このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

京小路で見学
ももかが京都散策の折に立ち寄った美術館・博物館。
今までそんなに立ち寄っていないので数は少ないですね。

・・・上京区・・・
織成館

手織りを中心とする染色文化と工芸文化の展示館。昭和11年に西陣の帯製造業「渡文」の初代当主渡邊文七氏のお店兼居宅として建てられ、その後平成7年に新館として須佐命舎を増築。昭和初期の建物だけあり黒塗りの梁や柱はどっしりとしていて、これからも長く使いこなせそうな建物です。西陣の伝統的な家屋の特色が残っているという部分でも注目。玄関には織屋の井戸があって現在でも使用されています。ももかが立ち寄った時は大雨で他のお客さんもなくて貸切状態。復元された能装束について案内して下さったおじさまと話に花を咲かせながら楽しい一時を過ごしました♪ゆったりと出来て良いですよ。この館が面している浄福寺通は石畳の小道となっているのですが、これがまた素敵。
京都市考古資料館

応仁の乱の西陣の本陣跡にあり、建物の前には碑が建っています。この大正期のレトロな建物は本野精吾の設計による旧西陣織会館で、この内部を改装し考古資料館として昭和54年に再出発。羅城門の縮小模型図や京都市内で発掘された土器などが展示されています。西陣織会館も近くにあります。
相国寺承天閣美術館

相国寺の境内にあり同寺の創建600年記念事業の一環として昭和59年に開館。入口横からは普陀落山の庭を覗く事が出来ます。相国寺、鹿苑寺(金閣)、慈照寺(銀閣)を始めとする寺々からの宝物をも収蔵。その内容は多彩で国宝も4点の所蔵があるのだそうです。茶室・夢中庵の床の間の床柱には金閣の古材を使用。これは金閣が昭和25年に焼失した際、焼け残った木材なのだとか。室町の茶の流行を伺わせるような茶器が、沢山展示されているのが印象的でした。正面玄関に続く道はしっとりと落ち着いています。平成19年夏の『若冲展』では120年の時を経て相国寺所蔵の釈迦三尊図3幅と現在宮内庁三の丸尚蔵館所蔵の動植綵絵30幅が再会、多くの入館者があった事は記憶に新しいでしょう。ももかも行きたかったわ。
茶道総合資料館

裏千家財団法人今日庵が運営し、
裏千家センター内にあって茶道に関する資料を公開。昭和54年開館。時折企画展も行われます。ここでは目の前でお抹茶をたてて頂きました。丁度人も少なかったからか、色んなお話が聞けて勉強になりましたよ。


・・・中京区・・・
京都国際漫画ミュージアム

平成18年11月開館。閉校した龍池小学校の跡地を活用し、京都精華大学と京都市による共同事業により、同大学が管理・運営しています。歴史資料としての漫画から、現代の漫画に至るまでの約二十万点を所蔵(開館当時)。その全てが見られる訳ではありませんが、地下の収蔵庫の書棚には圧巻。よくも集めたものだと感心してしまいます。ただ、観光名所として出かけるには面白みがないかも。因みに龍池(たついけ)小学校は明治2年開校し平成7年廃校した番組小学校の中の一校。
京都府京都文化博物館

通称「文博」。旅先で時間が勿体無いのでももかは余り美術館関係は立ち寄らないように心がけているのですが、こちらはそんな中でも特にお気に入りの施設♪昭和63年に平安京1200年事業の一環として開館。重要文化財。此処の企画展内容が味があって、学芸員さん達の心意気を感じてしまいます。今までに「冷泉家の至宝展」「トプカプ宮殿の至宝展」「ノリタケデザインの100年の歴史」「「ナポリ・宮廷の美 カポディモンテ美術館展」を鑑賞。常設館は勿論京都の歴史についての展示があるのですが、薄暗い黒色の世界の雰囲気が好きです。平成23年改装。1階にはろうじ店舗と呼ばれる江戸時代末期の京の町並みを再現したお店があります。「前田珈琲 京都文化博物館別館内 旧日本銀行京都支店金庫室 文博店」(平成26年2月開店)は銀行の金庫を改装したもの。*「阿蘭陀館」は平成25年7月末閉店。

