瞬で吹き飛んだぜぇ! WRも喜んでいます!
→さらに三原林道を進む!
→探索中止!
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