このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
諏訪の七不思議
湖水御神渡 こすいおみわたり |
冬の厳寒の頃、凍りついた諏訪湖に南北に亀裂が走ります。これを「御神渡りおみわたり」または「御神幸おかんさき」といい、その亀裂の方向により年の吉凶を占います。伝説としては上社の男神(建御名方命)が下社の妃神(八坂刀売命)に通う恋の旅路というもの、狐の行列が諏訪明神を守護して渡るというもの(『本朝二十四考』他)などが知られています。 |
蛙狩神事 かわずがりしんじ |
諏訪大社上社本宮の行事である蛙狩神事は、1月1日(元旦)早朝に行われます。上社前の御手洗川の氷を割ると寒中なのに必ず赤蛙が数匹取れるのです。大祝以下の神官がこの蛙を楊の小弓で射て三宝に乗せ神前に捧げます。「的始め」或いは「生贄始め」といわれるこの神事は、竜蛇神である諏訪明神に生贄の蛙を捧げている姿を模したものとする説も。昔はこれを焼き、まず大祝に供し、神官・氏人が神の薬餌として頂いたといいます。 |
五穀の筒粥 ごこくのつつがゆ |
諏訪大社下社春宮境内筒粥殿の行事。正月14日の夜から翌15日の暁にかけて44本の葦の茎を束ね小豆粥を炊きます。翌朝の日の出前、その葦を小刀で切り筒の中に入った米(粥)の量を見、その年の43種類の農作物の作付けと世の中の景気の善し悪しを占います。占いの結果は筒粥目録に書き込まれます。 |
高野の耳裂け鹿 こうやのみみさけじか |
高野とは八ヶ岳山麓に広がる神野こうやの事。諏訪大社上社最大の祭りとなる御頭祭おんとうさい、おとうさい(酉祭とりのまつり)は、昔は三月の酉の日に行われた事から酉の祭りと呼ばれました。前宮の十間廊には鹿・雉・鯉・鮒・海老などの調理が75膳と酒が75荷、計525膳が並べられました。その供物の中にある高野で取れた75頭の鹿の中には必ず耳の裂けた鹿がいたといいます。現在は新暦の4月15日に執り行われ、かつて75頭であった数に変わり2頭の鹿の剥製が供えられます。因みに諏訪明神は特に鹿肉を好み、その為仏教で殺生が禁じられた時代でも諏訪の特権として鹿食免の神符が流布していました。 |
葛井の清池 くずいのせいち |
茅野市上原の葛井神社の葛井の池は底なしの池といわれています。毎年大晦日夜半、1年中の神事に手向けた御幣帛・榊・柳の枝・柏の葉等を御宝殿から取り下げ前宮御室の御燈を合図としてこの池に投げ込めば、翌元旦に遠州(静岡県)の佐奈岐池(さなぎのいけ)に浮くと伝えられます。 |
御作田 みさくだ |
上社藤島社の御作田と下社御作田社の御作田において行われる田植え神事。6月30日に田植えをすると30日後の7月下旬には稲が実り、8月1日(お舟祭りの日)には神前に供える事が出来るとされ、御作田の早稲として伝えられています。御作田祭(御作田社)は神官が耕作を真似、巫女による田遊びの舞が奉納され古老により稲が植えられます。現在は藤島社では5月下旬から6月上旬の日曜日に、御作田社では6月30日に行われます。 |
宝殿の天滴 ほうでんのてんてき |
上社本宮にある天流水舎に次の謂れがあります。どんなに晴れた日でも屋根の上の穴から雫が3滴は落ち、この下にある井戸に溜まるのだそうです。雨乞いの折にはこの御天水を青竹に頂いて帰り、神事をすると必ず雨が降るとか。またここが天竜川の水源だともいわれています。 |
諏訪大社の七不思議 | |
上社の七不思議 | 下社の七不思議 |
■御神渡 | ■御神渡 |
■元朝の蛙狩 | ■五穀の筒粥 |
■高野の耳裂鹿 | ■湯口の清濁 *注2 |
■御作田の早稲、藤島社の神事田 | ■根入りの杉 *注3 |
■宝殿の天滴 | ■御作田の早稲 |
■葛井の清池 | ■浮島 *注4 |
■穂屋野の三光*注1 | ■穂屋野の三光 |
注1)御射山祭の時に太陽・月・星の3つを同時に拝む事が出来るといいます。穂屋野とは薄が多かった御射山を指します。 注2)綿の湯は八坂刀売命が落とした化粧水が温泉となって湧き出したという伝説を持っています。これに不浄の者が入浴すると湯が濁ってしまうのだそうです。 注3)下社秋宮の境内の大杉(別名お宝杉)は深夜に枝を三寸下げて眠り、そのいびきが聞こえるといいます。 注4)春宮の西を流れる砥川にある島。元来「暴れ川」と称された砥川において、どんな大水が出ても流れないと伝えられます。ここには浮島社(祓戸大神を祀る)があります。 |
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