■■旧日本銀行京都支店(別館)
京都文化博物館の別館。辰野金吾と長野宇平治の設計により明治39年に竣工された煉瓦造の建物であり重要文化財。始めは東洞院通にありましたが移転を繰り返し、昭和42年に財団法人古代学協会の所有となり翌年平安博物館として開館。後に創建当時の姿に修理復元されました。一般公開されたのは昭和63年の事。その洋風な外観は明治の古き良き時代を感じさせるものがあります。建物の中は小さなコンサートが出来るくらいの広さ。カウンターが昔の欧米の映画に出てくるような感じでとってもお洒落です。


・・・下京区・・・
美術館えき「KYOTO」

JR京都駅の4代目になる駅舎リニュアールに伴い、新設された駅ビル京都伊勢丹百貨店内にある美術館。時間がある時に見学する事が多いです。今までに「エリザベート展」「エミール・ガレ展」「ルネ・ラリック展」「ブリューゲル版画展」「ルドンとその周辺」「ガレとドーム四季の花展」「山口晃展」などを鑑賞。
風俗博物館

井筒屋商店ビル5階にある小さな博物館で、平成10年4月にリニュアールオープン。以前は等身大の人形を使って縄文時代から近代までの服装の移り変わりを紹介していましたが、現在は『源氏物語』六條院「春の御殿」を4分の1の大きさで紹介。物語の登場人物の人形が様々な季節、様々な祭事によって活躍。中には実物大の部屋に几帳などの調度品などもあって、希望すれば十二単の試着も出来るというのですから素晴らしい♪ももかも着てみたいです〜(笑)。平安時代を愛する人達にとても人気がある場所というのも頷けますよ。現在日曜祝日が休館日となっています。


・・・東山区・・・
京都祇園らんぷ博物館

平成3年八坂神社近くに開館。建物は大きくないものの、国内外の古いランプが700点ほど展示されています。ももかが注目したのは個人的に欲しいキャンドルランプ(お皿の上に水を入れた容器を置き、その中に蝋燭を浮かべてからシェードを被せるもの)。クランベリーピンクのバカラのキャンドルランプがとても可愛かったです。
京都国立博物館

明治8年に京都府が御所内の旧御米倉を借りて各寺社の宝物を展示した事から博物館の歴史は始まります。移転を繰り返し、明治30年に現在の地に帝国京都博物館として開館、昭和27年に京都国立博物館の名称に。常設館は昭和41年に建てられた新館で、重要文化財になっている赤煉瓦の建物の本館は特別展などに使われています。平成7年、今まで閉じられていた西門(重要文化財の旧正門)が再び正門として開かれることに。この本館の設計者は片山熊山で、彼は赤坂離宮の設計も手がけています。その所為かとても西欧の雰囲気が出ていますよね♪中は広くて展示品も素晴らしい物ばかりなので時間をかけて訪れたい場所です。庭にはロダンの「考える人」
が何かを思案中。外に置かれているだけに酸性雨の影響が心配です。今までに「狩野永徳展」「京都御所ゆかりの至宝展」などを鑑賞。
高台寺「掌美術館

ねねの道に面する京・洛市「ねね」の2階にある小さな美術館です。小さいけれど入館料は良心的かな。近くの高台寺や圓徳院のライトアップ期間には開館時間が延長されるようですので立ち寄ってみては。ももかは高台寺蒔絵の企画展に訪れましたが、おそらく常設展示物も安土桃山時代以降の作品と推察します。蒔絵は好きな伝統工芸の一つです。
幕末維新ミュージアム霊山歴史館

幕末を走り抜けた志士達の歴史資料を展示する場として昭和45年に開館、平成17年にリニュアールオープン。幕末に興味がある方は是非お立ち寄りを。霊山というと薩長というイメージがあるのですが、新撰組など佐幕の資料も展示されています。期間を設けて企画展も開催。ももかは竜馬の暗殺されたところにあった屏風の血に幕末の激しさを痛感。
安井金毘羅宮/金毘羅絵馬館・ガラスの部屋

昭和54年頃開館し、江戸時代から昭和にかけてお社に奉納された絵馬600点余りを飾っています。昔、絵馬に願いを込めて奉納した人達の事が想像出来ます。「ガラスの部屋」ではアメリカ現代ガラス作家の第一人者デイル・チフーリのマッキア「海の神」が床に収められています。マッキアとは貝状のガラスの事で、チフーリの作品の代表的なもの。チフーリといえば現代ガラスを収集している美術館では御馴染みの作家さんで、片目アイマスクのアメリカ人間国宝第一号でもあります。当時の名誉宮司鳥居博愛さんは始め50センチ位の作品を購入し、これを床に入れる事を思いつきました。この「床に飾る」という演出(?)にはチフーリ自身も驚いたのだとか。この事は作品「海の神」がコレクションに加わる一端となったのだそうです。床下のマッキアが照明の光を受けてとても綺麗なんですよ。他にアール・ヌーヴォー、アール・デコ期のガラス作品も展示。小部屋を改装しての造りの為、おじいさんの書斎に入り込んだ子供のような気分になります。


・・・右京区・・・
池大雅美術館
江戸時代中期の文人画家・池大雅の作品を拝見出来ます。非凡な方というのは何を使っても上手く絵が描けるもの。こよりを使っての作品や指で描いた作品もあるんですよ。南画を学んだという事で、その絵は柔らかく味わい深いものでした。また大雅は書跡にも優れた方。王義氏の「蘭亭の序」もその中に。蘭亭の序って学生時代に書道と漢文の時間にみっちり教えられたので愛着があるんですよ(笑)。昭和34年建設。


・・・左京区・・・
京都ギリシアローマ美術館

閑静な住宅街の中に小さな案内板があって、そこまで行くと青銅の門に小さな洋風な入口といった風情でこの美術館は開かれています。4階建の建物は洋館で平成9年の開館。中にはいろんな彫刻が飾られていました。古代の人達の技術の程が伺えるような赤絵と黒絵で作られた壷などが印象的で、その僅かな色彩の中に生まれた絵の素晴らしさはいつまでも見ていたいくらいです。休憩室もあって寛げました♪
京都国立近代美術館

昭和38年に京都市勧業館別館を改装し国立近代美術館京都分館として開館したのが始まり。昭和27年12月に日本初の国立近代美術館が東京に誕生して以来、他地域に先駆けて2例目となります。因みに大阪国立近代美術館は昭和52年に開館されているので、その古さが分かるでしょう。昭和13年に建てられた建物を使用し、元々、美術館として設計されたものではなかった為、新たに昭和61年新館を開館。新館の設計は槇文彦です。入口ロビーはゆったりとした造りになっています。ももかは「山口華楊展」「日本の映画ポスター芸術」にお邪魔しました。窓から平安神宮の朱塗りの大鳥居の傘の部分が真横に見られるんですよ。
京都府立図書館

前身は京都集書院で、東京の集書院に続き明治6年5月に開設された公共図書館。中京郵便局付近の三条高倉西にありました。京都府立図書館としては明治31年に京都御苑内博覧会協会東館(85坪)を借り受けて三宅五郎三郎を初代館長に迎え発足しました。現在の岡崎の地に移転したのは明治42年のこと。建物は武田五一設計によります。煉瓦と花崗石を使用したこのレトロな美しい建物は、86年後の平成7年に起こった阪神淡路大震災により深刻な被害を受けました。その後、新館設計と共に外壁保存の形式で建物を修復。平成13年に新府立図書館としてリニュアールオープン。ウィーン分離主義的なデザインと色使いのレトロな建物は、現在でも目を引きます。京都ならではの貴重な本も多くて、一日でも居たい場所です。余談ですが、京都市市役所も五一(と中野進一)の設計。ちょっと雰囲気が違います。
京都府立陶板名画の庭

平成6年開館。原画を撮影したポジフィルムから写真製版し転写した陶板を焼成。これを繋ぎ合わせたものを展示しています。陶板というとKPMベルリンを連想してしまうのですが、写真製版からおこしたものという事でよくよく見れば確かにそう。ヘタウマな模写で焼成した方が出来上がりの筆の使い方も滑らかで良いんじゃないかと思うのですが・・・。入場料がお安いからまあこれはこれで(笑)。それでもミケ(ミケランジェロの事)の「最後の審判」やダ・ヴィンチの「最後の晩餐」などの大作もありました。
思文閣美術館

立命館大学の学生寮跡地に、昭和50年「文化の架け橋になる」趣旨を基に開館した美術館。思文閣開館の2階にあるフロアはそうは大きいものではないものの、時事を取り入れた企画展などを積極的に開催しているようです。*平成23年より休館中
白沙村荘 橋本関雪記念館

日本画家橋本関雪が南禅寺の金地院内に仮住まいの後、転居したのが白沙村荘。そこを記念館としたものです。庭園は3つの池を持ち、大文字山を借景にした池泉回遊式借景庭園。かつては池に逆さ大文字の送り火が映ったそうですが、現在は木々が鬱蒼としている為にその様子は伺えません。ゆったりとしていてかなり広いお庭でもあります。ギャラリーには勿論関雪の作品が、ギリシア・ローマ時代の壷などのコレクションと共に展示。
琵琶湖疏水記念館

南禅寺にも近くにある疎水記念館。琵琶湖の水を引くという事は京都にとって昔からの夢だったのだそうです。明治18年に着工された疎水事業は明治23年に完成。その後も疎水事業は続けられています。この記念館は琵琶湖疏水竣工100周年を記念して平成元年8月に建てられました。疎水の歴史は此処に。しかも無料です。


・・・北区・・・
京都府立堂本印象美術館

京都に生まれ帝室技芸員、芸術院会員だった堂本印象の美術館。昭和41年に開館し、平成3年に京都府に寄贈。現在は指定管理者制度によりすぐ前の立命館大学が管理・運営にあたっています。内装外装全てが印象の意匠により彩られ、そんなに小さくはないものの個性的な建物になっています。内と同様、外装にも使われていた金箔は風雨により剥がれ落ちてはいるものの、景観を損なうものではありません。アンティーク調のサロンがお洒落です。『木華開耶媛』(昭和4年)が好き。この画風が後にピエト・モンドリアンのような抽象的になっちゃうのが不思議。「KYOTOきぬがさ絵描き村-印象・平八郎・神泉・竹喬・華楊-」を鑑賞。


・・・宇治市・・・
宇治上林記念館

上林家が宇治に住んだのが永禄年間。此処から「お茶の上林」の歴史は始まります。お茶といえば江戸時代にはお茶壷道中という行列がありました。将軍家御用達のお茶の調達は宇治でなされ茶壷の往還がなされました。童歌「ずいずいずっころばし♪」にも「茶壷に追われてどっぴんしゃん♪(茶壷行列が来たので慌てて戸を閉めた、逃げた)」とあります。因みにこの歌の解釈は諸説あるのですが、その1つと考えて良いでしょう。「上林茶舗」と掲げられた古めかしい門と同様、お茶に関する様々な資料があって宇治に来たら是非立ち寄りたいところです。
宇治市源氏物語ミュージアム

『源氏物語』五十四帖の中でも源氏亡き後、源氏の遺児とされ本当は悲恋のうちに若くして没した柏木の子・薫と源氏の孫で次の東宮にと目されている匂宮、源氏の異母弟で零落していた八の宮の三人の娘達を取り扱った「宇治十帖」がメイン。牛車もあったり宇治八宮邸の再現などがあって面白いのですが、ももかにはちょっと物足りなかったかな。入場に自動券売機が気になりました。それでも庭の植え込みにムラサキシキブを発見!心憎い演出といえましょう。売店ではお香が焚かれて雅やかでした。
平等院ミュージアム鳳翔館

昭和40年に平等院に造られた宝物館を一新し、平成13年に栗生明と宮城俊作の手により建てられました。
雲中供養菩薩26躯を間近で見られるのが嬉しいです。ちょっと段差が多く、エレベーターを使いたい人は館員に声をかけなければならないという不便さはありますが、神秘的で素敵な美術館です。ミュージアムショップもお勧め。

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